開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
独立開業をすると経営から逃げることはできません。
患者さんの治療だけに集中していればよい(黙っていても繁盛する)という都合の良いことはまず無いので、日々頭を悩ませていることです。理系出身で元々苦手な分野ですが、否が応でもマーケティングだとか経営戦略やらの知識が必要で試行錯誤しながらあじさい鍼灸マッサージ治療院を運営しています。
そういった分野において、基本の知識に3C分析というものがあります。3C分析とは、頭文字Cで始まる3つのことを分析しましょうということ。経営の勉強をしていると至るところで耳にする目にする単語の一つです。私も自然と頭に入っていて自然になっていたものでした。
3Cとは
Customer(市場・顧客)
Competitor(競合)
Company(自社)
のことです。この3点にポイントを絞ってまずは考えてみましょう(分析しましょう)というものですね。
図にすると三角形に並べて相互に影響をするという意味の⇔で説明することがよく見え受けられます。
これを私の立場に置き換えると
Customer(市場・顧客)→ターゲットにする患者さん
Competitor(競合)→他の鍼灸院やマッサージ院、整骨院、リラクゼーション店など
Company(自社)→あじさい鍼灸マッサージ治療院
となるでしょう。
3つのCを分析することでマーケティング(どのように経営をしていくか)やストアコンセプト(院の方針など)を設定するといいます。
3C分析自体は随分前から書籍の情報で知っていました。いや、知ったつもりになっていました。昨年受講した商人大学校というセミナーで現役の中小企業診断士(経営コンサルタント)の講義を受講するまでは。
昨年は経営面をもう少ししっかり勉強しようということで商人大学校というセミナーに参加しました。そこでは各回テーマが決まっており、そのテーマに沿った内容を各講師が教える内容になっていました。そして、ある回のセミナーでこの3C分析の話題になりました。
心の中で「ああ、それ知っているよ」と斜に構えていたのですが、講師の
「結構多くの人が勘違いしているのですが、3C分析の一番上はCustomerですからね。下2つにCompetitor とCompanyが置かれなければなりません。Company、つまり自分の会社を一番上に持ってきて自分の都合で分析するのは間違いです。あくまで顧客、すなわちお客さんが一番上で考えなければいけません。」
という言葉で、それまで勘違いをしていたことに気づきました。
自分の都合を一番にして考えていた。
まさに講師の言葉通りのことをしていました。まず<自分は何ができるか>とか<立地はこうだから>とか私自身の環境を第一に物事を考えていました。治療を受けてくれる患者さんのことを二の次にした思考をしていたのです。
これだけ国家資格を持っている、これだけの経歴がある、このような趣味がある、などなど自分の強みや特徴に目が行っていて、市場や顧客というものをよく見ていませんでした。いわゆる顧客目線というものが抜けていました。
かの有名なドラッガーは「顧客を創造せよ」と言いましたが、完全に商圏にいる人間を無視して良いわけがありません。潜在的にも顕在的にも鍼灸やマッサージを受けたいひとはどのようなひとなのか、どうすれば伝わるかを重要視していなかったことに気づいたのです。
そのような人々に対して自社(すなわち、あじさい鍼灸マッサージ治療院)はどう立ち振る舞うのか決める、競合(他の治療院)はどのようなことをしているのか調査する。順序が逆でした。
ターゲティングとかセグメンテーションとか変に知識が入った分、シンプルな事を忘れていたのです。
まず患者さんのことを第一に考える。
人々に社会に必要とされていない製品、サービス、企業は消えるのが世の常です。自分中心で行き過ぎれば自分にしか必要なものしか生まれませんから、必要とされず(必要とされてもそのニーズはとても少なく)消えていく。頭でっかちになっていたようです。
このような気づきは従業員時代には無かったことでしょう。うちの職場(Company)はこういうのが足りないし、すぐ近くにはたくさん鍼灸整骨院(Competitor)ができたたし、患者さん(Customer)は鍼灸のよさが分かっていないし、などと愚痴や言い訳をしていたように思います。経営者の立場になって見えてくること。そして実感すること。
月並みな表現ですが
<知っていることと理解していることは違う>
というやつです。
今でも忘れないように気を付けて3C分析をしています。
甲野 功
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