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~整骨院利用者にも調査が~

NHK NEWS WEBより
NHK NEWS WEBより

 

先日、NHKの報道で以下のようなものがありました。

 

NHK NEWS WEB
関西 NEWS WEB
協会けんぽが不正請求問題で調査(1月24日)

 

以下、本文

大阪に事務所がある整骨院グループが、自治体などに事実と異なる療養費を請求していた疑いがある問題で、全国健康保険協会の大阪支部が請求内容に不正がないか一斉調査を始めました。

 

去年末、NHKでは、大阪に事務所があり、全国で100軒以上の整骨院を実質的に経営していた「ギオン」グループの複数の店舗が、マッサージをしただけの利用者に、けがの治療を行ったと事実と異なる請求をした疑いがあることを報じました。
この問題を巡っては、大阪市が不正請求の疑いがあるとして調査を始めていますが、主に中小企業で働く人が加盟する全国健康保険協会=協会けんぽの大阪支部も調査を始めたことが新たに分かりました。
去年10月にグループの整骨院を利用した1300人余りに調査書を送り、けがをした部位や状況、通院した日数のほか、窓口で支払った金額などの回答を求めています。
そのうえで、整骨院側の請求と矛盾していないかを調べ、不正請求が確認されれば、返金を求めることも検討するということです。
一方、この問題をめぐっては、堺市も市内の店舗に通院した人を対象に同様の調査を始めました。
ギオンは、去年の年末からグループの多くの整骨院を閉院していて、取材に対し「担当者が不在だ」としています。

以上、本文

 

こちらももう珍しくなくなった整骨院の不正請求に関する報道です。

 

整骨院・接骨院を開業する柔道整復師は外傷治療に関して(具体的には脱臼、骨折、捻挫、打撲、挫傷)応急処置を行い、受領委任払いという制度で健康保険を患者さんの代わりに請求できるようになっています。当然、外傷(つまりケガ)に限定しているのですが、肩こりや疲労回復目的のマッサージもケガと称して請求を行う不正請求があとを絶ちません。保険者となる全国健康保険協会(通称、協会けんぽ)大阪支部が調査を行ったというものです。

 

不正が発覚したのならばまだしも、新たに調査を始めた、という状況で報道するというのはなかなか珍しいことでしょう。日本には推定無罪と言って刑が確定しない状態では無罪であるという原則があります。疑いがある、調査を始めたという程度でマスメディアが報道するのはよほどのことでしょうか。くだんの整骨院グループには大きなイメージダウンになります。まして国営放送のNHKが報道しています。

 

記事本文にあるように既にNHKが取材を進めており、不正となる証拠をかなり掴んでいるようであります。別の報道によれば実際に使われたレセプトと言われる保険請求用紙を入手しているとのこと。今回の報道では協会けんぽ大阪支部も調査を開始したとありますが、不正を行っている確証があると踏んでいるのでしょうか。

 

私が特に注目したのは

去年10月にグループの整骨院を利用した1300人余りに調査書を送り、けがをした部位や状況、通院した日数のほか、窓口で支払った金額などの回答を求めています。
そのうえで、整骨院側の請求と矛盾していないかを調べ、不正請求が確認されれば、返金を求めることも検討するということです。
一方、この問題をめぐっては、堺市も市内の店舗に通院した人を対象に同様の調査を始めました。


という個所です。市内の店舗に通院した人、つまり整骨院に来院した患者さんに対しても調査を始めたということです。なおかつ不正請求が確認されれば返金を求めることも、と。ここを敢えて入れていることに、事態がここまで進んでいるのかと衝撃を受けました。

 

残念ながら整骨院の不正請求というものはずっと前から問題視されていました。私も柔道整復師ですし、現場にいたので実情を理解しています。正直なところ実際に多くあります。
そしてアンケート調査という形で、業界では回答書といいますが、整骨院を利用した患者さんに保険者から調査書類が送られてくることがあります。今回の報道では1300名余りとのこと。かなりの人数になります。調査するのにも時間も人もお金がかかります。そこまでしても調査する必要に迫られているのでしょう。

 

全国健康保険協会(協会けんぽ)のホームページより、協会けんぽとは何かは以下の通りです。


協会けんぽとは

 

中小企業等で働く従業員やその家族の皆様が加入されている健康保険(政府管掌健康保険)は、従来、国(社会保険庁)で運営していましたが、平成20年10月1日、新たに全国健康保険協会が設立され、協会が運営することとなりました。この協会が運営する健康保険の愛称を「協会けんぽ」といいます。これは健康保険がもっと身近なものとなるようシンボルマークとともに公募により選定されたものです。

中小企業の保険証は協会けんぽであることが多いわけです。


当然ながら保険を運用する業務があるため、整骨院の調査をするのは余計な仕事になるわけで(不正請求の疑惑がなければやる必要のないもの)そこを敢えて行うのはそれなりの理由があるでしょう。中小企業が加入するため調査対象は社員およびその扶養家族に及びます。

 

そして協会けんぽだけでなく、堺市も利用者への調査を始めたということです。堺市ということは地方自治体でありますから国民健康保険(通称、国保)の保険証になります。協会けんぽだけでなく国保も調査を始めたと言っているのです。管轄が異なる保険者から調査をするというところと、そのことを敢えて報道することに、私は来るところまで来ているなという予感があるのです。

 

何が言いたいかといいますと、整骨院を利用した被保険者にも追及の目が向けられつつあるのではないかということ

 

これまでは整骨院が勝手に不正請求をして保険者から虚偽に保険代金を受け取っていたことが問題でした。ケガでない症例において、柔道整復師が代理で保険請求をすることは違法です。悪いのは柔道整復師であり、整骨院。
そこから整骨院を利用した人間にも責任を追及する方向になるのではないかと思うのです
受領委任払いという制度は本人の代わりに柔道整復師が“代行として”保険者(協会けんぽ、健康保険組合、地方自治体など)に保険請求を行うものです。その際に直筆の署名や捺印が必要なのです。つまり書類上の責任は保険に加入している人間にもあると言えるのです。厳密に言えば、署名した以上は保険証に名前の書いてある世帯主が不正請求をした(不正請求に加担した)という理屈になるのです。

 

ほとんどの整骨院では白紙のレセプト用紙にサインをさせて後で月末締めにして書類を作成し請求します。利用者が請求書類を見ることはまずないでしょう。あったとしても一般には何が書いてあるか理解するのは困難です。そうであるにも関わらず、整骨院を利用し不正請求の片棒を担いでいないかと、注意喚起も含めて調査をしていると考えられます。

 

健康保険組合から患者への調査書類が送られることについては、平成29年3月15日の参議院予算員会でも話題になり厚生労働省に議員が質問するということがありました
調査票が届いた利用者から、数カ月前のことなど記憶にないし、整骨院に聞けばいいものをなぜ利用した側に調査が及ぶのか、という不満があると。きちんと回答しないと返金してもらうという脅しに取れる文言もあったと。

 

国会中継より
国会中継より

 

※そのときのやり取り

 

Q.石井苗子議員の質問

~略~
柔道整復師に施術を受けた患者さんなのですが、半年くらい過ぎたあと健康保険組合から調査票を受けることがありまして、何月何日にどこの部分の施術を受けましたか?と。
記録が無いので忘れてしまってほおっておきますと、また、期間内に回答しないと全額負担になります、とか質問に答えないと会社の人事に通知しますと、いような連絡がきてとまどうケースがあると。
こうしたことは、施術をした、した側に聞けばいいのに、どうしてこっちにくるのだという、何か不正でも巻き込まれているじゃないか、という不安があるそうなのですが、こうした行き過ぎた患者調査としてはどうして起こるのでしょうか。厚生労働省としてどんな改善策があるのかお教えください。

 

A.厚生労働省鈴木保険局長の回答

~略~
中には疑義となる保険請求もありますことから患者調査を行っております。
~略~
患者調査にあたっては患者の方々にご負担かけないように行うということが非常に重要だというように思っておりまして、もしご指摘の事例が事実であれば、行き過ぎた内容であるように思っております。指導すべきであるというように考えています。
今後とも引き続き、健康保険組合が実施する患者調査が適切なものになるように指導していきたいと思っております。

 

 

数年前に既に国会で話題になるほど整骨院の利用調査(保険請求に関することですが)。現時点で更に状況が進んでいると思われます。繰り返しになりますがこのNHKの報道は不正請求が認められたのではなく、調査を始めたに過ぎないことを、いっています。そしてその調査には利用者も含まれると。

 

保険適応だときいて整骨院を利用したものの、あとで保険は使えないので保険負担分を整骨院から請求された、という事例がネットに出ています。
整骨院を利用する側にもきちんとした知識を知らないと、何かしらの処罰がくだるあるいはデメリットが生じるのではないでしょうか


整骨院を保険のきくマッサージ店だと認識している人は多いのですが、保険という公費を使う以上、利用者側にも責任が問われます。
まして協会けんぽの保険に加入している場合、社員の給与から天引きされた資金で運営しています。法的罰則がなくとも企業側からどのような目で見られるか。
不正請求をする整骨院や柔道整復師が悪い、という状況から、保険がきくような状況ではないのに整骨院を利用して不正請求を誘発するような行為はやめてもらう、という利用者にまで注意の目が及ぶようになってきたのではないでしょうか。

 

甲野 功

 

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