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~バリアフリー~

先月末から今月始めに石垣島十日町市のホテルに家族で泊まりました。

どちらもいわゆるリゾートホテルであり、なかなの規模を誇るものでした。

 

そこで気付いたことが車椅子でご利用になられているお客さんが多いということ。

 

沖縄の石垣島はシーズンオフの時期でかつ平日でしたから宿泊客がとても多いとは思えません。にも関わらず、車椅子で館内をまわる方を多数目にしました。


私は車椅子に乗るような状況になったことは無いのですが、子どもが産まれベビーカーを使用するようになり、バリアフリーというものを強く認識するようになりました。
ベビーカーを使うと段差が大変ですしエレベーターが無いと進むことができません。鍼灸専門学校では車椅子を扱う授業がありましたし、就職してからは少なからず車椅子の患者さんと接することがあったのですが、医療機関外で車椅子を扱う機会が無かったため、外出するときにどれだけ大変かはベビーカーを使うようになってから実感しました。
それですら、ベビーカーと車椅子とでは別次元の話で、現実の大変さはよく分かっていないことでしょう。

 

石垣島のホテルで朝食をとる際にレストランで何人かの車椅子利用者がいました。付き添いの人がいる場合もありましたが、単独で現れホテルの従業員に運ばれて席につく方もいました。
ホテル内には屋内プールがあるのですがそこでも、プールサイドに車椅子で入りおそらくお孫さんであろう子どもが遊んでいる姿を見ていました。

 

健常者と障害者が当たり前のように同じ空間にいることに、恥ずかしながら違和感を覚えつつ、とても素敵なことだと思いました。本当は素敵と感じること自体が恥ずかしいことなのでしょうが。

 

 

新潟県十日町市のホテルにも車椅子利用者の姿が見受けられました。そもそも一緒に行った義理の母もホテル内では車椅子で移動しました。身内に車椅子利用者がいるのです。こういったリゾートホテルでは当たり前のように貸し出し用の車椅子があるのですね。大きな病気と怪我をしてから孫と一緒に出掛ける初めての旅行。車椅子があることでスムーズにホテル内が移動することができました。

 

身内だったこともありますが、車椅子に乗っているお義母さんと一緒にいることに違和感が無くなっていました。石垣島では他人事だったので珍しいなという本音があったのですが、十日町市ではもう普通の風景になっていました。

 

ホテル側が車椅子利用者に配慮することは当然のことで、集客面でも大切なことでしょう。そして、車椅子利用者と健常者が同じ空間にいることが自然なこと。そういう時代になったのだと感じます。


というのも私が大学生くらいの頃は車椅子利用者が外出するのは稀だったと記憶していますし、奇異の目で見られていたと思うのです。

その頃に読んだ「ゴーマニズム宣言」という漫画の中でのエピソード。これは作者の小林よしのり氏が現実に起きたことを漫画にする作品です。作者の配偶者は足が不自由で歩行困難だそう。二人でタクシーに乗って目的地で降りたときにタクシードライバーが「今日は運が悪かった」と悪態をついたという。作者はその瞬間意味が分からなかったそうですが、すぐに「足が不自由な客を乗せて面倒だった」というドライバーの愚痴だったことに気付いて激怒しました。これは当時の世相を反映したエピソードです。

 

バリアフリーのバリアとは物理的な障壁だけでなく、気持ちの壁でもあるのだと今回の家族旅行で感じました。きっとベビーカーが邪魔だと思っている人も同じような気がします。当事者になってみて、しばし同じ空間に居てみたら壁がとれるのではないでしょうか。学問や知識で知っているのと体験するのは大違い。リゾートホテルはその体験をさせてくれました。

 

甲野 功