治療時間

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~ゲートコントロール説~

人は痛みがある場所に自然と手を当てます。治療行為を「手当て」という大本の行為です。

では、なぜ痛いところに手を当てるのでしょうか。それは手を当てると痛みが和らぐことを知っているからです。
それでは、なぜ手を当てると痛みが和らぐのでしょうか。

それを説明するのがゲートコントロール説です。“説”とついているのは、完全に立証されていないため。大筋は正しいそうだ、というものです。

痛みや触られたという感覚は神経線維を通って大脳に伝わり、そこで感覚だと認識します。末端から大脳へ向かう親権のルートを求心路と言います。


神経線維は異なる太さ(直径)のものが幾つか存在し、太い方からアルファべットの並びで分類されています。なお直径が太い神経線維ほど神経の伝達速度が速くなります。


太い方からA、B、Cと分類され、A線維は更にα、β、γ、δに分類され、Aα、Aβ、Aγ、Aδ線維の4種類に分けれらます。

 

触られたという感覚、すなわち触覚と、押されたという感覚、すなわち圧覚は末端からAβ線維を伝わって大脳に刺激を伝えます。痛いという感覚、痛覚はAδとC線維によって伝わります。

 

痛覚には1次痛と2次痛に分けられます。1次痛ははっきりとした、鋭い、どこが痛いのかはっきりとした痛みのこと。2次痛はうずくような、どこが痛いのかはっきりしない不快な痛みのことです。
足の小指をタンスの角にぶつけたときに、直後にくる鋭い痛みが1次痛で、あとからじんわりと感じる痛みが2次痛です。


1次痛はぶつかった、殴られたといった機械的な刺激だけに応じた痛覚であるのに対し、2次痛は機械的、化学的、熱的などすべての刺激に応じた痛覚です。そのため、臨床現場では痛みの種類を聞き、ここが痛い!とはっきり指さしてもらえるのか、何となくここら辺が鈍く痛いのです・・・と言われるのかで症状を推測することになります。

 

対して手で押さえる、指圧する、揉捏する(揉む)といった行為で受ける感覚(触覚、圧覚)は、末端からAβ線維を伝わって大脳にて認識します。

 

神経線維から伝わる感覚刺激は脊髄のT細胞に伝わります。それと同時に脊髄後角にある膠様体(SG)にも刺激が伝わります。


SGは感覚がT細胞に入る所に門(ゲート)を作り、常にそのゲートを閉めようとしています。そのため、SGが刺激されるとゲートが閉まり、感覚刺激がT細胞に入りにくります。
このとき、太い神経線維の刺激はT細胞に入ると同時にSGを刺激してゲートを閉めるように働くため、太い神経線維の刺激は痛覚が脊髄に入るのを防ぐと考えられています。

これをゲートコントロール説と言います。

 

平たく言うと

痛覚よりも太い神経線維から伝わる触覚、圧覚が、痛覚の伝達を止めているのでは

ということです。

これだけでは説明できない現象があるため、更に下降制抑制制御などの考えが追加されています。

 

幼少期の頃、痛いの痛いのとんでいけー、と親に痛いところを擦ってもらった経験はないでしょうか。これを説明するのがゲートコントロール説です。按摩、指圧、マッサージといった手で押したり揉んだりすることで、痛みが和らぐことの(不完全ながら)科学的根拠の一部となっています。

 

テーピングをすることで筋肉痛が和らぐ、安心してプレーできる、という感想を述べる選手をたくさん見てきました。これはテーピングの効果もさることながら、テープを貼っていることで触覚刺激が常にあるため、痛覚刺激をある程度遮断していると考えられます。


鍼灸師には皮内鍼や円皮鍼というものを用いますが、鍼刺激以外に固定しているテープの触覚刺激も効果があると言われ、セロテープや絆創膏でいいから痛いところに貼っておくと良いという先生もいます。

 

他のエピソードとして、整骨院勤務時代に湿布を一日中貼ったままにして皮膚がかぶれているお年寄りを何人かみました。薬効はそんなに長く続かないから剥がしてくださいね、と言っても、貼っていると効くから貼り続けるのだと反論されました。
これは湿布の薬成分ではなく、触覚が疼痛緩和をしているのではないかと思ったものでした。

 

 

触ることで痛みが和らぐことを説明したゲートコントロール説。これを用いて患者さんに各種治療効果に納得してもらうことで、心理面でも効果を高めるようにしています。

 

甲野 功