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~地域散策 ギンレイホール~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 ギンレイホール
飯田橋ギンレイホール

 

みなさんは名画座というものをご存知でしょうか?

 

名画座とは、主に旧作映画を主体に上映する映画館の総称である(ウィキペディアより)。そう新作ではなく、上映が終わったあとの旧作映画を上映する映画館です。よって新宿のバルト9は名画座には入りません。基本的に旧作しか上映しないのが名画座です。


新作ではないため名画座は料金が安く設定させていることが多く、設備も小さなものが多いです。どちらかというとマニア向けの映画館と言えるでしょう。

 

今回紹介するのは、私の母校東京理科大学神楽坂校舎からすぐ、飯田橋駅すぐそばにある名画座、ギンレイホールです。

 

飯田橋ギンレイホール

名画座は施設の老朽化もあり数を減らしています。調べると東京、神奈川に集中していて全国的にも数は少なくなっています。その中でも未だに残っている貴重な名画座のひとつがギンレイホール。当院からは歩くと結構ありますが、神楽坂観光と考えると足を運べる距離にあります。昭和の匂いを感じさせる雰囲気を持っています。

 

私はかつて映画鑑賞が趣味でした。それもほぼ邦画。ハリウッド映画やインド映画、ヨーロッパ作品はあまり見ませんでした。昔から邦画が好きでした。

表現が過去形なのは今はほとんど映画館に足を運ぶことがありません。ましてこの新型コロナウィルス流行では厳しいものがあります。


今から10年以上前、鍼灸マッサージ専門学校生(東京医療専門学校)だった頃は本当に邦画中心に映画を見ていました。もちろん映画館で。多いときは週に4本くらい。ある時は一日で3本見ることもありました。

気になる作品は封切りでも見ましたが、各名画座によく足を運びました。名画座は基本2作品同時上映です。1枚のチケットで2作品、ときには3作品見ることができるお得なもの。行ったことはありませんがオールナイト企画で3~5本夜通しぶっ続けで上映することもありました。


当時は専門学校に通う学生でしたから学割がききました。あの頃、1100円で一度に2作品。週2回名画座に通えば4本見ることができました。専門学校時代のよい思い出です。

 

これから紹介する飯田橋のギンレイホールから始まり、池袋の新文芸坐、早稲田松竹、目黒シネマ、シネマヴェーラ渋谷、新橋文化劇場、三軒茶屋シネマ、横浜のシネマ・ジャック&ベティなどをまわりました。この中には今は閉館してしまった名画座も。
大体は規模が小さく古い建物。上映作品もあまり知られていないものが多々ありました。気軽に行けるため、知名度のない作品にも挑戦することができ、予想を遥かに超えた素晴らしい作品に出会えたときは、本当に得した気持ちになったものです。

 

今や2時間じっと座ってスマホも確認できないという体験はとても贅沢な時間です。本当はもっと映画館で映画を見たいのですが、子どもがもっと大きくならないと実現できそうにありません。まして世間が落ち着かないことには。

 

それくらい映画鑑賞にはまっていた時期がありました。そのきっかけを作ったのがギンレイホールでした。もう何年も行っていませんがいつかはまた通いたいと願う場所。そのギンレイホールと私の思い出を。

 

私が初めてギンレイホールの存在を認識したのは大学生の頃。東京理科大学に通い、近くに映画館があることは知っていました。どちらかというと当時ギンレイホールの地下にあった成人向け映画館のインパクトが強くて、近づいてはいけないエリアという印象がありました。そのため大学生の頃は一切ギンレイホールと接点はありませんでした。

 

初めてギンレイホールに行ったのは「下妻物語」(2004、中島哲也監督)を見たいと思ったからでした。

 

下妻物語 パッケージ
下妻物語 パッケージ


下妻物語とは深田恭子さん・土屋アンナさん主演のゴシックロリータをテーマにしたコメディ作品。名前の通り茨城県下妻市を舞台にしています。「Kamikaze Girls」の名称で世界的にも有名な作品です。


人づてにとにかくこの作品が面白いと聞いていて、調べたらギンレイホールで公開しているではないか、これは行ってみようと思ったのです。上映スケジュールを調べると2004年の12月のことでした。

 

そこで下妻物語にはまった、のではなく、同時上映で見た作品に衝撃を受けました。それが「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004、行定勲監督)でした。

 

世界の中心で、愛をさけぶ ポスター
世界の中心で、愛をさけぶ ポスター


大沢たかおさん・柴咲コウさん主演というクレジットでしたが、主人公大沢たかおさんの高校生時代を森山未來さん、その彼女を長澤まさみさんが務めて、過去と現在の2つの時間軸で話が進みます。まだ有名ではなかった新人時代の森山未來さん、長澤まさみさんの演技に度肝を抜かれたのでした。

 

特に長澤まさみさんは圧倒的で映画女優の素晴らしさを初めて知りました。当時16歳くらいの女子高生が、役のために頭をスキンヘッドにしたのです。かつらではなく本当に。圧倒的な存在感を放っていました。


長澤まさみさんはその年の日本アカデミー賞で最優秀助演女優賞を当時史上最年少で獲得します。前年に新人賞をもらっており、この作品で一躍トップ女優に躍り出るのです。日本アカデミー賞は利権争いの場できちんと評価していないという声もありますが、同じくノミネートされた故樹木希林さんを押さえての受賞は納得でした。

 

ギンレイホールでたまたま見た「世界の中心で、愛をさけぶ」から邦画の魅力を知った私は専門学校時代に複数の名画座を巡りました。ロードショーも見ましたが効率の良い名画座をまわることが多かったですね。国家試験を終えて、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師免許を取得すると映画を見に行く時間はほぼ無くなり、映画鑑賞は過去の趣味になりました。また子どもの手が離れて映画をみる余裕ができたら名画座へ、ギンレイホールへ行ったみたいものです。

 

ギンレイホールのホームページに掲載してある過去の上映スケジュールから、ギンレイホールで見たと記憶している作品を挙げてみました。
「解夏」、「ジョゼと虎と魚たち」、「フライ,ダディ,フライ」、「嫌われ松子の一生」、「ALWAYS 三丁目の夕日」、「博士の愛した数式」。10年前のことで他の映画館で見た記憶と混同しているかもしれませんが。あの数年間は日々上映スケジュールをチェックしてこれは見に行かなければ、と構えていました。懐かしい思い出です。

 

令和の今も残っている飯田橋ギンレイホール。新型コロナウィルスの流行で厳しいと予想しています。何とか踏ん張ってもらいたいものです。このような文章を書いていたらまた行きたくなりました。環境が落ち着いたら久しぶりにギンレイホールへ足を運んでみようと思っています。

 

甲野 功

 

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