治療時間

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~ダムの放水理論~

最近、私の父から聞いた話です。

 

ダムの放水ってあるだろ。あれと論文は同じなんだ。深く練られた論文は著者が研究した上澄みの綺麗なところを出してくる。
研究が浅い論文は研究内容のほとんどを出して書かないといけないから余裕がない。
ダムの放水は深くて水量があるから美しい。浅い水量が少ないダムなら底に溜まったヘドロが出てくるし豪快さがない。
それと一緒で底の浅い論文は無理をしていて美しくないんだ。

 

父はエンジニアで、その分野では国家試験の問題作成に携り、講演依頼で東北まで呼ばれるような人。
専門分野の論文を多数みていく中で、もっと研究を深めて来年出せばいいのに、と思う論文によく出くわしたそうです。
おそらく周りに急かされて完成を急いでしまったのだろう。しかし、そんな論文はちょっと突っつけばボロが出るもので、価値が無いのにな、と話します。

 

この話は私の仕事にも大いに当てはまります。

 

治療において使う技術、知識、経験などは、通常1割もないと思います。数%程度ではないでしょうか。
もちろん患者さんに対して“全力を尽くします”が“全能力を駆使する”ことはありません。

そうでなければ余裕がないですし、“美しく”ありません。

大学で習った物理学や社会人時代の経験など、臨床でほとんど使えません。あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、柔道整復師の技術を全て使う症例などほぼ無いでしょう。

 

反対に全能力の数割を使う場合は、大概初めての症例の新規患者さんです。

どんな人か、どんな既往歴・社会歴・家族歴か個人情報がない。更に初めてみる症例。

患者さんを目の前にしてパソコンや教科書で調べるわけにはいきません。


このようなときは、これまでの人生経験、勉強した内容を総動員して、病態把握をした上で人柄や志向を推測しつつ効果が期待できる治療方法を選択します。

もちろん説明をした上でそのやり方に納得してもらう(インフォームドコンセント)必要があります。

 

こういうときは内心焦りで、余計な汗をかき、上手く手が動かないことがよくあります。
このような困難な状況でもプロとして焦りを表に出さず、安心させて、確かな治療をしなけ

ればいけません。

 

ダムの放水と同様に、自分の器を大きくし大量の水を蓄えておく必要があるわけです。

 

甲野 功

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