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~地政学~

最近、世界情勢が緊迫していることを感じます。きっと生まれたときからずっと世界情勢は緊迫しているのでしょうが、米朝関係や韓国の混乱といった近隣諸国のことがあるとただ事ではないなと感じます。

 

そんなときに出会った本がこのマンガでわかる地政学


高校から理系クラスに進み、しかも日本史選択だったので世界史はほとんど勉強してきませんでした。ニュースを見てもピンとこないことが多かったので、マンガから勉強してみようと思い手を取りました。地政学という言葉もここ数年耳にするようになっていたので。

出張治療の電車で読むものとして買いましたが、ポップな印象に反して内容はとてもシビアでした。電車内で読みながら衝撃を受けました。


世界の政治はほとんど戦争である。そんな印象。日本に住んでいると戦争よりも自然災害の方が実感としてあります。特に地震は大きいですね。あとは地下鉄サリン事件というテロくらいしか人生で危機を感じたことがありませんでした。

 

国際協力分野で働く妻と知り合ってから海外に行くひとや外国人の知り合いが急激に増えました。発展途上国の情報も自然と入るようになりました。日本はいかに安全で素晴らしい国か再認識します。
対して海外では何が起きているのか、その発端はなにか、漠然と疑問でした。それが、地理条件が国の政治を左右すると考え研究する学問、地政学を通して解説する本に出会い、多くの疑問が解決しました。世界から戦争、紛争が無くならない理由は、地理にある。もちろん宗教、人種、経済などの要因はありますが地理条件が良ければ大きな問題にならない、というようです。

 

約30年前、私が小中学校の頃に受けた学校教育は、とにかく日本が悪い!というもの。
日本に軍隊があるから戦争が起きる。だから平和憲法で戦争を放棄して日本が平和になった。自衛隊は悪であり、莫大な予算を無駄にしている。このような内容でした。少なくとも私は社会の先生や小学校の先生にこう習いました。


子供心に外国が戦争を吹っかけてきたら戦争になるのでは?と疑問でした。元寇は何だったの?とか。しかし先生の話す内容は、日本が戦争を仕掛ける以外になく外国が日本に攻めてくるなど考えられない、という感じで口に出せる雰囲気ではありませんでした。
後々大学生になって少し近代史を独学で学んで色々なことが分かってきましたが、中学生当時はとにかく日本が悪い、で押し通されていた気がしました。そのままきちんと勉強しないまま社会人となった私。薄々感じていた戦争が起きる理由を、この本でははっきりと感情面を抜きに淡々と列挙しています。だからあの国は戦争が起きるのかと納得。

 

この年になって地政学の本を読み、新しいことを知りました。


ランドパワーとシーパワー
大きく国境が隣り合った国同士は仲が悪くなる
敵の敵は味方
緩衝地帯(バッファゾーン)があれば攻め込まれないので、ここを大切にする

 

こういったことを知ると、国の振る舞いが理解できるのですね。大学までは主に物理と数学、社会人になってからは医療系。そういった専門知識だけでなく、経済や政治といった文系分野の勉強が大切だと切実に感じます。

 

今月の売り上げが、予約キャンセルになった、経費がかかったな、といった日常のことにどうしても目がいきがちですが、ある意味ミクロの視点。世界情勢や政治と言ったマクロな視点も持っておかないと自分も家族も守れないなと思います。


もしも戦争が始まったとしたら、防衛省の目と鼻の先にあるうちはどうなるでしょう。売り上げだ、経費だなど言っていられなくなるでしょう。
これから世界がどのようになっていくかは分かりませんが、アンテナを張ることが必要だとこの本を読んで知りました。

 

甲野 功