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~学連ダンサーの障害 背中は語る~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 選手の背中
競技選手の背中

 

学生競技ダンス連盟(通称、学連)の選手の身体を診ていると背中から、正確に言うと背面(首の後ろから腰までの胴体の背面全体)から、色々なことが分かります。

背中は言葉を発しませんが色々なことを語ります。

 

膝や足首を痛めた場合を除いて、学連選手が来ると主訴(何が目的で訪れたのか)を確認しポイズ(ダンスの立ち方)やホールド(ダンスの構え)などを視てから、ベッドにうつ伏せに寝てもらいます。寝てもらった時点で幾つかポイントがあり、その選手の能力が垣間見られることがあります。

 

まず本人はまっすぐ寝ているつもりでも、胴体が斜めに曲がって寝てしまっている人
これは主に腰の筋肉が左右で固さが違うことで起きます。痛みがあったり緊張していていたりすると、そちら側が固くなっているのでお尻から下がその方に曲がっています。このとき私が腰を持って真っ直ぐにすると、選手はたいてい違和感を覚えます。当人にとっては自然と真っ直ぐベッドに寝たはずなのに、腰の位置を曲げられたように感じるからです。


このような人はスタンダードでもラテンでもあまり上手くないことが多いです。自然と身体が曲がってしまうところをダンスにおいては綺麗に立とうとしますから、それだけで余計な力を使うことになるからです。競技会で優勝するクラスの選手やプロダンサーはたいていうつ伏せにねたときに身体が真っ直ぐになっています。


それでも背中の張りを解し、腰の緊張を取ることで自然と真っ直ぐと綺麗な体勢に変わっていきます。寝ているだけでも変化が見てとれます。ベッドから降りて、再度ポイズやホールドをしてもらうと「やりやすい」と言います。これは余計な力を使わなくて済むからです。

 

うつ伏せに寝たときに見ただけで背中の盛り上がり方に左右で大きな差があるダンサーがいます。触るとなおはっきり分かる。このような人も大体ダンスが上手ではありません。原因が複数あるので一つ一つ説明しましょう。

 

まずスタンダードリーダー(男性)で右肩、右背部が固くて盛り上がっている場合
このとき「パートナー(女性)が、踊っていて重い?」と聞くとほとんどが、「重いです」か「ちょっと踊りづらいです」と答えます。スタンダードの場合リーダーの右手の中にパートナーがいるので負荷がかかると、左半身に比べて右半身に疲労が溜まり筋肉が固まり盛り上がってくるのです。
また、うつ伏せに寝た時点で肩の高さが左右で異なり、右肩の方が高い位置にあることが多いのです。右僧帽筋が張っていることが原因で首も右側の方が固くなっていることがほとんどです。それと左肩甲骨が右よりも背骨から遠い位置にあることが多いです。スタンダードの表現上、リーダーの左を大きく見せるからです。


これも上手な選手ほど左右差が無くナチュラルな感じがあります。上手と言うのはリーダーもパートナーもという意味であり、カップル(組んで踊る男女両方のこと)で上手であるということ。
右側が張っている場合も右肩甲間部や肩周りを緩めてあげて左と同じようにしてあげると、終わったあとにホールドがしやくなりました、と言われます。

 

実際にあったことですが、以前背中の状態が急に良くなったスタンダードリーダーがいました。聞くと、パートナーが変わってとても上手な相手と組み始めたと言います。当人もパートナーが上手で軽くてとても踊りやすいと述べていました。背中のコンディションに出るものです。

 

またあまりいないのですが、ラテンリーダーで左肩や左背面が張っている人がいます。
このとき左腕を触ってみると右よりも筋肉がついていたり固くなっていたりすることがほとんどです。こうのような所見がある人はパートナーを腕の力でリードしているな、と予測を立てます。大体肩甲骨の動きが悪くて肩甲骨が動かず上腕骨から先で踊っていたりリードをしていたりしています。


この場合は左腕から指までしっかり緩めて肩甲骨が動くようにさせておきます。
するとルンバの前後ベーシックやクカラチャをさせたときに手がスムーズに出るような気がしますと感想を述べます。

 

背中から腰までにかけて片側だけに変な固さが残ることがあります。手足まで緩めて身体が十分にリラックスしたと思える状態になっても変な固さが残ってしまう。
この場合は胃腸の不調を聞いてみます。胃がもたれる、便秘・下痢、過敏性腸症候群などを抱えている人は背中から腰にかけて、筋肉に異様な張りがでることがあります。このときは按腹というお腹のマッサージや足の胃経の経穴(ツボ)を押して胃腸の疲れを取るように心がけます。

 

女性ですと生理痛や卵巣・子宮の疾患を抱えていることがあるので、それとなく聞くようにしています。
生理不順、月経困難症、ときに卵巣嚢腫などという話が出てくることがあります。その場合たいてい治療のためホルモン剤を服用しているので、副作用の一種として背中や腰の変な固さや張りが出ていることもあります。
こちらは男性なので軽率に聞くことができないですし相手も年頃ですから話しませんが、女性だとこういこともあるよ話題を振り、信頼してくれると「実は・・・」と話してくれます。
そうなると婦人科系疾患にアプローチする方が先決ですので、適した経穴を押したり時に鍼灸をしたりします。

 

背骨の際がガチガチに張っている場合は精神的ストレスを感じていることが多いです。
これは社会人の例ですが身体が細くて筋肉があまり発達していないOLさんで、背中の中心に近いところがとても固くて盛り上がっている人は、経理担当だったり細かいことをチェックする担当だったりします。神経質によって背中に異様な緊張が見られることがあるのです。

 

以前、あるリーダーの身体を診たときに、2ヵ月あまりで別人のように背中が固くなっていることがありました。彼の状況を知っていたので「カップル解消が結構こたえているの?」と聞くと「ええ、まあ」と力無い返事。
カップル解消とは競技ダンスで正規の相手と分かれてもう踊らないということ。競技会にも出られなくなりますしきちんとした練習もできなくなります。一度カップル解消をすると次がなかなか見つからないことも学連ではあります。
顔にあまり出ないタイプだったので大して気にしていないと思っていたのですが、背中の状態はノーと言っていました。

 

メンタルと関係のない背中の固さもあります。


スタンダードパートナーでホールドの張り方がまずい人は背中の緊張がとても強くなります。今はWDSF(ダンスの団体のこと)の影響で昔よりもパートナーのホールドをより広く、ネックをより傾ける傾向にあります。

あじさい鍼灸マッサージ治療院 ネックをより遠くにおくホールド
トップを大きく広げたホールド

 
このとき背中の下の方から反ると腰や背中に負担がかかります。細かく言うと、以前は大体第3、4胸椎あたりからトップを作っていました(首を後ろにして広くみせる)が、第7、8胸椎くらいから作るようになってきていると私は感じています。

あじさい鍼灸マッサージ治療院 以前のホールド
かつてのホールドはこれくらいのトップの広さが主流

 
それでも見た目よりもかなり背骨の上部からトップを作るのですが、イメージが先行し過ぎて下部胸椎(第11、12胸椎くらい)やときに第1、2腰椎あたりから反ってしまうパートナーがいます。これではリーダーには重たく感じますし相当筋力がなければ腰や背中を痛めてしまいます。しっかりとした身体作りもしないままこのようなホールドを張ると故障の原因となってしまいます。


このような場合は背中から腰をしっかり緩めて、背骨22個(下から腰椎5個、胸椎12個、頸椎7個)あることを意識させます。どの背骨からホールドを張るのが良いのかを指導します。

 

もともと東洋医学には背候診という言葉があります。
背中の状態から五臓六腑を判断し、治療に役立てる診断方法です。鍼灸師ですと背候診を知っているので、背中が身体の中を表していることに違和感なく感じることができます。西洋医学でも内臓の状態は背中や腰の筋肉と同じ求心路を使って情報が脳に向かうので、胃腸の不調が関連痛として腰痛や背部痛に出ることが知られています。
学連ダンサーに限らず背中を観察することは臨床上とても重要なことなのです。

 

ただ学連ダンサーだと注意するポイントが少ないので社会人よりも分かりやすいのです。
社会人ですと職場の事(パワハラ、セクハラ、異動、人事査定など)、私生活の事(婚活、結婚、妊活、姑問題、介護など)、それに体の不調(生活習慣病、加齢、その他疾患)が加わるので原因特定するための要素が多いのです。学生ですと要素が少なく、かつ学連選手ですと行動パターンも競技特性も分かるので見やすいですね。

 

競技ダンスでの褒め言葉に「背中が綺麗」とありますが、背中を見ることで学連ダンサーの問題が随分と分かるものです。

 

甲野 功

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