開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
何人かから要望があったので、先週12月20日に行った東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科特別授業で私が受け持ったパートをここで再現します。
個人情報の関係で画像を再編集したこと、一部内容を変更していることをご了承ください。
東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科30期卒の甲野です。
内原先生からバトンタッチをして、ここからは開業鍼灸師の視点からお話させていただきます。
開業鍼灸師の立場ですと、何より経営が成り立たないといけません。
ですから、経営、敢えて「集客」と表現しますが、特に集客に関することを中心にお話しします。
この時間はスマホやタブレット、ノートPCなどを使って構わないので、その場でどんどん検索をしながらきいてください。
つい先日、産経新聞にトップで施術所不正広告の記事がでました。
皆さんがご存知の通り、あはき法によって広告内容が強く制限されています。
今までは、ホームページは広告とみなされていませんでした。これからはネットも規制対象になる方向です。
厚生労働省はどのような見解なのかみていきましょう。
ここからは今年5月に行われた会議資料の抜粋です。
厚生労働省ホームページに掲載されている資料です。
ざっと見ていきましょう。
これは施術所名、つまり屋号の規制。
「治療院」としている時点でうちはダメですね(笑)。
実際のところ、僕は当初「あじさい治療院」にしようと保健所に出しましたが却下されました。鍼灸とかマッサージとか何をしているか分かるようにしなさいと。それで「あじさい鍼灸マッサージ治療院」になりました。長いですよね(苦笑)。
このように「美容鍼灸院」、「鍼灸整体院」なんてのもダメです。
これも凄いです。
そもそも適応症、効果を書いてはいけないというのも無茶な話です。
治療、予防、緩和、改善もダメ。
ビフォアーアフターの写真がダメなのは病院と同じですね。
これはその他の部分です。
施設内の写真もダメとは。
体験談、つまり患者さんの声がダメなのは有名ですね。
お子様連れでもお気軽にご来院ください、はうちのうりの一つで好評なのですが(苦笑)。
地域住民のお礼文もいけないとは。
カード支払いもダメとは、利用者がそこは知りたい情報ですよね。
では実際に指導している例をみましょう。
これは10月に会議で愛知のけんぽが出した実際の資料です。これも厚生労働省のホームページに掲載されています。
頭痛、腰痛、不妊、逆子。
鍼灸院でポピュラーなものから女性特有のものまでアウト。
美容鍼もマタニティもダメ。
美容鍼なんて今一番鍼灸院で伸びている分野ですよ。
女性ならば不妊やマタニティ専門でやろうとしている方もいるのではないでしょうか。
これでいったい何を広告しろと?
過剰広告はいけませんが、患者さんにとって必要な情報すら出せないことになってしまいます。
厚生労働省のスケジュールでは来年周知し、2020年から強化するということです。
専任教員になる方も知っておいてください。
関係法規の範囲外で国家試験に出ませんが、現状を知らないといけません。今後、開業できると生徒さんを集めることになるかもしれません。その際に「実際に開業したってやっていけない」と思われたら鍼灸師を目指す人が減るやもしれません。
ではポータルサイトつまり口コミサイトを使えばいいと思うかもしれませんね。
ところが口コミサイトも曲がり角にきています。
授業ですので具体的な名前を挙げられませんが、有名な口コミサイトで実際にある出来事です。
利用者が良かれと思って書いた批判記事を運営側が勝手に削除する。また来てもいない人が口コミを入れる。サイト側が口コミを操作しては信頼を得ることはできません。
あるサイトでは景品で口コミを書いてくださいと誘導しますが、これは(鍼灸院では)アウトです。
僕も経験があるのですが「治療」や「改善」という言葉を入れると、いけませんよと警告が入ります。サイト側の自主規制ですね。うちなんか屋号を入れた時点で「治療」という用語は使えませんと警告がきました(笑)。
また、あるサイトでは鍼灸や按摩指圧のコースが却下されてリフレクソロジーとかタイ古式マッサージが採用される。鍼灸院が鍼灸のコースを却下されるって(苦笑)。それでいて広告を出しませんか?とお誘いがくるという。
他にも大手グルメサイトでは有料プランを止めたら急に点数が下がるとか、優良店の称号を捨てたレストランがある、などの話があります。
これも具体名を挙げませんが、あるサイトでは予約が入った時点で料金が発生するシステムなのですが、予約をしてからのキャンセルが半分以上あったという。更に予約をしてキャンセルするアルバイト募集が出ている始末。不正が実証されたわけではありませんが、周りではかなり話題になっています。
こういった問題がTwitterにどんどん投稿されて知られてきているのです。
つまり
嘘や不正がばれる時代になったのです。
それまでは人知れず終わったことがSNSの普及により、表に出るようになりました。
また大手ポータルサイトがコンサルタント業務に手を出している例があります。つまり本業が厳しい。
これはあるサイトの経営者が語った記事によれば、今はSNSの方が優位になっていると言います。
匿名で本当にいるかどうかわからない口コミサイトの意見よりも、普段発信しているSNSの意見を信じる傾向に。
SNSが信頼できる本当の口コミに変わりつつあるのではないでしょうか。
勤務するにしても開業するにしても、きちんとしたポータルサイトを選ぶことが必要です。
もちろん信用できるサイトもありますよ、具体名は授業であげることはしませんが。
じゃあ、どうすればいいのか?
ホームページもこれから規制がかかっていく。口コミサイトも頼りにならなくなるやもしれない。
患者さんにきちんと情報を提供するにはどうすればいいのか。ここが一番の重要なところです。
情報をSNSで発信しよう。
個人の意見として情報を出してみましょう。
表現の自由は大きな基本的な人権です。言論統制になるので個人の発言を規制することはなかなかできないと考えています。
個人をSNSで発信しよう。
鍼灸師としてのあなたがどのような人か知ってもらい、あなた自身に興味を持ってもらいましょう。
SNSでリアルな口コミを得よう。
個人アカウントで感想を得ましょう。
それが信用になります。
ここで改めて自己紹介します。
これから先、セミナーや講演を聴く際には講師がどのようなバックボーンを持ち、考えがあるか知った上で参加してください。例えば鍼灸師の子どもに生まれた人はそうでない家庭とは環境が違います。何かの流派にこだわる人もそうです。
話す人の常識やベースが異なると相容れない、理解できないということになりかねません。
甲野功。
41歳、安室奈美恵さんと同学年です(どうでもいい)。
大学で競技ダンスに出会い、そのことが今に繋がっています。
大学卒業後半導体商社に就職するも、麻疹にかかって入院、死にかけます。
これではいかんと脱サラを決意して民間の整体学校に入ります。
整体などを学び、この先を考えて国家資格が必要だと呉竹本科に入学します。
29歳で鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師になります。
卒業後鍼灸整骨院で勤務し、1年後に柔道整復師科に30歳で入学、ここ代々木校舎で学びました。
柔整科在学中に結婚。
33歳で柔道整復師に。国家試験直後に東日本大震災が起きます。
柔整科卒業を期に都内クリニックで勤めるも、そこがとてもまずい職場と察知し教員養成科に進学することを決意。
このとき第一子が生まれ、養成科入学とともに出張専門で開業します(34歳)。
同時に今の治療院を開業し、第二子が生まれます。
どうですか?最初より興味がわきませんか?
僕の人生を駆け足で見せましたが、話している人のことを知った方が親近感がわきませんかね。
SNS時代の鍼灸院はこうです。
どのような鍼灸をしてもらうか、よりも、どのような鍼灸師にしてもらうか。
鍼灸をする側の人間性が分からないと不安です、これだけ情報が飛び交う今は。
人は損をしたくないのです。
心理学上、得するより損をする方が感情は強く動くといいます。
鍼灸は素晴らしい、
鍼灸が一番、
鍼灸なら誰がしても一緒、
というのならば他でもいいのです、あなたでなくとも。
鍼灸が素晴らしいから、「あなたがする鍼灸」が素晴らしいへ。
店舗検索から人検索の時代へ移り変わっていくと考えています。
個人を出していきましょう。
患者さんの立場からみてみましょうか。
実際に触る人間が何者なのか?
どのような考え方か、どのようなバックボーンがあるのか。
ここに独身女性が一人で入っていっても安全か?
どのような人間関係があるのか?
SNS上でも現実も含めて、交流している相手や内容がその人の信用に繋がることもあります。既に中国ではSNSの繋がりを含めて個人の信用度を数値化しているという話もあります。
集客、敢えて集客といいますが、そのために重要なツールがホームページ、ブログ、そしてSNS。実質無料で広報活動、広告ができます。
ホームページは情報の本拠地、本丸、アーカイブと言えるでしょう。
情報量無制限に載せることができ、かつまとめることができます。
ブログのみという方もいますが、アクセス面はここ、施術内容はここ、などと情報を整理する上であった方が僕はいいと思います。
ブログは情報発信の基盤、考えや情報を出します、一つの作品と考えています。
各記事にURLがつくことも大事です。 例えばブログは会陽、SNSはBL35という感じ。
SNSはタイムラインなのでセイメイ、サンチクと数えて35番目でやっと出てくるという。
ブログは一発で特定できます。
SNSは情報発信の前線部隊でしょう。
4大SNSと言われるFacebook、Twitter、LINE、Instagramについて簡単に説明します。
Facebookは実名登録が原則で利用者に中高年が多く、投稿内容が比較的真面目です。
若い人には廃れていると言われていますが、セミナーやイベントを行うにはとても便利ですよ。友達も人数制限があり、ある程度選ぶシステムがあります。
Twitterは利用者に若者が多く、お互いわかった上で偽名を使うことが多いです。
炎上しやすいですが一番スピードがあります。
フォロワーに人数制限が無いのもFacebookとの違いです。
LINEはもう通信インフラを担っていると言えます。一番使われているSNSです。
クローズSNSと言われて1対1のやり取りが主となります。
商業利用@LINEが普及してきています。
Instagramは、これを中心に生活が回っているというくらいの人もいますよね。
画像動画中心でお洒落。若い女性をターゲットにするならば活用すべきでしょう。
ここから、それらの具体的な活用方法を紹介します
ホームページには基本情報を掲載し情報を集積しています。
ブログは他の媒体を使わずホームページ内のものを使用しています。理由はまとめやすいからです。また万一アカウントが凍結されて全て消える懸念もあります。
ホームページもブログもSEO対策として常に手を加えています。SEOとは検索順位のシステムです。
Facebookは個人(甲野功)ページと商業(あじさい鍼灸マッサージ治療院)ページを持ちます。
商業ページは誰でも見られ、記事がどれも長文であり、読み手を選ぶ意味がありまます。Facebookをみていらっしゃる患者さんはきちんとしている人が多い特徴があります。
個人ページは友達しか見られない設定にしており、私的な投稿内容が多いです。
Twitterはダンス関係者への情報発信と、鍼灸師関連との情報交換に活用しています。
今年1年で鍼灸師同士の情報交換を経て活発な活動が実現しました。
学生ダンサーの新患はほぼTwitterからです。
Instagramはハッシュタグを多数付けることでいいね!、フォローが付きやすいです。ハッシュタグをキーワード選別して自動的にいいね!を入れたりフォローするツールがあります。
写真が趣味なので写真で印象を良くするようにしています。
なお今のところあまり重要視していません。
Instagramを活用している別の開業鍼灸師さんの話ですと、新患よりも既存の患者さんに対して効果があるとのこと。
LINEは、最近やっと@LINEを始めました。
既存の患者さんと、予約受付など個別のやり取りに活用しています。
Google My Businessに登録するとGoogleで検索可能になるので開業した際には登録しましょう。MEOといって地図によって検索する人の対策がこれから重要と言われています。
ポイントは組み合わせることであり、何か一つだけでは足りず、複数のツールを連動させます。僕の場合はFacebook、Twitter、ブログがメインですが、得意なものを選択して勝負してください。それこそ、YouTubeやTikTokでもいいのです。
最初は効果が出ません。
SNSは指数関数的、雪だるま式といいますか、ある程度頑張ると急に効果が出ます。これは中小企業診断士のプロのコンサルタントが話していました。
専門学校でも同じことが言えますが、一見意味ないなあと思っても継続してみてください。
新規の情報の広げ方ですが、Facebookの治療院ページに記事を投稿し、それを個人ページでシェアします。
その記事をホームページのブログに加工してから転載し、ブログのリンクをTwitterに投稿します。
何を言っているのか分からないと思いますので、フォローして実際のところをみてください。
既存情報の広げ方ですが、しかるべきタイミングで既に作ってあるブログをTwitterで広げます。具体的には学生ダンサー向けキャンペーンをしたときは、社交ダンス関連のブログを集中的に出しました。
何か業界のトピックスがあった場合も過去のブログをTwitter上で紹介することがあります。そうすることでホームページのアクセス数が増えます。
それらを図にするとこのような感じです。
ポイントは全てに患者さんとダイレクトにやり取りをする窓口があることです。
今は電話はおろか、メールアドレスを入力するのも面倒になってきています。ダイレクトメッセージでやり取りできる窓口が多ければそれだけ可能性が広がります。
実際のところはどうでしょうか。
今年に限れば、有料サイトは「ケアくる」のみであり、大多数の新患さんが無料のネット環境から来ており、他に看板やチラシがわずかにいます。看板やチラシがきっかけでもホームページで精査した上で連絡しているので垣根は曖昧です。
今の時代、口コミと紹介の境界線が曖昧になっています。
最近、常連さんのブログを見て四国から訪れた新患さんがいました。新患さんに常連さんとお知り合いなのですかと聞くと、実際に会ったことが無くブログの読者に過ぎないと言うのです。
常連さんはブログに本名も顔も公開しておりません。名前も顔も知らない人の情報を信用して、上京した際に行ってみたかったとうちに来たのです。
その新患さんにとっては、常連さんが日々更新しているブログの内容が信用になったということですね。
僕はホームページ作成を業者に頼まず全て自前にしています、それは情報をコントロールするためです。
今年は新患さんは昨年比185%、2倍近い数になりました。
ホームページの訪問者数は昨年のこの同じ時期1ヵ月間でみると5.9倍に、開業した2014年と比較すると48.6倍になりました。
まとめになりますが、専任教員になる皆さんは日々の現実を前にしても理想を語ってください。
組織の中で理不尽な事があったり、嫌な生徒さんがいたりするかもしれません。国試合格率というノルマから逃げることは行けません。内原先生がおっしゃった通りです。
現実的であるからこそ理想を語ってください。
開業する人は理想を実現させようと夢を持っていると思います。それでも日々の数字という現実から目を背けるわけにいきません、現実を見据えてください。
最後に、今日は年末の忙しい時間を頂きありがとうございました。卒業後も何か不安があれば個別に相談してください。
甲野 功
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