治療時間

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~みくびらない~

先日、治療業界の知人が大怪我を負ったことをFacebookで知りました。
そのことをきっかけに、長女にいつも大丈夫と慣れたところで怪我をすることがあると話しました。4歳の娘は何で、何で、と聞いてくるので、記事から分かる怪我をしたときの状況を説明しました。さらにアップされていた写真を見せてどのような怪我をしたのか教えました。


知人も同じ仕事をする方なので、きっと勉強の材料にしてほしいと思ったのでしょう、外傷を負った部位やレントゲン画像に3D画像も載せていました。

 

娘には突っ込んだ話をして、
これが骨を写したレントゲンという写真ね、
(自分の腕を指さして)腕のここの部分がこう折れて、
本当はここの部分はまっすぐで、外から元の形に戻して釘を刺して動かないようにしてあるの、
レントゲンの線をなぞると、ここに線が繋がらないでしょ、少しずれているでしょ、ここが折れたところ、骨折線ね、
ここ(前腕を示して)二本の骨があって、二本あるから手が回る(回内、回外)のだよ、
など教えました。

 

きっと、体の中に骨があるということもよく分かっていないでしょう。レントゲン画像も初めて目にしたと思います。橈骨、尺骨、完全骨折、など専門用語は出しませんでしたが、外傷のこと、治療のことを説明してみました。

 

娘にとって今はチンプンカンプンでも、いい機会だから教えてみる。父親の仕事について知ってもらう。
そこに、まだ小さいからどうせ話してもわからないでしょう、という気持ちはありませんみくびらない

またある時は、洗面台に水を溜めてから栓を抜いたときに、渦ができるのを見せました。
このとき北半球と南半球とでは渦の向きが変わることも教えておきました。

娘は、まず今住んでいる場所が球体で宇宙に浮いている地球ということが分かっていません。赤道や北半球ということを説明してもよくピンときていないようでした。
ただ単に、水が排水口に渦巻いて流れるのを見て楽しかっただけでしょう。それでも地球が自転することで渦が起きることを教えておきたかったのです。

 

子供にこの程度でいいだろうと、みくびっていると、それ以上にはならないと思うのです。


私自身、小学4年生くらいに父親からイオン化傾向の順番を書いた紙を渡されました。電気を図るテスターをオモチャとしてもらいました。
アルファベットも満足に覚えていないくらいなのに元素記号を教える。電流、電圧、アンペア、ボルト、何を意味するのかよく分からないままテスターを使わせる。そんな父親のやり方でした。
この体験が、相手が小さくてもみくびらず、やってみようとうと投げかけるようになるきっかけだったのでしょう。

 

大学の後輩にダンスを教えるときもそうでした。
ある時代のことです。1年生にスタンダードダンスの技術を教えます。1年生にはかなり難しいこともどんどん教えます。
それを見ていた他の現役の上級生から、ちょっと難しすぎます、みんな公平になるようにまだ教えないでください、と言われる。
私としては、難しいとか早いとかは、聞いた1年生自身が決めること、何言っているのか分からないと感じればもう聞きに来ないでしょうし、上級生が可能性を狭めてどうするの、という気持ちでした。

そして、当時の1年生は、みんな“平等に”予選落ちをしました。反対にラテン部門は成績が良く入賞していきます。ラテンの方をみんな練習してどんどん上達していきました。
そもそもチャンピオン級の上級生は、1年生には早い、など言いません。出し惜しみせずにどんどん伝えていきます。

 

娘にしても後輩にしても、私より経験が無い、知識が無い相手こそ、みくびらないで接しようと思っていますこちらが、この程度と限界を決めない。もしかしたらとてつもない才能を持っているかもしれません。
勝手に天井を決めたら、それ以下にしかならないでしょう。


私の父がそうしてくれたように、今できる以上のものを提供し、判断は当人にゆだねようと思います。

 

甲野 功