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~開業権があるから悩む~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 看板
当院の看板。開業して看板を持つことができるのが鍼灸師。

 

鍼(はり)師、灸(きゅう)師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師。

どれも私が取得している厚生労働省認可の国家資格免許です。この4つの資格免許に共通することはどれも医療系国家資格というだけでなく、<開業権があること>が特徴です。

 

様々な医療系国家資格がありますがはっきりと開業権があることを明記している資格は少ないのです。他には医師、歯科医師、助産師くらいでしょう。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリテーション系の国家資格には開業権がありません。放射線技師や臨床工学技士などにもありません。
※開業権がないにもかかわらず開業して「国家資格のある整体師」という矛盾した謳い文句を使っている例もありますが、それは別の話で。

 

現代医療は基本的にチーム医療であり、単独でできることはほとんどありません。どれだけ優秀な医師でも独りでできることはほとんどありません。それは検査機材、薬剤、治療器具、電子カルテなどのインフラ、国民健康保険システム、といったもの無しには成り立たないからです。


反面、その歴史的背景からも鍼灸師や按摩師は独自の開業スタイルを確立していたため独力で成り立ってしまっているとも言えます。鍼灸師、按摩師は日本で最初の法律、大宝律令(701年)にもその名称が残る伝統的な国家資格といえます。


多くの医療従事者は「医師の判断の下」という前提で業務内容を認められているのですが、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師は独力で判断し施術することが法律で許されています。

 

 

この<開業権があること>が、特に鍼灸学生や鍼灸師が、悩む要因になっていると言えるのです

 

開業権がなく医療機関で働くことが当然だとするならば、実は多くの鍼灸師が将来について悩むことが少ないように思います。
病院なりクリニックなりに就職するしか働く手段がなく、医師の指示のもとで施術を行う。そのような環境しか許されていないのであれば、開業したいな、開業したらどうなるだろう、挑戦したいな、という選択肢はありません。
実際に他の多くの医療従事者にはその選択肢がありません。もしもやるならば国家資格とは別の名称で行わないといけないのです。はっきりと鍼灸師が鍼灸院を開業できるという状況とは異なります。

 

なまじ開業権を持つからこそ悩むと言えるのではないでしょうか。

 

鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師には「専ら(もっぱら)出張専門」という店舗を持たない開業形態が許されています。決まった場所を持たずに呼ばれた場所に出向いて施術を行うものです。
このやり方ならば僅かな器材と身体一つあれば開業できてしまうのです。初期投資がほぼ要りません。手続きも保健所に開設届を出すだけでOKという手軽さ。私もこの方法で最初に独立開業しました。

 

あん摩マッサージ指圧師ならば鍼や灸といった器材も必要ないので、ランニングコストもほとんどかかりません。交通手段に自家用車を使うならばガソリン代や車検代がかかりますが、都心部ならば自転車か公共交通機関で済みます。鍼灸だって出張専門ならば初期投資に数十万円かかるなどありませんから、それこそ手軽に開業できてしまうのです。

 

店舗を持つとなっても、クリニックや病院に比べれば信じられないくらい安価で始めることができます。最低限、決まった床面積の施術室、待合室、換気設備(窓でも可能)があれば法律上問題ないのです。ベッド一台置いておけば形になります。あん摩マッサージ指圧師ならばベッドがなくとも床で行うことも十分可能。内装や立地にこだわらなければ本当に安く開業することができてしまいます。

 

そして届出制といって、開業してから保健所に届出を出すシステムの鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師と、事前に申請を出して保健所に許可をもらわないと開業できない許可制の医師とでは法律が異なります。店舗を持つ場合は臨検といって保健所の職員が現地まで来てチェックを行いますが、そこまで厳しく指導されるものではないのです。

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 開設届
このような施術所開設届を保健所に出せば基本的に開業できてしまう

 

金銭面も法律面も安易に開業できるのが鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師と言ってもよいでしょう。他業種で比較するのもなんですが、レストランや美容室を開業するよりははるかにハードルは低いことでしょう。

 

この開業のしやすさと開業権がそもそも認められているという状況により、多くの鍼灸師が開業を視野に入れます


何より業界内に「独立して一人前、開業するのが当然」みたいな空気があります。組織の一員としてずっとやっていくというのがどこか恥ずかしいという気持ちがあるように思います。決して従業員として臨床現場に立つことは恥ずべきことではないのですが。

 

活躍している多くの鍼灸師が自分の院を持っているのを目の当たりにすると羨ましくなるのかもしれません。あるいは自ら好きなようにやってみたいというエゴかもしれませんし、一から院を立ち上げることがしてみたいという願望かもしれません。何にせよ、従業員よりも開業している鍼灸師の方が上、みたいな雰囲気があるのです。

 

かく言う私も従業員を経て開業した経歴です。
もう独立してから7年経ちますが、元々開業志向がありませんでした安定した給料で経営責任から距離を置いて臨床に専念する方が得策だと考えていました。今と正反対です。

 

それが環境が変わることで考えに変化が起きました。
職場で管理職になり院の経営を考える仕事が増えてきたこと。
患者さんにやってあげられることが他のスタッフとバランスを取るため認めてもらえなかったこと(私にしかできない技術で患者さんをよくしても他のスタッフができないのであれば場を乱すという上の判断)。
だんだんと職場の経営方針と考えが合わなくなったこと。
これらのことが重なって退職を決意しました。なおその時点ではまだ開業する気はなく、他の職場で力を試したいという気持ちでした。

 

その後色々とあって今のあじさい鍼灸マッサージ治療院を開業しますが、その職場を退職してから3年の月日が経っていました。慎重に動いた方だと思います。

 

今は開業して自分の場所を持つことに幸せを感じていますが、以前は不安でやらない方がましなのではと悩んだものでした。開業に対する憧れはなかったのですが、いざしてみると遣り甲斐があるのは確かです。

 

 

繰り返しになりますが、現在鍼灸専門学校に通う学生さんや勤務鍼灸師も開業という選択肢があることで悩むのではないでしょうか。そして開業すれば万々歳とはいかないからこそ悩むのでしょう。高確率で幸せとなる環境が待っていれば誰もが悩まず開業するはずです。結局開業してやっていけるのか?という不安があるからこそ悩むのです。

 

開業してやっていけるかどうかという不安の種は大きく2つあると考えられます。その点についてはまた別の機会に触れてみましょう。

 

 

鍼灸学生さんのキャリアについて考える機会が最近増えています。進路で悩む理由で大きな要因が、開業できるという環境。しかも開業するための障壁が比較的低くなっています。しかし鍼灸の世界はとても広く深く、多様性に富んでいて単純ではありません。開業したからもう大丈夫とはいかないのです。それでいて、従業員でいることに疑問を生じてしまうのもよくあることなのです。

 

鍼灸師(学生も含めて)のキャリア戦略には<開業>を考慮しないわけにはいかないと思います。開業権があるゆえの悩み。そこを乗り越えてきた私がサポートできることは何かを考えます。

 

甲野 功

 

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