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~駅前の不味いラーメン屋~

腰痛探検家 高野秀行著 集英社文庫
腰痛探検家 高野秀行著 集英社文庫

 

 

高野秀行さんという作家をご存知でしょうか?


冒険家であり作家であります。早稲田大学探検部出身で辺境探検をテーマにした作品などを発表しています。

妻が高野秀行さんのファンで、あるときこの本を貸してくれました。


『腰痛探検家 高野秀行著 集英社文庫』


作者の高野さんが腰痛を患いその体験談を本にしたもの。腰痛は得体の知れない秘境と考え、腰痛世界を探検するというコンセプトです。

 妻はとても面白かったという感想でしたが、私には背筋が凍るような怖い作品でした

 

それは腰痛持ちの患者さんの心理といくつもの治療院や方法を試していく様子を正確に描写されており、患者側はこのように思っているとはっきり分かるからです。そして治療者側の手口(書き方に語弊がありますが)も

作品の中でいくつか治療院、整骨院を巡るのですが、何件も「治ります」と断言されることに驚いて友人に相談する場面が出てきます。以下の引用してみます。

<引用始め>
翌日の晩、若い友人と若い友人と飲みに行ったおり、その話をした。

 

「それはラーメン屋のオヤジ理論ですね」と彼は言う。

 

「なに、それ?」


私はラーメン屋にほとんど行かないので知らなかったが、友人によれば、全然うまくないのにオヤジが自信満々のラーメン屋は多いという。

 

オヤジは「うちのお店はお客さんがみんなうまいって言っている」と胸を張る。実際には「まずい」「うまくない」と思ったら客はわざわざ苦情を言ったりせず、単に店に行かなくなる。結果として、店に行くのはそのオヤジの味が好きだというごく一部の客と、「ただ近いから来る」とか「ラーメンなら何でもいい」という客だけが残る。そしてオヤジ本人はこの事実に永遠に気がつかない……。
<引用終り>

この部分を読んで本当にドキッとしました。自分は不味いラーメン屋のオヤジになっていないか?たまたま自分の技術や人柄がはまって「先生は腕がいい」とおだてられ、”私に馴染む人だけ”が訪れているに過ぎないのでは、と。面と向かってクレームをつける人は少ないです。笑顔でまた来ますと話して二度と現れなくなった例は山の様にあります。

 

自問自答。

 

この本を読んだ当時はまだ独立しておらず鍼灸整骨院でとても忙しく働いている頃でした。たくさん患者さんがついて、臨床以外にも後輩の育成や経営会議、事務処理とやることが山積していました。学生でもありましたし。管理職を任されて肩書きもあり少々天狗になっていたと思います。

 

もしからしたら『駅前の(立地が良くて勝手に人がくる)不味いラーメン屋のオヤジ』になっていたかもしれません。

こうやって自分の院を始めて思い知らされることがたくさんあります。あの頃この本を読んでいて良かったと思いました。

甲野 功

 

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