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~機会ロス~

最近は難しいテーマをマンガにしてストーリー仕立てにして解説する本が増えています。最初から文字だらけの学術書を読むよりも、手始めにマンガから入ることは初学者にはいいことでしょう。
小学校の頃、学習漫画をたくさん読んで勉強した経験を思い出します。

 

開業する前は理系の勉強を経て治療の勉強と、どちらかというと技術面重視できました。
それが開業して経営をするようになると嫌でも経済、経営、マーケティングなどの、それまで接してこなかった分野の勉強が必要になります。もともと経営などやりたくない、数字に追われる人生などまっぴらだ、と思っていたものですから、新たな勉強はなるべく取っつきやすい所からにしました。

 

経済の勉強をするようになって知ったのが機会ロス(損失)という言葉。今まで考えたこともないことでした。

画像にある本はセブンイレブンの16歳からの経営学。セブンイレブンでバイトをする女子高生が主役のストーリーで、物語を通して経営の基礎を勉強する内容です。


その中のセリフにこのようなものがありました。
完売するといういうのは売り手の満足でしかない
お客様には不満足でしかないんだ


機会ロスを端的に説明するセリフです。

 

もしも売り切れた状態で、その商品を欲しいというお客が10人お店に来たしたら、10人分の売り上げを逃したことになります。それが機会ロスです。
対して弁当や惣菜などの消費期限が切れた売れ残りは廃棄しなければいけません。これが廃棄ロスです。
廃棄ロスと機会ロスのバランスを取りながらセブンイレブンでは入荷数を決めています(どの小売業もそうでしょうが)。

 

商品を買えると期待して来店されたお客さんが、売り切れだったためにがっかりして帰ることは、大きなロスであり、信頼関係にヒビが入ること。一般的なお店では閉店直後に1個だけ商品が残ることが理想である。24時間営業のセブンイレブンでは売り切れは、お客様に無駄足で帰らせてしまったというミスである、ということになるわけです。

 

これは自らの利用者の心理としても納得いきます。買おうというプラスの気持ちで足を運んで、無かったというマイナスの気持ちは大きいです。
他の店にいかなきゃいけないという気持ち、その行動に費やす時間、手間、ついでに他のものも買おうかなというチャンス(これも機会ロスに入るでしょう)、色々なものを失った気がしてしまいます。

 

また、別のマンガで学ぶ形態の経済学本では、主人公が駆け出しのアイドルで、自身のグッズが売り切れたことを喜んでツイッターに挙げるシーンがあります。
そのとき指導する立場のマネージャーは「売り切れたことを喜ぶより、買えなかったファンのことを考えなさい」と諭します。

ツイッターを見てくれるのは当然、主人公に好意を持っているファンですから、そこで売り切れを喜んだツイートを見たグッズを購入しようとしたができなかったファンが見たら落胆します。もしかしたら、もうグッズを買うのをやめたり、更にはファンをやめたりしまうかもしれないわけです。
機会ロスの考えから言えば、
売り切れにならないだけの量をきちんと計算する、
売り切れてしまった場合はそのことを感謝しつつも手にはいらなかったファンを思いやる態度をとる、
が必要になるのです。

 

私はこの機会ロスを知ってから、例え予約が一杯になったとしても、そのことをSNSに挙げることはしないようにしようと決めました。
それはただの自慢であり、自己顕示欲を満たすための行為であり、一方的にこちらの状況を押し付けることだと思いました。

私自身も経験があるのですが、勉強と自分の身体のために色々なマッサージ店に素性を隠して受けにいくのですが、2回空いていないと(予約でいっぱい、もしくはお休み)まず行ってみようという気が無くなります。予約を取ろうと試みるより別のお店に行った方がいいや、と頭を切り替えます。

自慢げに早めの予約を入れないと取れませんよ、と飢餓感を煽るやり方は患者さんのためにはならないと考えるようになりました。

 

ここ最近、水曜日や日曜祝日と、うちの治療院が休みの日に新規患者さんからの電話が来ることが多いのです。

個人治療院ですからある程度融通させることができるのですが、水曜日だけは栃木県の大学病院に行っているので対応ができません。

 

断るときは本当に申し訳ない気持ちになります。新規の患者さんは、まだ行ったことのない個人治療院に興味を持ち、電話をして行ってみようと試みた方です。
興味を持つだけならある程度に方はしてくれますが、実際に受けてみようと行動する人はかなり少なくなります。それにも関わらず、断ってしまうと、ほとんどの場合、二度と電話をかけてくれません。経営者の立場からしても大きな機会ロスなのです。

今のところ、水曜日の新規患者さんはどうしても対応できませんが、他の点で機会ロスを防げるように工夫しなければと思う日々です。

 

甲野 功