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~サンリオピューロランドのV字回復~

ダイヤモンド社 サンリオピューロランドの人づくり 小巻亜矢著
ダイヤモンド社 サンリオピューロランドの人づくり 小巻亜矢著

 

少し前の平日月曜日。家族でサンリオピューロランドに行きました。


小学生の長女が振替休日でした。仕事を休みにして混雑しているところに家族で行く計画です。娘達には、自宅から比較的遠くて入場料も高いディズニーランドよりサンリオピューロランドを勧めてうまく誘導しました。親の負担が違うので(体力的なこと金銭的なこといろいろ)。

 

そして訪れたサンリオピューロランドは予想を遥かに上回る混雑ぶり。平日昼間からなぜ混んでいる?と驚きました。

 

 

私がサンリオピューロランドに初めて行ったのは5年位前でしょうか。長女が生まれ、妻の実家方面だったサンリオピューロランドは乳幼児を連れていくには適した場所でした。屋内なので天候に左右されず広くないので体力を消耗しない。

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 サンリオピューロランドの前で
サンリオピューロランドの前で

 

その当時から、行くたびにお客さんが増えている気がします。

特にここ数年は、初めてベビーカーを持って入ったサンリオピューロランドと雰囲気が大きく変わっていました。混雑もそうですが、お客の大多数が若い女性ということに。

 

行くたびにスマホ片手に自撮り、動画撮影に余念がない若い女性が増えています。ごつい一眼レフカメラを持った昔でいうカメラ小僧みたいな女性がたくさんショーの始まりを待っています。小さな女の子を連れた私には、ここは原宿か?と錯覚するような。

 

この身をもって感じた変化。その答え合わせをしてくる本に出会いました。


来場者4倍のV字回復! サンリオピューロランドの人づくり 小巻亜矢著 ダイヤモンド社

 

サンリオピューロランドの何を変えたのか、何が変わったのか。サンリオエンターテイメント代表取締役社長である小巻亜矢氏が伝えています。

 

本の冒頭にはこのような文章。

2014年度に126万人だった年間来場者数は右肩上がりに伸び続け、2018年度には219万人の大台を突破しました。
特に平日の伸びは著しく、2019年現在の来症者数は、5年前に比べて1日約4倍になっています。客数の増加に伴い、売上高も2015年度から2018年度に至るまで、前年比で約10%ずつ伸びています。

 

やはりそうでした。


私が最初に訪れたのは2013年頃だと思います。そこから急成長をしたのは数字でもはっきりしていました。筆者の小巻氏が施策を行った成果が出ているのです。

 

私はカンブリア宮殿とかガイアの夜明けといった経済番組を見るのですが、地方や直接商品やサービスに関りがない企業がテーマだと、そこまで実感がわきません。実体験で変化を感じる機会は結構少ないのでこの本を読むと勉強になりました。

 

小巻氏、そしてサンリオピューロランドが行った施策は主に以下のようです。

 

メインターゲットを「大人女子」に変える
小さな女の子向けからF1層と言われる若い女性に狙いを変えました

私の世代ですとサンリオピューロランドは未就学児の女の子が好きなテーマパークという印象だったのですが、いまや<“SNS映えしすぎる”テーマパーク>という異名を誇るまでになったそう。確かに子どもよりも高校生~20代くらいの女性の方が多かったです。

 

その層にターゲットを変えることで客数の動員や売上に繋げてきました。子どもとは使うお金の額が違うでしょう。私のような付き添いのお父さんは自分のためにグッズを買わないですし。

 

面白いことは、ではどうやって子ども向けイメージのついたサンリオピューロランドを若い女性に来てもらえるか?と問いに「イケメンを使う」という度直球のやり方をしたことです。
この発想と行動力はキャラクター天国のサンリオとはかけ離れた印象だったので興味深いです。確かにパレードやショーにはキティちゃんやマイメロディらと一緒にイケメンダンサーが入っているなと思いました。

 

また「アルバイトスタッフは最強の潜在顧客」と高校生・大学生の女性アルバイトスタッフを大切にし、彼女たちが今何に興味があるのかをしっかりリサーチしたといいます。ディズニーリゾートもそうですがキャスト(従業員)がみんなディズニーファンだからあれだけのクオリティーを保てると言います。


ターゲット選定がいかに重要かが伺えます。

 

 

(レストランで)キャラクターの輪郭をなくす
レストランを子供っぽいものからテーマごとに分けてリニューアルしました。派手なフードコートがあれば大人ぽい落ち着いたレストランもあります。

 

サンリオピューロランドに行くたびに感じたことの一つに園内で出される料理が美味しくなっていくことです。行き始めた頃はお世辞にも美味しいとは言えず、テーマパークだとこれくらいだよね、と納得していました。キャラクターのケーキやプリンで誤魔化しているというか。
サンリオピューロランドの外はしっかりとした商業施設が多摩センター駅まで続いていて食事に事欠きません。園外で食べた方がいいやと外で食べたこともあります。

 

最近入って食べた食事はどれも美味しくなっていました。キャラクターにもインスタ映えにも興味がないお父さんには食事が美味しくなることは、よくわかります。
レストランを改善したことは大きいのですね。

 

 

オリジナルグッズを来場動機につなげる
うちの娘達は例にもれずサンリオのキャラクターが好きです。グッズ売り場が一番大事くらいです。

 

本当にあったことですが、私と長女で二人でサンリオピューロランドに行ったときに、連休だったこともありアトラクションは並ぶしショーは混雑していてよく見えなくて、グッズ売り場で玩具を買うだけで帰ったことがありました。入場料が無駄だからこれなら新宿のサンリオショップで済むじゃないかと呆れたことがあります。

 

長女からすると新宿にあるサンリオショップとは品揃えが違うようで、サンリオピューロランドに来ることに意味があるようです。このことはヘビーユーザーにも言えることで限定商品を用意することは大きな来場動機になるのですね。

 

 

「屋内型+キャラの個性」を生かしたイベントを増やす
サンリオピューロランドは当初から屋内型にこだわったそうです。広い土地を買う余裕が無かったというわけでなく、天候に左右されない設備を目指した結果だと。
最近サンリオピューロランドに行った日も猛暑で屋外だったらたまらないな、と思いました。室内であれば台風でも影響を受けずショーが行えます。

 

屋内型であるため広々とはいかない代わりに「没入感」が得られるといいます。狭い空間にお客と演者が密接になるため独自の演出ができるのです。
キティちゃんが歌舞伎に挑戦するのも屋内型テーマパークだからこそ。きちんとした衣装にすると突然の雨や風には対処しきれないわけです。また四季に合わせたショーを行いますが、屋内であれば演出で雨も雪も紅葉も表現できてしまいます。


真夏の炎天下でぬいぐるみに入った(本当はこのような表現はタブーでしょうが)スタッフが熱中症で倒れる心配もほぼないでしょう。

 

 

ウォーミングアップ朝礼と「対話フェス」で笑顔を増やす
この点が一番重要なところでしょう。本書のタイトルにありますが人づくりが一番大切で、コミュニケーションが上手に取れないことが全ての問題といってもよいと筆者はいいます。

 

サンリオピューロランドが低迷していたときに一お客として訪れ、あまりの凋落に驚いた小巻氏は社長あてに感想文を送ります。多くの課題がありましたが原因はスタッフではなくコミュニケーション不足によるものだとしました。

誰かのせいではなく環境のせい。

犯人捜しをするのではなくシステムを変える。

現代では王道のリーダーシップでしょう。

 

課題は伸びしろ」、「不満は期待の裏返し」と前向きな姿勢で諦めず、社内コミュニケーション向上に努めました。情報共有ができていないことで色々な欠点が生じていたのです。強制的に話合う機会を作る(システム化する)ことで多くの問題が解決したといいます。

 

サンリオ社の理念は「みんななかよ」だそうです。サンリオピューロランドに来るお客と仲良くする以前にスタッフ同士で仲良くする。小巻氏の根底にある理念。


老朽化してあまりに汚くなっていたスタッフ用トイレを、多額の費用をかけてきれいにしたことが職場改善のきっかけでした。会社はスタッフにも目が向いていると形に示したことでやる気を大いに引き出したとのこと。

 

 

本書は全編を通して人に注目しています。具体的な施策は参考になりますが、根底に「人づくり」があってのこと。


小巻氏も完璧ではなく結果的に的外れだったり時代を読めていなかったりした部分もあります。2014年当時、SNSがどれだけ影響を持つのかピンと来なくて重要視していなかったとのこと。今ではどれだけTwitterやインスタグラムに助けられているかわからないサンリオピューロランドなのに。

至らぬ点は他のスタッフが手助けして乗り越えていきます。それことバイトの女子高校生にも頼ります。人間関係を良くして業績を回復させたカリスマ型ではない「お母さん型」のリーダーでした。

 

それでいて本書でははっきりとこのように書いています。

SDGsへの取り組みは100%経営戦略です。「余裕があったらやるべきこと」ではありません。

SDGs(持続可能な開発目標)とは国連を始め、世界が取り組むべき問題(飢餓、貧困、環境問題など)にどのように取り組むのかといったもの。いちテーマパークが取り扱うには大きすぎる課題だと思うのですが、経営戦略と言い切ります。
トップとして大きなテーマに取り組み姿勢がみえます。YouTubeチャンネルではキティちゃんがSDGsについて解説しているのだとか。

 

「KAWAII」で世界を変える
もはや世界を相手にするキティちゃん。クールジャパンの一角となった「KAWAII」で世界平和すらも見据えているのです。

 

甲野 功

 

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