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~鍼の話 片手挿管法~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 片手挿管の様子
片手挿管の様子

 

前回のブログ~鍼の話 単鍼法~片手挿管という用語を出しました。片手挿管とは鍼を刺す方の手(刺手と言います)だけで、鍼管という鍼を刺すときに用いる管に鍼を入れる技術です。通常は利き手が刺手になるので私の場合は右手で行います。片手挿管に対して「両手挿管」という言葉もあり、その名の通り両手を使って鍼を鍼管に入れます。

 

当然ながら両手挿管よりも片手挿管の方が難しく、鍼灸専門学校に入ると最初に習う技術です。学生にとって、お灸の艾を捻ることと片手挿管は最初に苦しむ技術でしょう。


この片手挿管ができると、押手という(私に場合は左手)ツボ(経穴)を探す方の手でツボを定め(取穴といいます)ている、その間に、刺手は鍼を打つ準備をすることができて効率が良くなります。

実際にどのようなものか、文字に起こすと以下の通りになります。専門学校で使用する教科書(東洋療法学校協会編 はりきゅう実技<基礎編>)に記載してある片手挿管法のやり方を下記に載せます。番号に対応した画像を載せておきました。

 

①鍼管を刺手の中指、環指、小指で軽く縦に握るように保持する。この時、鍼管の下端は小指の根本か小指球で必ず塞いでおく。

あじさい鍼灸マッサージ治療院 片手挿管1
鍼管を持つ

 

 


②刺手の母指と示指で鍼尖を上にして鍼柄を軽くつまむ。この時鍼柄の最下端を持つと、次の挿管動作がしにくくなるので、必ず2mm程度残してつまむようにする。

あじさい鍼灸マッサージ治療院 片手挿管2
鍼管とともに鍼を持つ

 


③つまんだ鍼柄の下端(②で残した2mm程度の部分)を鍼管に近づけ、これを鍼管口に入れ、鍼を鍼管上部に突き出たように止まる。

あじさい鍼灸マッサージ治療院 片手挿管3
鍼管の口に鍼柄を入れる準備

 


④示指と中指の間に鍼管の上部を挟み、中指に当てた部分を支点にして、鍼管を約1/4回転させ、鍼管下端を手掌面を滑らすように示指の根本まで持っていく。この動作の過程で鍼管上部に突き出ていた部分を、鍼管の中に納め、逆に鍼柄の下端部から4~5mm出るようにする。

あじさい鍼灸マッサージ治療院 片手挿管4
鍼を鍼管に入れる

 

 

⑤鍼管の下端から出ている鍼柄の部分と、鍼管の下端を母指で示指に同時に推しつけるようにつまみ固定する。

あじさい鍼灸マッサージ治療院 片手挿管5
鍼をうつ準備ができる

 

 

とにかく、片手で鍼管に鍼を入れて刺せる状態まで持っていけばいいわけです。ところが、この片手挿管はできない学生が多いことがあります(学校の状況によるのでしょうが)。というのも、学校で使用される鍼はセイリン社製が多いのですが(※これも学校によります)、それは鍼管と鍼が1セットで最初から鍼管に入った状態で個別包装させているからです。これを使うと1本1本最初から鍼管に入っているのでいちいち挿管する必要がありません。私の母校でもセイリン社製を使用するので片手挿管を習っても使う機会があまりありません

別のメーカー、例えば山正社製の鍼では、鍼管1つに鍼4本が1セットで梱包されており、鍼管に鍼は入っていないので、自分で挿管しなければなりません。セイリン社製に慣れていると鍼を打つのに手間取ります。私が修業した鍼灸整骨院では山正社製の鍼を使うところだったので片手挿管は必須でした

 

国家試験が終わって就職活動をしているときに、面接先で片手挿管を見せてくださいと言われて上手くできませんでした。それから必死に毎日練習して実践で使えるようになるまでにしました。鍼柄を折って鍼管とセットで持ち歩き、歩きながら片手挿管をします。電車に乗っているときや待っているときもします。本当はいけないのですが、自転車に乗りながら片手運転をしながら片手挿管をしました。ステンレス製の鍼柄は重たくてやりやすいのですが、セイリン社製のプラスチック製の鍼柄でもできるようにこちらでも必死に練習しました。国家試験を受ける前の学生時代にやっておけよ、という話ですね。国家試験が受かったくらいでは、まだまだ現場で役に立ちませんよと言われた気がしました。


とても基本的な技術ですが、大切なものなのです。

 

甲野 功

 

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