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~ヘルプマークの存在を知ろう~

ヘルプマークをご存知でしょうか。

外見からでは分からない一見健常者に見える方で援助や配慮が必要をしている方に、周囲に知らせるためにできた目印です。マタニティマークと同じような概念ですね。

 

まだまだ認知度が低く、知らないひとが多いのではないでしょうか。


私も以前から存在は知っていましたが、治療院に通う患者さんが付けているのを見たのが、初めて実物を見た瞬間でした。恥ずかしながら、言われるまでヘルプマークを付けていることに気付きませんでした。日常的に患者さんを観察する癖がついているにも関わらず。馴染みが無いものには脳が認識しないようです。情けないと思いました。

 

また、最近友人がこのヘルプマークを付けていることをフェイスブックで知って驚きました。まだ若いので、そのような大きな疾患を抱えているとは想像だにしたなかったからです。
友人もうちに来ている患者さんも同じ話をしていましたが、世間には認知されていないと言います。

 

今回、ヘルプマークについて知ってもらうおうと書きます。

 

まず東京福祉保健局のホームページより、ヘルプマークとは何かを紹介しましょう。

 

引用

義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。
 ヘルプマークの配布や優先席へのステッカー標示等を、平成24年10月から都営地下鉄大江戸線で、平成25年7月から全ての都営地下鉄、都営バス、都電荒川線、日暮里・舎人ライナーで開始し、さらに、平成26年7月からゆりかもめ、多摩モノレール、平成28年12月から、都立病院、公益財団法人東京都保健医療公社の病院へと拡大して実施しています。
 また、平成26年7月から民間企業への働きかけも実施しています。
 ヘルプマークを身に着けた方を見かけた場合は、電車・バス内で席をゆずる、困っているようであれば声をかける等、思いやりのある行動をお願いします

 

改めて知ったのですが、ヘルプマークは当初、東京ローカルのものだったのですね。

都営大江戸線から始まった。都営大江戸線沿線に住んでいるので、馴染みがあったわけです。患者さんの話では関西では違うらしい、と聞きましたが、全国共通のルールではないようです(大阪では最近、ヘルプマークの配布が始まりました)。そうなるとヘルプマークを知らない地域から来た方には、存在を知らないことになります。これから広まっていくものなのです。

 

ヘルプマークはどこで配布しているのか。ヘルプマーク(企業・事業向けページ)ホームページより。

引用

(1)対象者からの申出により、下記の場所でヘルプマークを配布
 都営地下鉄各駅(押上駅、目黒駅、白金台駅、白金高輪駅、新宿線新宿駅を除く)駅務室、都営バス各営業所、荒川電車営業所、日暮里・舎人ライナー(日暮里駅、西日暮里駅)駅務室、ゆりかもめ(新橋駅、豊洲駅)駅務室、多摩モノレール(多摩センター駅、中央大学・明星大学駅、高幡不動駅、立川南駅、立川北駅、玉川上水駅、上北台駅)駅務室(一部時間帯を除く)、東京都心身障害者福祉センター(多摩支所を含む)、都立病院、公益財団法人東京都保健医療公社の病院等
 ※郵送での対応はしていません。
 ※ヘルプマークの販売は認めていません。
 ※ヘルプマークに関する寄付活動等には、一切、関与しておりません。
 ※ヘルプマークの趣旨に沿った、適正な利用をお願いします。
(2)車両内等の優先席にステッカーを標示
 実施路線:都営地下鉄(浅草線、三田線、新宿線、大江戸線)、都営バス、都電荒川線、日暮里・舎人ライナー、ゆりかもめ、多摩モノレール

 

現時点の話ですのでこれから増えると思いますが、限られた場所でしか配布していない印象を受けます。販売や郵送対応をしていないことを考えると限定した場所に取りにいかないといけないようです。
東京都以外ではどうなっているのか、同じページにこうあります。

 

引用

Q.東京都以外でのヘルプマークの取組はありますか?
A.現在は、東京都が実施しています。京都府、青森県、徳島県、札幌市など、全国での取組が広がりつつあります。更に全国に広げていくために、関係各所に働きかけているところです。

 

まだまだ全国的な認知は乏しいようです。ですから、手に入らない地域も多いことを認識して、知らないのはおかしいだろ、という態度は避けるべきだと思います。

 

ヘルプマークは東京都から始まった取り組みであり、外見では分からない困難を抱えている人に公共機関の優先席を譲ろうだとか、エレベーターを譲ろうというもの。ここに難しさがあります。
お腹が大きくなった妊婦さんや、車いすに乗ったひと、呼吸器をつけて歩いているお年寄り。こういった見た目ですぐにわかる人は自然と席を譲ってもらいやすいでしょう(そうでない場合もあるようですが)。世の中には外見はいたって健康に見えても障害や困難を抱えているひとがいます。そういう人々はヘルプマークを付けていても普通に歩いているので気付かれづらいと言います。

 

うちに来ている患者さんは深部知覚に障害があり、バランスを取ることが困難です。どれくらい足が上がっている、曲がっている、というのが分かりません。平地の歩行は問題ありませんが階段やエスカレーターがとても怖いと言います。エスカレーターはしっかりベルトを掴まっておかないと転倒してしまうため、できたら両手で掴みたいそうなのですが、後ろから突き飛ばされることがあるそうです。まだまだ若いですし問題なく地面を歩いているので外見から障害があることが分かりません。


患者さん曰く、ヘルプマークを付けていてもほとんど席を譲られることはなく、杖を持つ方が効果的だと言います。杖を突いていれば目立つので周囲が配慮してくれるとのことです。

 

ヘルプマークを付けていても気付かれない。ここが大きな問題です


実物を見ても結構小さくて気にしていないと分かりません。画像は患者さんが実際にしているものを撮影させていただきました。比較対象が無いので分からないと思いますが、手のひらで収まるくらいの大きさです。混雑した電車内では確かに気付かれないかもしれません。

 

まずはヘルプマークというものがあり、見た目は健康でも、立っているのが辛いひとが存在することを知りましょう。若くても、小学生でも、バリバリ働いていても、ヘルプマークをつけて手助けを求めるひとがいます。
知ることと周囲に気配りをする。まずそこから始めてみてください。気付かなければ席を譲ることも手助けすることもできません。

 

甲野 功