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~役割があること~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 幼い長女と
幼い長女と。鍼灸マッサージ院の院長と父親と、複数の役割がある。

 

全国に緊急事態宣言が出されて多くの人が将来に不安を感じていることでしょう。


仕事ができない。収入がない。そういった状況の人が大多数ではないでしょうか。
そのため政府や自治体が給付金を出す方向で進んでいます。その金額、方法が二転三転していますが、現金・物資ともに国民に補助が出るのは間違いないようです。

 

そこで、お金の心配が無くなれば不安や不満は解消されるのでしょうか


私はそう思いません。仕事や学業が満足に再開できない、趣味に全力で打ち込めない、という状況であればきっと新たな不満が生じて社会はギスギスしたものになると予想しています。

 

 

末期がん患者さんの苦痛について、いくつか種類があると言われています。
身体的苦痛。そのまま癌性疼痛と言われる体が病気に侵され生じる痛み、苦しみ。
精神的苦痛。死ぬかもしれない、もう治らないかもしれない、といった恐怖、不安からくる苦痛。
そして社会的苦痛です。これは主に人間関係に関する悩みによるものです。仕事ができず会社に悪いことをした。家族の世話ができなくて申し訳ない。私のために貴重な医療資源を使ってしまうのはよいことなのだろうか。こういった社会や人間関係に対しての苦痛です。
これら3つの苦痛に加えてスピリチュアルペイン(霊的な苦痛)を合わせてトータルペイン(全人的苦痛)と定義する場合があります。

 

この社会的苦痛というものがあるのはおそらく生物の中で人間だけだと考えます。家族構成を持つ動物もいますが、ここまではっきりと社会的苦痛を感じるのかは疑問です。

 


全世界に新型コロナウィルスが流行し、非常に危険な状況になっています。経済的な不安はもちろんあって政府の支援が必要なことは間違いありません。ただ経済的な不安が解消されたとしても仕事や学校、あるいは交友関係、趣味が元に戻らないと、社会的苦痛に近いものが現れるのではないでしょうか

 

生きていくために仕事をする人もいるのは確かです。しかしながら、決して少なくない数の人は仕事が自己表現であったり、存在意義になっていたり、社会との接点であったりすることでしょう


ある人は他人にはできない技能に磨きをかけてそれをサービスとして提供する。
ある人は使命感に燃え社会を守るために働く。
ある人は自己満足の極みに作品やコンテンツを生み出し他者を感動させる。


そのような職業、仕事を通して自己の存在を肯定している人は多いのではないでしょうか。

 

誰でもできる仕事とバカにされても、「どうもありがとうございます。」と言われて心が救われる。
世間の目は届かず感謝されることなどないが、「自分がやらなければ社会インフラが崩壊する」という使命感で日々働いている。
好きで始めた音楽だけど、自分の演奏や作品を心待ちにしているファンがいるから活動を続ける。


例としてこれらのような気持ちで仕事をしている人は存在するでしょう。お金がもらえればそれでいい、とはならない

 

猛烈に仕事ばかりしていたサラリーマンが定年退職したとたん、急激に老け込んだり、意欲がなくなったり、配偶者との仲が険悪になったりするという話がありますが、それは大きな社会的な存在意義を失ったことに関係すると思われます。

 

家庭内についても同様です。
専業主婦として家事育児に専念し頑張ってきた母親。子どもが成長し独立していくと、気持ちがふさぎ込みうつ状態に陥る。空の巣症候群といわれる状態です。その母親にとって子どもを育てて家庭を円滑に進めることが役割で、それが終了したことで大きな喪失感に襲われるということです。

 

子どもや学生にしても同様でしょう。
勉強ができることでクラスのみんなから一目置かれていた子。運動神経が抜群で体育や運動会の花形だった子。部活動に情熱を注ぎチームを引っ張ってきた選手。学校や部活動と言ったコミュニティが途絶えてしまい、遣り甲斐や立場を失ってしまう。オンライン授業やタブレット学習で済ませてね、となっても満足できない。

 

諸々の自粛要請はこのような遣り甲斐や役割、はたまた存在意義や居場所までも奪う可能性があります。仕事ができない、学校に行けない、趣味の活動ができない、ということは社会的苦痛に繋がると考えています。そのため例え金銭的な不安が解消されたとしても社会全体が不安定なままだと思うわけです。

 

自分自身のことを顧みると、結構元気なのです。体調が悪くない
その理由は役割があって、しかも一つではないからだと分析しています。

 

まず社会的には鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師であり、現在の状況では休業要請から除外された鍼灸院・マッサージ院を運営しています。3月に比べれば4月現在で来院される患者さんの数は激減していますが、最大限の感染症予防をしながらも院を開けている状況です。仕事は奪われていません。社会的役割があります。


そして自営業であるため仕事は自ら生み出します。指示をしてくれる上司はいませんから、自分でやることを探して取り組んでいます。この状況でできることを探して考えて能動的に動いています。

 

加えて父親の立場と役割があります。
二人の娘にとって私はお父さんです。保育園も小学校も行かず自宅待機している子ども達の世話をします。家事もします。時にパソコン学習をみて、家の前で一緒に遊んで、寝かしつけて。洗濯、風呂掃除、ゴミを出す、買い物。


また息子という立場もあります。両親と同居しているので、娘にとっては父親でも両親から見れば私は息子。高齢になった両親のパソコン操作が分からないので教えてほしいという依頼、天井の電球を交換できないなどのサポート、といったことをしなければなりません。
家族の中でも役割と仕事があるのです。

 

仕事と家庭。どちらにも自分の能力を発揮できる役割があることが精神的な安定を生んでいると思っています。

 

確かにこのままの売上でいったら厳しい状況になる、子どもの学習をどうすればいいのか、などの不安、不満はあります。だとしても役割があることは大きな助けになっています。

 

外出や行動が大きく制限されている環境では<自分を活かせる役割があること>がとても大切だと感じています。

 

甲野 功

 

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