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~ゼロイチのひと~

ダントツにすごい人になる 日本が生き残るための人材論 森川亮著
ダントツにすごい人になる 日本が生き残るための人材論 森川亮著

 

ダントツにすごい人になる 日本が生き残るための人材論」という本を読みました。著者が森川亮氏で、本文とともに3名の著名人との対談も載っていました。

 

そこで気になった箇所があり、日本人の脳は約27%がゼロイチの気質で、約73%がフォロワー気質だという話題が対談で出てきました。

 

ここでいうゼロイチとは、

ゼロ(0)からイチ(1)を創り出せる人もしくはその行為

を指します。

何もない無から何か形になるものを創り出すこと、そしてそれができる人という意味。

対してフォロワーとは

保守的な人間で、既に存在しているものを守っていく考えの人

を言います。

 

日本人の脳を調査すると大雑把に10人に3人くらいが新しいものを創り出す、創り出そうとするタイプの脳であり、7人くらいが保守的で何かについていく(追従する)タイプの脳であるそうです。なお、この説は著者が示したわけではなく、ある脳科学者の話です。

またアメリカではフォロワー気質は50%を切るそうです。つまり日本はアメリカに比べて保守的な人間が多く、過半数が革新的な人間についていく、もしくは既存のものを守っていくということになります。


なぜこのような結果になるかは、仮説として江戸時代の200年に渡る太平の世がゼロイチ気質の人間よりフォロワー気質の人間が重宝されたため緩やかにゼロイチ気質が減っていったのではないかと考えられているとのこと。

 

そして、わが国においてこれからの時代はゼロイチの人間をフォロワーが温かく見守り支援することが求められるという意見が出ました。


安定して成長していた時代ならば冒険をせずに今までやってきたことを守る方が安全です。余計なことをして失敗するよりも成功例をなぞった方が良い結果が得られる可能性が高い。しかし、先行き不安定な時代になると失敗を恐れず新しい一歩を踏み出すゼロイチの人間が重要となります。企業で言えば前例のない突拍子の無い企画を発案し実行する人材が大切で、多くのフォロワー気質の上役がそれを潰さずやらせていることが必要なのだというのです。

 

この意見は、確かにその通りだと感覚的に分かる内容でした。


IT技術の向上、スマートフォンの普及によりそれまでの常識がどんどん通用しなくなってきていることを感じています

日常生活が変化しているのは確かです。

もう電話を掛けるのは失礼なことになりつつありますし、大学生はメールアドレスなど持っていません(持っていても使いません)。国民的テレビ番組というものが無くなりつつあり、プロ野球もとっくの昔にメジャースポーツの王者から去っていきました。

 

年々新しい常識が塗り替えらえている現在ではゼロイチの脳でなければ確かに生き残れないでしょう。


私の父親が入っているある組織のOB会では、メールアドレスを持っていない人には事務局が連絡するのを止めたそうです。手紙や電話でわざわざ連絡する価値がある人は誰かが便宜を図りますが、そうでない人までメール以外の手段を講じるのは無駄ということ。80代の高齢者ですら時代の波に飲まれています。
企業もインスタ映えだとかインフルエンサーという言葉を無視できなくなりました。テレビCMを打てば良かった時代ではありません。

 

私の立場をいうと約5年前に独立開業しました。
それまでの勤務鍼灸師というフォロワーからゼロイチへ、立場を変えました

立場を変える過程で嫌でも考え方がゼロイチになりました。

 

勤務鍼灸師時代には自ら発案したことが少なからず組織や上役に抑えられて不満があったものです。自ら立ち上げることを経験すると、仕事は与えられるものから自ら取りに行くもの、に変わりました

 

決まった時間分我慢するれば対価として給料が貰え

から

利益は創り出すもの

に変わりました。

 

元々開業権が認めらている鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師の世界では他より開業志向が強いことがありますが、最近雇われて安定した給料を求めることより新たな一歩を自ら踏み出すゼロイチ気質の人が周囲で増えたように感じています。


例えどこかの治療院や組織に雇われていたとしても今まで無かった何かを創り出す考えがこの時代は求められているのではないでしょうか。3月末まで大学病院での週一勤務というフォロワー状態を経験していたからこそ感じています。


鍼灸師も変わらないと生き残れないでしょう。

 

甲野 功

 

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