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~東京理科大学卒業式~

お世話になっている患者さんには、ちょくちょく簡単な贈り物をあげています。


渡す品はその時々ですが、近隣の方でない限り基本的に神楽坂で買ったものにしています。それは近所で一番有名な場所が神楽坂であり、地域そのものを好きになってもらいたいからです。牛込柳町駅は知らなくても、神楽坂は有名ですから皆さん知っています。本当は治療院に近いところにあるお店で買ったものがいいのですが、知名度が低いですしお店自体が少ないので、神楽坂ブランドに頼ってしまいます。

 

午前中に神楽坂まで買いものに出かけると、偶然部活の後輩に出会いました。東京理科大学校舎に近いところまで行ったので、不思議ではありません。聞くとこれから卒業式とのこと。
そのことを聞いて、私の卒業式の事を思い出しました。もう20世紀の話ですが、それは印象深いイベント。

私は小学校、中学校、高校、大学(理科大)、専門(鍼灸マッサージ)、専門(柔整)、専門(教員養成)と卒業してきました。

一度、東日本大震災の影響で中止になった卒業式がありましたが、人生で6回も卒業式に出ています。その中で一番印象深い卒業式は、間違いなく東京理科大学の卒業式に他なりません。
感動とか、別れが悲しいとか、新たな門出に不安といった感情ではありません。

 

4年間で無事卒業できたね

 

この気持ちで胸がいっぱいでした。感慨深いものでした。

 

東京理科大学を卒業した学生の多くは、4年間で卒業することが困難であることを知っています。留年せず、退学することなく、単位を取得して卒業する。他の大学では当たり前のことかもしれませんが、理科大にとってはそうではないことを知っています。


今でも平均卒業年数5.5年と言われる東京理科大学。

関門制度といって、ある特定の科目(関門科目)の単位を取らなけば他がどれだけ良くても進級させないシステムがあります。私の同級生の何人かはその1科目のために2年生に上がれませんでした。ひどい科では4割りが留年するとも。現在でも関門制度は健在だそうです。
更に私の頃と違って今は除籍制度があるため取得単位数が少ないと学校から退学を命じられるそうです。

 

それは勉強しなかったからでは?
よく噂を聞くけれど話を盛っていませんか?


と言われることがあります。

 

それにはこう答えます。


真面目に勉強していても試験に落ちます、東京理科大学は


と。


科にもよりますが、本当に勉強しても難しくて解けない試験、試験範囲が広すぎて気が遠くなる、というのが現実です。実感では、定期試験は大学受験よりも厳しかったです。誇張ではなく本当に大変な大学です。就職活動の際、企業側も1年、2年の留年は気にしないと言われるほど。

 

そのような大学ですから、4年間で卒業するだけでも胸を張れました。


卒業式は日本武道館で行うのですが、同級生とは「俺たち生き残ったね」、「よく4年で卒業できたね」と語りあいました。実際、決して少ない人数の同じ年に入学した同級生がその場にいません。
また会場には、4年間で一度も見た記憶が無い人が多数いました。留年者が多すぎるためです。
部活の先輩と同じ年に卒業するのは当たり前で、卒業式の会場では敬語で話かけるな!と釘を刺されたものです。
理科大を卒業して10年以上経過している知人は、未だに単位が取れなくて留年する夢をみるそうです。もうトラウマの域です。

 

普通にしていれば卒業できる場所ではない。だからこそ、卒業式の場にいることがと尊い。

 

今日、神楽坂であった後輩には、おめでとうございますと言いました。年齢はずっと下ですし、部活の後輩です。私が敬語を使う必要は無いのですが、東京理科大学を4年間で卒業することに対して敬意を表する気持ちが、敬語を出させました。舞研という部活を続けながら、本当によく頑張ったと思います。

 

部活とは関係なしに、本日平成29年3月18日、卒業される東京理科大学学生の皆さんおめでとうございます。自らの経験がフラッシュバックしてきて、お祝いする気持ちが湧き出ています。

 

甲野 功