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~咳を止めたいときに~

私は咳が出はじめるとなかなか止まりません。結構苦しくなります。
そんなときに肘の内側を親指で押すことで咳が止まることがあります。

 

ツボ(経穴)でいうと尺沢曲沢になります。私は臨床上、咳が出て困っている患者さんには、まずここを押しています。

 

なぜ咳なのに肘の内側を押すのか、という疑問があります。

肺経という咳に関わる経絡の合水穴という要穴だから、もしくは心包経の合水穴だから、という東洋医学的な説明もありますが、私の場合、経験上有効だったから使うという感じです。

もともと咳に肘のツボを使うというのは、中学校の頃みたマンガが原点になります。
当時少年マガジンで「MMR」という作品が掲載されていました。マガジン編集者のキバヤシ(多分実在する編集者)が世紀末の人類滅亡に関する話を取材する様子を劇画タッチで描く作品です。


基本的に毎回、人類は世紀末に滅亡もしくは悲惨な状況になるという結論になるもので、今でいう都市伝説や陰謀論をそれらしく描いていました。


もちろん少年マンガであり、フィクションですがカルトな人気があったと記憶しています。

 

その作品内で主人公キバヤシが風邪をひき、診療所に行って薬をくださいと頼むシーンがあります。
医師は薬もいいけどこれもどうかしら、と肘に鍼を刺すのです。「なんで咳なのに、肘に鍼を?」と心の中で疑うキバヤシ。しかし、しばらくすると咳が止まっています。
この経験から”超能力を頭から否定するのは違うと思う”、とキバヤシは考えを改めるというエピソード。

 

今なら、鍼灸治療とオカルトを一緒にするな!と突っ込むところですが、当時はふーんと思った中学生でした。

 

そして時間は流れて鍼灸専門学校時代のこと。
学校で咳が止まらなくて苦しんでいると、同級生が、ここに鍼刺すと効くぜ、と肘の内側を押して痛いところ(圧痛点)に鍼を刺してくれました。


そうすると本当に咳が治まってきたのです。鍼の効果を身をもって体験したのです。

 

これらの2つの経験から咳には肘の内側、尺沢もしくは曲沢を使うとインプットされた私は、その後も使うようになったのです

 

鍼を刺すこともありますが、圧倒的に指で押すことが多いです。親指でポイントを探り、相手が顔をしかめるくらいの強さで持続的にしばらく押します。
鍼を使わないのは、寝込むほどではないが咳が出て仕事に支障が出てしまうという状況が圧倒的に多いからです。消毒して鍼を刺して、とはいかない場所で応急処置として行います。


治療院で咳が辛いですという状況があまりないことが残念なところ。治療院内でしっかり鍼を使える状況ならば、尺沢、曲沢の他に天突というツボ(経穴)も有効です。

胸の上、左右の鎖骨間にあるくぼみが天突です。ここにお灸を据えたり鍼をしたりします。指で押すならば人差し指で胸骨の裏に指先を入れるように下に押します。

 

これら3か所以外にも胸の中央にある壇中や、内関といったツボ(経穴)も使います。

 

もしも、咳をそのときだけでも止めたいというシチュエーションになったら、肘の内側の痛いところをギュウっと押さえてみてください。そして鎖骨の間のくぼみに指を突っ込んで押してみてください。

 

 

※参考までに紹介した経穴の解説を記載しておきます。
尺沢:LU5 手の太陰肺経 肺経の合水穴 
   部位→肘前部、肘窩横紋上、上腕二頭筋腱外方の陥凹部
曲沢:PC3 手の厥陰心包経 心包経の合水穴 
   部位→肘前部、肘窩横紋上、上腕二頭筋腱内方の陥凹部

天突:CV22 

   部位→前頸部、前正中線上、頸窩の中央 

(『新版 経絡経穴概論』 教科書執筆小委員会著、医道の日本社出版より)

 

甲野 功

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