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~えみすけセミナー~

昨日は夜から小児鍼セミナーに参加しました。
登壇したのは大阪住吉の長崎はりきゅう整骨院副院長である長崎絵美先生でした。

通称「えみすけ」さんというので以下、「えみすけセミナー」とこのセミナーを呼称します。

 

場所は東京都大塚の鍼灸治療院森空堂さん。
しんたろー先生がイベント会場を提供してくれます。

 


今回もZOOM岡野こと岡野浩人先生も裏方に回ってえみすけセミナーを支えてくれました。

 

 

本セミナーは小児鍼のセミナーです。講師のえみすけ先生は「小児はり」と表記していましが、私は「はり」は針や張りと勘違いされるかもしれないのと、鍼灸の一環であるので敢えて「小児鍼」と表記します。ご了承ください。

 

今回、大阪からえみすけ先生が来てセミナーをすると知って、すぐに参加を表明しました。その理由は小児鍼のセミナーであること、そしてえみすけ先生に実際に会ってみたい、という2つがありました。

 

 

小児鍼はおおむね赤ちゃんから小学生までの子どもに行う鍼治療を指します。大きな特徴は鍼を体内に刺さない、鍉鍼(ていしん)を主に使うこと。私も既に臨床で使っておりますし、自分の子ども二人にもよくします。治療院のコースにも掲げているもの。それなりに知識と経験があります。


ですが、小児鍼の本場は大阪をはじめとした関西であると認識しているので、大阪の女性鍼灸師で小児鍼をしっかり取り組んでいる先生の話が聞ける機会は少ないと思い、すぐに申し込みました。

 

鍼灸業界では小児鍼と言えば大師流というくらい「大師流小児はり」が有名で歴史もあります。創始者の谷岡先生が大阪の先生だったため、関東よりもずっと関西に小児鍼の文化が定着していると言われています。


実際に私の鍼灸の母校である東京医療専門学校は、鍼メーカーに全国で鍼の出荷数が多い地域を問い合わせたところ、関西であると回答を得ました。人口が最も多い関東ではなかったのです。鍼が売れるということは鍼灸の需要が高いといるわけで、その理由を考えたときに関西は小児鍼の文化が定着しているからであろうと考えました。そして関東でもより鍼灸を定着させるためには小児鍼を関東でも広めようと考えて、小児鍼を啓蒙する取り組みが数年前から始まっています。
なお、東京医療専門学校はわが国で一番古い鍼灸養成学校です。その業界老舗学校にも小児鍼の本場は関西という認識があると言えるでしょう。


そういった背景があるため、関西の小児鍼には一種の憧れのようなものがあります

 

それと、えみすけ先生のキャラクターも重要です。

今はSNSで個人が情報発信をする時代です。鍼灸師も一部で活発に情報発信をして交流を深めています。その中で大阪のえみすけ先生は存在感があり、注目されている感じがありました。SNS上ではやり取りがあので全く知らないということはないのですが、実際に会ってみたいと思っていました。

 

 

えみすけセミナーに行ったことを「小児鍼」と「実際にえみすけ先生に会ったこと」に注目して書いていきます。

 

まず小児鍼について。

 

小児鍼については、いくつか勉強会に行き、また子育てを通じて実践してきました。
最初のベースは先に挙げた大師流の勉強会に行ったことです。鍼灸師になって3年目くらいだったと記憶しています。初級コースを修了して大師流三稜鍼という特殊な鍼を使って行うことはできていました。その勉強会で小児に対する基本的な知識、考え方、技術を知りました。当時は私に子どもがいなかったので本気で取り組もうとは思っていませんでした。

 

それから年月が経ちあじさい鍼灸マッサージ治療院を開業後に、経絡治療をベースとして小児鍼の勉強会に参加しました。経絡治療とは、とても大まかに説明すれば、経絡という気の流れをベースに考える治療方法です。根っこの部分は大師流と同じなのですが、経絡の考え方が入っておりまた新しい引き出しが増えました。


それと同時に私はあん摩マッサージ指圧師でもあるので、ベビーマッサージや小児への指圧、タッチングなども勉強し実践してきました。

 

これらの経験を踏まえてえみすけセミナーを受けたのですが、初めて聞くこと、目から鱗の内容が多かったです。


まずえみすけ先生は鍼灸師になる前に大学で臨床心理の勉強をしていたそう。臨床心理のベースがあるので小児の精神的発達段階を学術的に捉えています。鍼灸以外の武器がある人は別の観点を持っているので強いなと思いました。説明資料もサンプルをきちんと集めて表にしており、学術発表をする人のやり方だなと感じました。

 

次に専門的なことになりますが中医学ベースであること。中医学とは、これもとても大まかに説明しますが、現代中国で発展した漢方も含めた東洋医学の考え方です(細かいことは色々ありますがキリがないので簡単に)。経絡治療と中医学の対比で分かりやすい点として、経絡治療は気の流れ=経絡で考えるのに対し中医学は気のポイント=経穴(いわゆるツボ)で考えることが言えます(重ねて注意ですが大まかな話です。細かい相違点は色々あります)。


私が知っていたやり方(経絡治療)はラインで捉えることが基本で鍼を擦る方向も意識していました。対してえみすけ先生はポイントつまり経穴を使う考えがありました。配穴といって、こういう子供にはこの経穴(ツボ)とこの経穴(ツボ)を使いましょう、という感じです。小児鍼に経穴を使うという考えがほとんど無かったので驚きました。

 

また線香灸といって火を点けた線香を特定の経穴に近づける技術があり、これも初耳でした。赤ちゃんや幼児は熱が強いので小児鍼の基本は熱を捌く瀉法が基本だと思っていたのでお灸で熱を加えることは考えにありませんでした。

そしておへそに吸玉をすること。鍼灸師になって10年以上、教員免許も持っているにも関わらず本当に初めて知った方法で驚きました。赤ちゃん用の吸玉があることもこのセミナーで知り、注文しようと思いました。

 

刺さない鍼、鍉鍼(ていしん)の使い方はこれまで知っていたやり方とだいたい同じでした。えみすけ先生も大師流がベースにあるので同じことをしていました。皮膚の状態を指で触知して、柔らかい心地よい刺激で行う。からうちといって、一見やっているようで実際には鍼を皮膚に触れずにいる手法。こういったところは一緒でした。

 

続いて実際にえみすけ先生に会ったことについて。

 

 

 

開業する前からそうでしたが、実際に足を運んで体験する、人と面と向かって話すことがいかに重要かを感じています。SNSで情報交換は簡単にできるようになった分、現実に会うことの重要度は高まっていると思います。
今回、えみすけ先生だけでなく様々な鍼灸師の方々に出会いました。人を診る仕事ですから人間を接することで得られるものを大切にしたいです。

 

えみすけ先生の人柄から感化されることがありました。初めて話す先生と貴重な意見交換ができました。言葉にするのは難しいですし、ここでは書けない情報を得たこともあり、文章にするのができませんが、「情報」ではなく「体験」が伴うことが実際に会うことの重要性だと思います


 

今回のセミナーも中継していたのでスマホがあればどこでも視聴できます。小児鍼の書籍や論文を読めば知識や情報は入ってくることでしょう。しかしその人に会う、その場にいる、という体験はできません。体験が伴うことで座学や中継を見ることでは得られないものがあるのです

 

小児鍼と実際に会うこと。知識と体験。どちらも得ることができました。このセミナーをこれから実らせていきます。

企画してくれたしんたろー先生、裏方をしてくれた岡野先生、さまんさ先生、講師を務めていただいたえみすけ先生ありがとうございました。

 

甲野 功

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