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~学連ダンサーの障害 中足骨疲労骨折~

最近、何度目かの競技ダンスブームです。社交ダンスを競技として行い、大会で優劣をつけるのですが、少年ジャンプにマンガが連載され、キー局のアナウンサーが実際に競技会に挑戦しています。

 

私も大学から競技ダンスを始めましたが、東部日本学生競技ダンス連盟(通称:学連)に所属する選手でした。
日本の競技ダンスは大きく分けて、プロ、アマチュア、学連に分類され、学連は特異な存在といえます。


それは、多くの選手が大学に入って初めて社交ダンスに取り組み、最初から競技ダンスとして取り組むことにあります。
一般的にはパーティーに参加するため、カルチャースクール感覚で、など軽い感じからダンスの世界に入り、技術が上達すると競技会に挑戦してみよう、と段階を踏むことがほとんどです。
その競技会にしても、最初は軽い大会から始めて徐々にレベルアップしていくのが普通です。

学連の場合、最初から同じ年齢、同じキャリアの選手との競技になるので、簡単な(レベルの低い)大会で自信をつけよう、ということがありません。簡単に決勝に入ることは難しいのです。
テレビ番組の企画で芸能人が競技会に出る場合、ほとんどがある程度上位に入賞できるレベルの大会を選択して出場しています。学連の場合、そのようなことができません。

 

どれだけ練習しても、同学年にもっと強い選手がいたら、日の目を見ることがないこともあります。4年間の制限もありシビアな世界です。

 

そんな状況で練習する学連選手には、大きなスポーツ障害はあまり見られませんが、稀に大きな障害になることがあります。

過去に私が実際にみてきたスポーツ障害を紹介したいと思います。

 

ある年の夏、母校の合宿にOBとして参加しました。夏合宿約1週間朝から晩まで相当な練習量をこなします。
初めて参加する1年生は体を傷める子が少なくありません。この部は男女に練習内容の差がないので、特に運動未経験の女子にはかなり苛酷になります。

合宿後半のこと、ある1年生の女子が足の甲が痛いと言っていました。当時私は鍼灸専門学校の1年生くらいだったと思いますが、あまり気にとめていませんでした。
あちこち痛いという1年生はたくさんいたからです。知識も経験も少なく、これだけ練習すればどこか痛くなるよ、という気持ちがありました。

 

合宿後、その女子は痛みが引かないので病院に行ったら、中足骨疲労骨折と診断されました。
まさか疲労骨折をしているとは、思わず意識を変えさせられる出来事でした

 

疲労骨折とは大きな力が加わって一撃で骨折するのではなく、小さな衝撃が反復して加わり骨が耐え切れなくて骨折するものです
足の甲は主に5本の中足骨という骨でできていますが、そのうち第2、第3中足骨が疲労骨折しやすいです


画像は私の学生時代のノートですが、第3中足骨骨折の絵が描いてあります。この骨折は別名、「行軍骨折」と言われ、長時間歩いた旧日本軍の歩兵に多かったことに由来します。
なお、絵のようにぽきっと折れるだけでなく、ヒビが入った状態の場合もあります。

 

合宿では毎日の練習で中足骨が耐え切れなかったものと推測されます。この女子はのちに全日本上位に入る名選手になった子で、当時から練習熱心だったことが関係するのでしょう。

 

そしてこの次の年、同じように夏合宿に参加しましたが、当時のある1年生の男子が合宿後半になって足の甲が痛いと言い出しました。去年の出来事を踏まえ、病院に行くように指示したところ、やはり中足骨疲労骨折でした。


まさか2年連続同じ症例をみるとは思いませんでした。昨年の経験があったので、ひどくなる前に手が打てたことは幸いでした。

この1年生も歴史に残る名選手になりましたから、やはり練習熱心でした。

 

中足骨疲労骨折は練習を控えることが余儀なくされるので、疲労骨折しないように未然に防ぐことが大切です。

練習を熱心にした結果、練習ができなくなるなどあってはなりません
後輩の症例を経験して、そうならないようにケアすることを学ぶことができました


後輩の皆さんには感謝しています。

 

甲野 功

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