治療時間

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~学連ダンサーの障害 オーバーユース~

臨時休診(夏休み)を頂いて、今年も例年通り、母校東京理科大学舞踏研究部の夏合宿に行ってきました。

 

母校の部は、大学生のみで社交ダンスで競技を行う体育会系部活であり、共同加盟校(パートナー校)として学習院大学と東京音楽大学と一緒に活動しています。6日間に渡り長野県で合宿を行い、まさに朝から晩までダンスの練習をしていきます。最終日1日前には部内コンペティションが行われます。

 

ここ数年は現役部員に大きな障害がありませんでした。
毎年、職業柄、念のために治療器材を持っていくことにしているのですが、昨今のコンプライアンス上、無茶苦茶な練習をすることは減ってきており、スポーツ障害は減ってきていると感じていました。それでも一応のこと、鍼治療セットを持参して長野に向かいました。


蓋を開けてみると、今年は大きな怪我があり鍼治療とテーピングを行うことになりました。徒手(指)だけの按摩・指圧・ストレッチなどでは手に負えない、強い痛みであったため、数年ぶりに合宿で毫鍼(体に刺す鍼)を使いました。また、かなりしっかりとしたテーピングを巻きました。

 

障害の原因はオーバーユース、すなわち練習のし過ぎ・身体を酷使し過ぎたためでした。

 

競技ダンスは格闘技ではありませんから直接攻撃を体に受けることはありません。ラグビーやサッカーといったコンタクトスポーツでも無いので接触による予期せぬ怪我もほぼありません。更に通常練習では体に負担がかかってもスポーツ障害に至ることはまずありません。

オーバーユースによる障害が起きるのは、夏合宿だけと言えるのです。

 

日常の練習では長くとも数時間程度の練習時間で、そこまで追い込むことはしませんし、できません。これが夏合宿の場合ですと何日も泊まり込みますから練習時間の長さが桁外れに長くなります。更に集団で練習するため、個人では到底やり遂げられないきついメニューも集団でやり切ってしまいます。
過酷なメニューを乗り越えて、身体が回復する前に練習を重ねていく。治癒能力が運動量に追いついていかないのです。何か一回の出来事が原因で痛みが出るのではなく、身体の負担が溜まっていき合宿日程が進んでくると症状が表に出てくるタイプの障害です。


具体例としてはボール(足裏、指の付け根部分)の痛み、外反母指の悪化、足首・膝の痛み、筋肉痛、腰痛、肩の痛み、首の痛み、慢性疲労など。今回激烈な腰から背中にかけての痛みを訴えた1年生に鍼をしました。触るだけで痛みが出る場合には鍼を使った方が効果的です。

 

練習を休めば済む話と言われればその通りですが、わざわざ県外まで移動して練習に集中できる環境を作っているわけです、時間もお金もかけて。ですから、ちょっと良くなったら練習しないともったいないとと思いますし、同期に遅れを取ることの焦り、練習について行けないことの恥ずかしさ、コンペティションへのプレッシャー、などから休むという選択肢を無くしてしまいます。

 

よく「限界を超えろ」などと言いますが、本当に限界を超えて運動をすれば壊れます。精神も身体も
これまで自分が限界だと勝手に決めていたラインを越えることが大切なのであって、人体が本来持っているこれ以上は危険だと抑制するレベルを超えた負荷には、痛みとしてサインを出します。


どこまでできるのか?ここまでしたら止めよう。こういった判断はとても難しい。本人も、練習会を仕切る先輩にも。私自身にも、初日からの流れも知りませんし20名を超える1、2年生部員、個々人の限界を図るのは不可能。起きてしまったことに対して処置をするしかありませんでした。

 

2年生になると、前年合宿を経験していること、正しい動きがある程度身についている、自らの体がどこれくらいで悲鳴をあげるか分かってきている、予防策をしている、などから障害はぐっと減ります。経験、技術、知識で予防をすることはできるのです。


競技ダンスが初めての、合宿が初めての1年生に対して、オーバーユースが原因の障害をどのように予防していくのかは課題です。真面目であればあるあるほど、障害の危険性が上がってくるジレンマ。これから幹部部員になる2年生の一部にも、問題意識が芽生えたようでした。

 

甲野 功

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