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~学園祭~

今次期は大学の学園祭シーズン。

少し前に母校の部活で関係する学習院大学の学園祭に、娘二人を連れていきました。後輩がダンスのデモンストレーションをするところを見に。
デモンストレーションをする人が少なくて少々残念でしたが、ステージで一般客を前に踊る姿を目にできて、また娘たちに父が大学時代にしていたことを教えることができて良かったです。

 

母校の東京理科大学の学園祭では、例年食べ物の販売(私の頃は豚汁、現在は焼き鳥)と、ダンスのデモンストレーションと、2つのイベントを同時に行い、普段とは違う活動期間になります。

 

学園祭で部員は多くのことを学ぶのですが、その一つに、上級生へ対しての再確認、があると思います。

今年もそうだったようですが、東京理科大の学園祭デモンストレーションは1年生から最上級生の4年生まで行います。授業や事情により変わることがありますが、基本的に全学年が踊ります。


競技ダンス部ですから、日常は競技会に出て好成績を残すためのダンスを練習しています。それが、学園祭になると、原則としてダンスを見たことが無い、したことがない、一般客を前に踊るエンターテイメントとしてのダンスを披露することになります。

競技とエンターテイメントとでは意味合いが変わるわけです。競技会では部員は選手であり、他大学そして同じ大学の選手と競う関係。これが学園祭では、いわば興行をしている団体として集客し、あわよくば焼き鳥も買ってもらいたい、となるわけです。

 

1年生のデモンストレーションはベーシックステップという簡単で単純なステップで、見ていて面白くありません。特にスタンダード(モダン)の方は同じステップを何度も繰り返すので20秒も見れば十分。衣装もまだ無いので簡素な恰好。相手も次の大会で組む練習時間が短い相手。踊っている人の知り合いでなければ見ているのが辛いでしょう。
このような1年生はいわば前座です。春からダンスを始めた大学生はこの程度ですよ、社交ダンスにはこういった種類がありますよ、とお客に告知するようなものです。1年生からすると、いい実戦練習のようなもので、とにかく人前で踊ってみようという気持ちです。踊った後に大体上級生に、「競技会みたいにしないで。どうせダンスが分からない人の前で踊るのだからノビノビとやりなさい。」といった指摘を受けるものです。

 

私も学園祭に両親が見に来た時に踊りましたが、小学校学芸会(それも低学年の)のときの気持になりました。このような幼稚なものを見せてしまったな、と。同時に、上級生のダンスはこんなものじゃないぞ、とよく分からない言い訳、も。

 

2年生以降はダンスを組む相手が正式に決定しており、衣装も競技会用の豪華なものをつけて踊ることが出てきます。そうすると、ダンス以前に日常あまりお目にかからないドレスや燕尾服でお客を楽しませることができます。
私の娘もそうでしたが、豪華なドレスを見るのが女性は好きです。衣装が違うだけで格段に1年生とは差が出ます。ステップもバリエーションとなるので見ていて飽きません。

 

私の場合、2年生のときは、増えていくステップを実戦練習する場としてとにかく挑戦してみました。不安定なこと極まりないのですが、社交ダンスを知らないだろうから開き直って行ったものです。

 

1、2年生のときは3、4年生がするデモンストレーションが頼もしかったです。
ダンスがある程度完成されており、キャリアがあるのでお客が安心して楽しんでいるのが傍から見て分かります。メインイベントを任せている感覚。やはり上級生は安定感が違うと実感したものです

 

これは学園祭という場でなければ感じないものでした。
デモを見ませんか、社交ダンス凄いですよ、と学園祭に訪れた一般客に、事前の期待値を超えられるものを提供できたという気持ちに。ああいうメインを任せられる存在にならないといけないのだと、その頃に思ったものでした。

 

私も4年生になるとデモンストレーションの最後を締めることもありました。
時期的に現役最後の大会が近い頃ですから、下級生からはあと1ヵ月もすれば先輩方は引退するのだという目で見られます。お客も最上級生なのね、という目で見ます。競技会とは違ったプレッシャーで踊ること、言わばショーのメインを務めること。そういった経験をさせてもらったのは後々とても役に立ちました。

 

他人に、何とかしてもらえるはずという期待される体験がなければ得られないものがありました。社会人でこの経験をするには長い時間がかかることでしょう。今のように一人で行う業態になっても、この季節の、あの頃の経験に、助けられることがあります。
自信を得ることができなかったら独立開業などできなかったかもしれませんから。

 

甲野 功