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~親になること~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 出産直後の娘と
出産直後の娘と

 

仕事柄、妊婦さんと話す機会が、同年代の男性に比べれば、はるかにあると思います。

 

先日も患者さんで初めて妊娠しましたという方がいて、出産までに何をするのかという話をしました。
本当に当たり前のことですが、女性は最初から母親になる準備ができているわけではありません。肉体的に出産可能になっていたとしても、妊娠が判明して母親になる実感が生まれてくるものです。

妊婦の注意事項や起きやすい症状を詳しく理解している人は医療従事者や、既に出産経験なければほとんどいないでしょう。まずどこに届け出を出すのかすらも分からないという人だって珍しくないはずです。

 

まして妊娠出産に関する一般情報を知っていても、地域の状況を知らないことがほとんどです。
患者さんの多くはここ数年で引っ越してきた方で「都営大江戸線って初めて知りました」とか「牛込柳町駅で降りたのは初めてです」という人もいます。出産するにあたりこの地域の育児環境は分かりません。「この辺りは子育てしやすいのですか?」と聞かれたこともあります。

 

そうなると男性でありますが、初めて妊娠した患者さんよりも私の方が出産について詳しいことがたくさんあります。医療機関の情報、ママ友ネットワーク、育児に施設、新宿区のシステム、保活、などなど。職が医療従事者ですから医療知識もあります。
傍から見ると不思議な光景かもしれませんが、男性の私が女性のプレママに妊娠出産について事細かに説明するという。

 

女性だから、結婚したのだから、妊娠が判明したのだから、といって急に母になれるわけではないわけですね


そのことをしっかりと認識して言葉を選ぶ必要が男性側にあるでしょう。決して「女なんだからできて(知っていて)当然でしょ?」などの言葉は暴言以外の何物でありません。初めて体験する妊娠、そして出産・産後のことで、分からないことだらけです。

 

 

今のような考えになったのは何といっても私自身が妊娠・出産をそばで体験してきたことが大きいです


鍼灸師という資格免許を持っていて、不妊に鍼灸が効果的と習ってはいたものの、かつては男性の私が関わることはないだろうと思っていました。女性が妊娠期間を経て母親になるように、男性も出産・産後を経て父親になるものです。

 

そのことを振り返ったときに初めて父親になった時のことはどうだったのか振り返りました。幸い7年前にSNSに登校した日記が残っていたので当時の状況がわかります。再編集して上で載せてみます。

 

↓2012年1月29日の日記


1月26日に子供が産まれました。 


初めての出産で緊張することもありましたが、父親になりました。

 

予定日が24日だったのですが、当日は何もなく終わり。 次の日の25日も夕食を食べてのんびりテレビを見ていると、 突然の妻の破水。夜の9時半すぎでした。 
すぐにタクシーを呼んで病院に移動。妻は即入院となりました。
破水が先にきたのですが陣痛が起りません。このまま陣痛が来なければ次の日の朝に陣痛促進剤を投与する。 それでも子宮口が開かなければ帝王切開と言われました。ちょっと焦りつつも私がいても仕方ないため帰宅することに。

 

25日の夜は自宅で寝て体力温存。 26日の午前中に病院へ。事前に職場は休むことを話していました。 
妻はやはり陣痛が来ないので陣痛促進剤の点滴が始まりました。 そこから数時間にわたり陣痛に耐えます。


妻のう~う~、うめく姿を見ながら私は
飲み物を飲むときにペットボトルを渡す
背中をさする
会陰部を押す
などをします。
途中、妻が食べきれない昼食を平らげたりもしながら。


お腹にはエコーを2つ当ててずっと波形を計測しています。 一つは陣痛の強さ。一つは胎児の心音。

 

あまりに事態が進まない上に病院の人が誰も来ないので、持参した鍼を用いて「出産の鍼」を妻にしてみました。これは卒後研修で不妊に対する鍼灸を習ったときに講師の方から教えてもらったやり方です。実践することは初めてでしたがここはやるしかない!と。あまりにずっと陣痛で唸っているので。

 

午後の4時を回って、いつになったら分娩室に入るのかと焦り始めました。4時半くらいに分娩室に移動。 荷物を運ぶ手伝いをするため、一緒に分娩室に入ります。

 

そして一番の誤算が・・・
「旦那さんは立ち会いですよね?」と助産師さんの言葉。
「え・・」
もともと立ち会い出産は希望していませんでした。 


立ち会いすると、妻の苦しい姿を見て次の妊娠を考えなくなる、やることがなくてただの邪魔な存在、なんて意見もありますし。それ以上に、医療従事者であり病院勤務の自分には余計なモノまで見えてしまうのではないかという懸念がありました。 計器の数字、医師の指示、薬品・器材の種類。結構わかってしまうので、不手際があったりすると嫌な気分になるかも、と。そんなこんなで返事に困っていると、妻の「居て」の一言。それならば、良い経験になりそうなので残るかと、考えを改めました。

 

それにしても立ち会いの旦那には目もくれず作業を進める病院の方々。 
消毒は?滅菌した術着を着なくていいの?ここに立っていていいの?そんな疑問をよそに、私がいることはお構いなしに計器を取り付け出産に備えていきます。

 

そして早かった。本当に早かった。
学生時代にホルンを吹いていたので腹式呼吸が上手な妻のおかげか、事前に安産治療をしていた自分のおかげなのか、分娩台に乗ってから10分足らずで産まれました。


だんだん赤ちゃんの頭が見てくる。
頭が出たらすぐに口を吸引。
すぐに泣きだす。
助産師、看護師の歓声。

 

中々出てこないこと、産まれても泣き声をあげないこと。事前情報として知っていた不安は全くありませんでした。 途中で医師がメスで切開することもなく終わりました。臍の緒が首に巻きついていたらしいのですが、問題なく取り出せた様子。 


臍帯血を注射器で吸い取り、臍の緒を切除。赤ちゃんの体を拭いてすぐに母の体の上に乗せました。しばらくして胎盤を取り出し、医師による局部の縫合。


我が子のことながら、冷静に医師、看護師、助産師の動きを観察してしまいます。ここらへんは職業病かもしれません。

反面、赤ちゃんが妻の体から出てきて泣きだしたときは、やはり感動。目頭が熱くなりました。
無から生がうまれる。人体の神秘に目の当たりにしたという実感。

 

分娩が予想を遥かに超える短時間だったこと、妻の負担が少なかったこと、赤ちゃんが産まれてすぐに元気に手足を伸ばしていたことなどから、感動は少し薄かったかもしれません。それでも初めて抱っこした娘は。思いのほか重たくて温かかった。髪も爪も生えて、指が長く、予想以上にしっかりとした身体。 2905gの赤ちゃん。


父親になった、という思いでした。


↑日記終わり

 

小さな子連れOK”なあじさい鍼灸マッサージ治療院ができる要因がここから始まるのでした。

もしも子供ができなかったら今とは違う鍼灸マッサージ師像になっていたことでしょう。それこそ「妊婦は面倒くさいからみない!」「未就学児はうるさいから出入り禁止!」となっていたかもしれませんね。

 

甲野 功

 

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