治療時間

平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)

: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)

 

休診日:日曜祝日

電話:070-6529-3668

mail:kouno.teate@gmail.com

住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202

~はりいんT~

神楽坂で50年の歴史を持つ鍼灸院はりいんTさんに行ってきました。

私が10数年前に鍼灸マッサージの専門学校に入った際に、近隣の鍼灸や整体、マッサージ関連の店舗を調べたことがありました。その中で老舗と言える長く診療している鍼灸院の一つがこのはりいんTでした。


前々から名前は知っていたのですが、つい最近SNSで院長の卜部先生と繋がりができました。そこで興味が出てきて、地元の先輩に挨拶ということで鍼灸治療の予約を取り、受けてきました。

 

そこはお手本となる場所で大いに刺激を受けました。

 

神楽坂。私が生まれ育ち、現在も居を構える牛込地区から最も近い名の知れた街。
自宅の最寄り駅である大江戸線牛込柳町駅は21世紀に入ってできた地下鉄の駅であるため、世間一般に知名度がありません。そのため、かつては、どこに住んでいるかと聞かれるとだいたい神楽坂と答えていました。新宿区と答えると歌舞伎町や副都心をイメージされてしまうのです。

 

その神楽坂で祖母の代から50年に渡り鍼灸鍼を営んでいる「はりいんT」。現院長の卜部先生は3代目。

 

私の開業をするにあたっての理念の一つは「地域密着」「地元に根付く」でした。

以前に鍼灸も書きましたが、少しだけ神楽坂での開業を視野に入れていた時期もあったのですが、東日本大震災をきっかけに自宅がある町内で開業することに決めたのでした。ずっと暮らして育ってきた場所で行うこと。繁華街の方が有利であるけれど、本当の地元で腰を据えて構えることが大切だと思ったからです。

 

はりいんTはある意味で私が思い描いていた理想に近い所かもしれません。
卜部先生はまさに地元が一緒で、隣の小学校、隣の中学校を卒業した間柄。地域に根差した鍼灸院。そしてかつて憧れた神楽坂。うちのあじさい鍼灸マッサージ治療院は5月に4周年を迎えた現在5年目です。その10倍以上の歴史を持つ地域の鍼灸院。
どのような場所か興味がありました。

 

はりいんTがある場所は神楽坂上。
観光地色が強い飯田橋よりの神楽坂下と変わって、地元商店街の色が強い場所。大久保通りから目抜き通りを東西線神楽坂駅に向かって少し進み、路地裏に入った住宅街にありました。路面店であり看板から歴史を感じさせます。


中は昔の診療所を想像させる造りになっていました。鍼灸院のために設計されたことが分かる構造です。数年前に廃業した近所の診療所と同じ雰囲気がありました。うちのようにアパートの一室を少し改装したわけではない。エステ店のような内装でもない。
語弊があるかもしれませんが、今では薄れてしまった地域医療を支える鍼灸院の姿を残しているという感じ。重みがあると言いますか。今ではなかなかお目にかかれない場の空気がありました。

 

別の場所から移転しているとはいえ、半世紀に渡って神楽坂で営んできた鍼灸院の風格を感じました。使用している器材も今では作られていないものがありました。鍼灸師の使い勝手が良いように作られた棚。ああ、ここはゼロから鍼灸院になるために設計された空間なのだな、と。感動しました。
銀座にある高級路線の鍼灸マッサージ院を見学した時は立地に内装と、高級ホテルを彷彿させる立派なもので驚きました。日常ではない空気。
その時とは違う「日常」の中にある歴史が詰まった鍼灸院。足を踏み入れて不思議な感覚でした。

 

 

鍼灸治療をしていただいた卜部先生にも興味がありました。同じ地域で育った鍼灸師。専門学校の出身も同じ東京医療専門学校。同じ時期に鍼灸の勉強をしていました。年齢も近いですし、子どもの歳も同世代。


 
根本的な違いが卜部先生は血筋も環境も鍼灸があるということ。祖母も両親も鍼灸師という鍼灸一家に生まれ育ちました。私のように20代半ばで突然鍼灸マッサージの資格を取ろう!と思い立った人間とは違います。物心ついたときから鍼灸が身近にあり鍼灸院で育った人の技術。どのようなものなのだろう。
同時期に鍼灸専門学校に通っていたということは鍼灸師なってからの期間はほとんど同じ。通った専門学校も同じ。私自身を基準にしてどれだけ違いがあるのか測る意図もありました。

 

実際に「はり・温灸治療」を受けた感想です。
それは鍼灸の純度が違うというものでした。

 

私はまず整体からキャリアを始めており、徒手手技がメインで経験を積んできました。元々鍼が苦手であり、東洋医学も当時は少々懐疑的な目で見ていました。良くも悪くも鍼灸というものにこだわりがありません。患者さんにとって有効だから鍼灸をしている、というのが今のところ本音です。
そのような私のスタンスと違って、卜部先生の技術は純粋な鍼灸という感じでした。
言葉にするのは難しいのですが、私も鍼灸師で鍼灸施術を行うからこそ感じる、純粋さ。触診の指も、鍼も灸も持っていなくても、鍼灸の指先でした。根があん摩マッサージ指圧師である私には無い、できない、鍼灸の触診。圧を入れて奥の方を探っていながら表面の皮膚から肌肉から情報を感じ取っている感覚がありました。

 

これまで数多くの鍼灸師の施術を受けてきました。教員養成科時代には日本を代表する鍼灸師の先生に鍼を打たれた経験もあります。それらのどの鍼灸師さんともちょっと違う感覚でした。他の鍼灸師が下手ということではありません。言葉で表せない何かがありました。強いて表現するならば鍼灸の純粋さとなるでしょうか。

 

勉強不足でプライベートで鍼灸を受けに行くことはほぼありません。知り合いが開業した時にお祝いがてら受けに行くことがほとんどです。今回は本当に自分としては珍しい、興味と勉強を兼ねて鍼灸を受けにいきました。

 

場所と人。
どちらも私に持ち合わせていないもので、大きな刺激になりました。

 

甲野 功

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