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~自己顕示欲~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 石像
他人に自分を良くみせたい。人より上の立場にいたい。この欲が大敵です。

 

臨床現場に立つようになってから十数年。これまでの経験から、この仕事で一番危険なものは何か分かってきました。あくまで私個人についての話です。

 

それは、自己顕示欲

 

二番目に怖いこと、もしくはやってはいけないことは、「決めつける」です。それ以上に気を付けているのが自己顕示欲なのです。

 

人間には承認欲求という原始的な願望があると言います。誰かに認められたいという気持ち。

この承認欲求が満たされないと精神が安定せず、自己肯定することができなくなるとも。

小さな子供を叱り、注意し、行動を制限し続けると、その子は何をしてもいけない、自分は価値のない存在だと思うようになる、だから褒めて伸ばそうといいます。これは社会人でも部活動でも同じで、現在は良い所、できている所を褒めていこうと風潮がなってきています。

 

承認欲求が変な方向に進み、人より良く見られたい、自慢したい、もっともっと称賛されたい、と変容すると危険です。


鍼灸マッサージ師はある意味職人であり、少なからず自らの技術に自信を持っています。自身を持っていないまでも、信頼しています。そうでなければ、人さまの体に鍼を刺す、触るということはできません。


厚生労働省認可の資格免許、専門学校時代の勉強、研鑽を積んだ経験、患者さんの感謝の声。これらを源泉に治療をしてもいいのだと、自らを確信し信頼し自信に繋げます。それが過ぎると過信に変わり、自尊心が肥大し、人と比べるようになってくることがあります

 

例えば、以前の職場では、あるスタッフが他のスタッフよりも優秀だと患者さんにアピールするために、他を悪く言うことがありました。俺は、私は、あなたよりも上なの。そう頭の中にできているようでした。

この業界、技術や人気が出れば多くの患者さんに選ばれ、指名され、活躍の場が増えていきます。反対に実力、人間力がなければ経験そのものが積めません。同じ職場であってもライバル同士になることは多々あります。

 

その際に、自己顕示欲に駆られて自分を過大に良く見せようと、努力するのではなく周囲を下に見せる・見下す、そのようなことが起きることがありますはっきり言って、そういった話を聞かされる患者さんは不快でしかありません。

 

フリーで働いている人ならば分かるでしょうが、仕事が来るというのは、本人が誰かに頼られていることとイコール。他の誰でもない、会社の看板でもない、個人の能力を買われていることで報酬を得ています。
ですから仕事がないことは自己を否定されている、社会に必要とされていない、そういった感情におそわれます。だからこそ雇われている時よりも顧客を大切にするわけです。
そこに自己顕示欲が出てくると、感謝から自慢に変わり、忙しいことをアピールし売れていることを周囲に言い出します。本来ならば、依頼した方をお断りすることを申し訳なく感じたり、忙しさによってパフォーマンスが落ちることを懸念したりすることが大事なのですが。

 

頼まれていもいないのに鍼を勧める鍼灸師もいます。
患者さんが鍼は苦手だと言っているのに、強引に押し切って鍼を刺す。せめて刺激量を落とすために細いものにする、鍉鍼(刺さない鍼)を使うなどの配慮があればいいのですが、自分がしたい方法を強いる。患者さんは痛がる。そうする人の根底には患者さんを良くするために鍼を打つのではなく、鍼を打てる自分を見せたい、あるいは鍼技術が高いことを見せつけたい、という欲求があるようです

 

自己顕示欲に支配される。これは私自身が常にさらされている危険。

 

上に挙げたものは、全てときに私が陥りそうなことでもあります。無意識にやってしまったこともあります。元々鍼が嫌いだったので、患者さんに無理に鍼治療を勧めることはしませんが、他の得意な手技をこちらの都合で患者さんに勧めた経験はあります。何のための技術なのか自慢をするために資格を持っているわけではないのに

 

一人で治療院を始めた理由の一つは、他のスタッフがいるとそれよりも優位に立とうとしてしまい判断が鈍ることがあったからです。キャリアを積むことで段々と年下や、自分より臨床歴が浅い人が周りに増えてきます。

そういう状況において、いつも私の方が上だ、上でなければならない、という心が出てしまい、余計な嫉妬が生まれる。切磋琢磨するならば良いですが、自慢したいという気持ちになれば、それは本当に無意味な本末転倒な気持ち。


臨床では周囲の雑音を無くして患者さんに真摯に向き合うために一人でしているとも言えます。

 

自己顕示欲を完全にコントロールできたら、臨床家としてもう一段階上にいけると信じています。

 

甲野 功

 

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