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~男性が育児をするのに生きづらい社会~

劔樹人さんのnote 女児誘拐の疑いで通報、そして真実へ。
劔樹人さんのnote 女児誘拐の疑いで通報、そして真実へ。

 

先日、本当に嫌な思いをした記事を目にしました。

 

お父さんが2歳半の娘と新幹線に乗っていると、誘拐犯と通報されて警察官に職務質問されたというのです。

 

この方は劔樹人さんといってコラムニストの犬山紙子さんと結婚しています。

 

お盆で長野の実家から帰宅するときに長野新幹線の自由席に乗りました。途中から娘さんが目を覚まして不機嫌になり騒ぎ出しました。いわゆるイヤイヤ期真っ最中。困っていると後ろから「うるさい、デッキに行け!」と怒鳴りつけられます。そのままデッキにいると警察官が乗り込んできて誘拐の疑いがあると通報があったため調査をするというものでした。

 

私も女の子を育てています。娘と二人で行動することが多々あります。このことを知って心底悲しくなりました。
お父さんは娘と二人っきりで外出してはいけないのか?
警察に通報される?
どこに新幹線という公共機関を使って誘拐するやつがいる?

7年前に長女が生まれてからずっと感じていた嫌な気持ちが具現化されたようでした。

 

当事者であるお父さん、劔樹人氏のブログに詳細が載っています。よろしければこちらをお読みください。私は読んでいて悔し涙が目に溜まりました。内容を一部分抜粋してみます。

 

劔樹人note
女児誘拐の疑いで通報、そして真実へ。


なんでおでこの汗を拭いたらこんなに怒るのか、理不尽すぎて全く理解出来ないが、とにかく娘はついに泣きわめきだしたのである。

 

その時、後ろの席のおっさんが怒鳴りつけてきた。

 

「うるさい!デッキ行けよ!」

 

育児に不寛容な日本社会の象徴こと、公共の場で子どもが泣くと怒る中高年の登場である。

 

世の育児をする親たちは、度々辛い思いをさせられている。
その一方で彼らは、自分は子どもに迷惑をかけられている被害者だとも思っている。
だから保育園すら作れない。


全体を通してとても冷静に、物分かりのよい態度で文章を書いていますが、ここでは本音が表れています。そして文句を言われることが初めてではなく、日常のことで辟易としていることがみてとれます。

 

いつも思うのですが、乳幼児期は誰もが通った道です。野生動物じゃあるまいし、生後1週間で自立して生活できるように人間はできていません。何年も保護者に守られて育っていきます。誰にも苦労をかけずに18歳の成人になることありません。
怒鳴ったおっさんだってそうだったはずです。

 

遠い海外でテロが起きて、そのことに実感がわかないのは理解できます。訪れたこともない土地で事件が起き、会ったこともない人が死んだとしても、関りがほぼないからです。
しかし誰もが子どもだったわけで小さな子どもはかつての姿だったはず。うるさいと思うならやんわりと「デッキに行ったらどうですか?」と言うくらいできないのでしょうか。

 

劔さんは娘を抱っこしてデッキに移動しましたが、経験者は分かりますがこれもかなり危険なのです。揺れる新幹線を暴れる子どもを抱えて移動する。足が座っている人の顔や荷物にぶつかるおそれがあり、転倒する可能性もあります。小さな子連れでは荷物も多いですから貴重品以外は手に持っていけないので盗難の可能性も出てきます。安直にデッキに行けと言いますが、やる側には色々大変なのです。

 

 


しかし、警察はこう続けた。

 

「誘拐事件の可能性と通報があったので」

 

デッキにいると上野駅から警察が乗ってきて職務質問されます。
このことは本当にショックです。立場が違えば私自身も警察に通報されて誘拐犯と思われた(今後も思われる可能性がありますが)のかもしれない。
親として、保護者として当たり前のように過ごしていて、疑われ、警察に通報される。どれだけ理不尽なことでしょう。本当に、誰だよ!通報したのは!と憤りました。

 

 


その間、警察官は、「男性と女の子がひとり、母親はいません」
のような内容を無線で連絡している。

 

その母親、母親、と強調されるやりとりを聞いていて、ああ、そういう内容の通報だったのだなと分かった。

 

男性と女の子だから怪しまれたのだ。


この成年男性が女児と二人でいる状況が怪しまれました。


それは世間一般の概念では仕方ないのかもしれませんが、お父さんだけで子ども連れて新幹線に乗るはずがない、という偏った常識が根底にあるのでしょう。劔さんもその妻の犬山さんも、これがお母さんだったら通報されなかっただろうと書いています。私もそう思います。


つまりお父さんが小さな娘を連れているのは異常という判断がなされたことだと感じてしまうのです。

 

劔さんも犬山さんも、本当に犯罪の可能性があるから通報をためらうことはしないでほしい、警察も任務に則って仕事をした、と理解を示し批判することなどしていません。
しかし通報されたひとの立場になれば本当にたまったものではありません。

 

この程度で通報するということが信じられません。


まず長野駅から乗ってしばらく寝ていて、また起きても膝の上に娘さんはのっかっていたのです。駅に着いた時から泣きわめいている、強引に新幹線に連れ込んでいるのならばまだ分かりますが、途中で泣き出したから誘拐と判断したのはちょっとおかしいと思います。
近年、新幹線で死傷者が出る事件があったため警察官が乗っていることもあります。少なくとも乗務員に「あの方々の様子がおかしいので事情を聴いてもらえませんか?」と相談することだってできなかったのでしょうか。

 

それに公共交通機関では不特定多数の乗客、乗務員の目があり、いたるところに監視カメラがあります。一度乗ったら駅以外で降りることは不可能。この状況で誘拐しようと思うのでしょうか。
お菓子や親が急病になったと嘘をついて連れまわしたと頭を働かせたのならば大したものですが、わざわざ誘拐した2歳の子どもに「自分のことをパパと呼ぶように!」と厳命したと?


警察だって税金で動いています。人員も時間もお金をかけるのですから通報する際の判断材料をしっかりしてほしいです。守秘義務がありますから通報した人の情報が出ることはありません。通報するだけしてあとは知らんぷりというのがまた嫌なものです。

 

 


私が離れたこのたった数十秒かもしれないが、娘の感じた心細さを思うと、胸がぐっと締め付けらる思いだった。

 

抱き上げると、娘もギュッとしてきた。


突然制服を着た警察官に囲まれてお父さんが離れて行ってしまった。2歳の子どもにはどれだけ不安だったでしょう。嫌な思いをさせてしまったと悲しくなります。

 

 


駅に着き、ホームに降りてからも取り調べは続いた。
最終的に、確認のため妻の犬山に電話をかけさせられることになった。
さらに、

 

「じゃあ、お母さんの声を娘さんに聞かせて、話をさせてください」

 

と言われ、娘が電話を代わったが、ムニャムニャ何か言っただけで証拠になるものなのかよく分からなかった。

 

「すいません。まだうまく喋れないので…」

最後に、iPhoneに入っている、娘との写真をズラーっと見せて、ようやく「じゃあ、大丈夫ですね」と解放してもらえた。

 

警官が帰った後、駅員さんにも状況を一通り説明し、ようやく全てが終わった。


事情聴取される大人以上に子どものストレスも相当あると思います。余計な時間がかかって辛かっただろうに。同じ立場なら娘に悪かったなという気持ちが出てくると思うのです。

 

劔さんの妻である犬山さんもこの件についてブログに書いています。

 

犬山紙子note
夫が娘をあやしてたら通報された話

そこから一部抜粋します。

 


しかし男性が1人で小さな子どもを連れて新幹線に乗ったり、育児をしている事がまだまだ珍しい事だからというのもあるよね、と思うのです。
夫がすぐにああ誘拐だと思われたって思ったというのは、男性が育児をする中そういうプレッシャーがかかってる証だなと思ったのです。
警察の方もしきりに母親はいないという事を強調されていたようなので。

 

男女共に育児をしていくのは大切なことです。その中で男性側にもこういうプレッシャーがあることは心に刻んでおこうと思うのです。


同じように男性が育児をすることが珍しい現状がこの出来事の根底にあると考えているようです。

 


まず夫がこれがトラウマになって娘と2人で出かけるのが怖くなったらどうしようということ。
しょうがないとはいえ傷はついているはずなのでそこはカバーしようと思います。
できる限り愛情で包みたいです。


このように、ケアすることと今後のことを懸念しています。

 

本当にこれから父親になる人、そして結婚しようとしている人。もちろん私自身も含めて。
子どもはリスク、育児は邪魔、と思わないでほしいです。
また「男が育児なんてするからこんなことが起きるのだ、女に任せておけばいい」などと昔の考え方に戻らないでほしいです。
そうしないと将来もっと怖いことが起きるような予感があります。それは次の機会に書きます。

 

甲野 功

 

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