治療時間

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~先輩~

先日開業祝いで立派なお花が届きました。送り主は以前の職場の先輩です。

袂を分かれてもう数年経ちますが、この先輩の影響はとても大きなもので、今の自分があるのも、先輩のおかげといいても過言ではありません。当時のことを花を見て思い出しました。

 

鍼灸マッサージ師の免許を得て最初に働いたのが都内にある鍼灸整骨院。

そこにいたのが花をくださった先輩でした。院内のNo2であり、オーナーを兼ねる院長と共に現場を支えていた人でした。

当時専門学校卒業したてで治療院勤務が初めての私は、毎日が精一杯で1日終わるとほっと安心して帰宅、また明日から大変な業務があると憂鬱になりながら眠る日々でした。患者さんの顔と名前、器械の操作、手技、受付業務、覚えることは山ほどありました。

入職して数日経ったある日、先輩は私にメガネを外せ、と言いました。それまで裸眼で過ごしていたのですが仕事に影響があるのでメガネをかけていました。それを外してコンタクトにしろと。理由は「お前はメガネをかけていると真面目に見えすぎるから」。患者さんから見たときの印象が大切で、真面目すぎる外見はつまらない。
それは個人の趣味でしょ、と反論できるような状況ではその頃なく、人生で初めてコンタクトを買いにデパートに行ったものです。焦り過ぎてデパートに行けば何とかなるだろうという頭が働いていない。そのときからずっとコンタクトをして生活しています。

ほどなくして知りましたがこの先輩は私と同い年。同じ年齢にも関わらず、当時の差はとてもありました。忙しい院内の状況を耳で判断しており、カーテンで閉ざされた中で鍼をしていても他の患者さんとスタッフがどうしているか把握していました。鍼灸マッサージ師の資格だけで柔道整復師は持っていなかったにも関わらず、一般的な外傷にも対応していました。

入職して半年ほど経ったときにその先輩は分院に異動が決まりました。それに伴い、先輩が主に見ていた患者さんの多くを私が引き継ぐことになりました。先輩からの直々の指名です。分不相応の状況に置かれましたが、やる以外の選択肢はありません。引き継いだ患者さんからは「あんたまだまだね」と言われ続け、ここがダメ、こうしなさい、と繰り返し直されました。そのことが飛躍的に私を成長させてくれたと思います。

その後先輩は再び同じ場所で働くことなく職場を辞めました。月に1回程度会議で会うくらいで実務を習う、見る、盗む機会は無くなりました。

わずか半年程度でしたが、先輩の教えは大きかったです。外見から意識せよ、鍼灸師だからと外傷を疎かにしない、耳で状況を把握する、時に強引に患者さんに治療を勧める、といったこと。
学問、技術だけではない臨床家の実際を教えてくれました。同い年で弱視というハンデを持った、業界の大先輩。独立した今、もう一度あの教えを思い出します。

甲野 功