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~新宿区の新型コロナウィルス対策~

オトナンサー より
オトナンサー記事より

 

日本では、一度落ち着いた新型コロナウィルス感染者数がここ一週間で猛烈な勢いで増加してきました。緊急事態宣言下よりも数は多いという。人口の多い東京都はその数が突出しております。

 

その東京都において、私が暮らす新宿区は感染者数が特に増大しており「夜の街」と称された歌舞伎町を筆頭とする繫華街での感染が連日報道されています。「夜の街」とは一体どこを指すのかという指摘があり、一度「社交飲食店」という名称に変えると発表しましたが不適切ということで「接待を伴う飲食店」にまた戻りました。

 

具体的なことで言えば、ホストクラブ、ナイトクラブ、キャバクラといった場所を指すことになるのです。そういった店舗が多数集まっているのが東京新宿区にある歌舞伎町。連日の報道や東京都知事の発言により、歌舞伎町が新型コロナウィルス感染の温床になっているというイメージがついてきたと言えるでしょう

 

東京都知事に名指しされた「夜の街」と新宿区。


歌舞伎町は新宿区のごく一部のエリアですが、遠方の人からすると一つの「新宿区」で括られてしまうことでしょう。北海道に行ったことがない私には札幌も長万部も小樽も同じ「北海道」と思ってしまいますが、実際の距離はとても離れていて別世界だと思います。何より東京都庁だって新宿区にあり、歌舞伎町とは歩いて10分ほどの距離です。都知事が会見している場所とご近所なのです。新宿区に関係が薄い人には別世界のように感じるかもしれませんが。

 

新宿区がどのような新型コロナウィルス対策をしているのか

東京都庁のお膝元でもあるわけで、東京都も他人事ではないはず。私は生まれてからずっと新宿区民ですので新宿区はどのようなことをしているのか気になっていました。

 

最近話題になったことで、新宿区が新型コロナウィルスに感染した区民に10万円の見舞金を支払う、というニュース。これにより歌舞伎町のホスト達が10万円の見舞金欲しさに検査を受けて、あまつさえわざと感染しているのではないか、という疑惑が生まれました。感染しても(検査で陽性反応が出たとしても)症状が無い、あるいはとても軽いということが多いと言われているので、わざと感染してもおかしくないのかな、と私もちょっと思いました。

 

そういった疑問を新宿区にぶつけた取材記事が出ました。

 

オトナンサー 2020.7.17
感染した方が得? 新宿区の見舞金10万円支給、ネット上で否定的意見も…区の見解は?

 

こちらを読むと色々と誤解が解けました。

 

 

オトナンサー 記事より1
オトナンサー 記事より2
オトナンサー 記事より3
オトナンサー 記事より

 

 

 

一部を抜粋します。



Q.なぜ、新型コロナウイルスの感染者に対し、10万円を支給するのでしょうか。

 

担当者「もともとは、区内在住の医療従事者や、高齢者施設や障害者施設などの社会福祉施設で働く人に対する経済的な支援を想定して始めました。区内には複数の大学病院を含め多くの医療機関があり、医療従事者が新型コロナウイルスへの対応に尽力しているほか、福祉関係者は施設利用者が新型コロナウイルスに感染しないよう、注意しながら業務を続けています。

 

こうした人たちは、自身も常に感染リスクにさらされており、感染によっていつ生活が困窮してもおかしくない状況に置かれているといえます。そこで、見舞金を通じて少しでもお役に立ちたいと考えました。もちろん、医療従事者や福祉関係者以外の人にも見舞金を支給します」

 

このように新型コロナウィルス感染者への見舞金は医療従事者や社会福祉施設で働く新宿区民を対象に始めた制度だと分かります。


新宿区民の私は実感できますが、新宿区には医師、看護師と多くの医療従事者や病院関係者が住んでいます。患者さんや子どもの保護者などでよく出会います。新宿区は東京女子医科大学、東京医科大学、慶応大学と3つの大学病院があります。他にも国立国際医療研究センターや国立感染症研究所など研究機関もあります。
それらに勤務する医療従事者や福祉施設関係者に向けて始めた制度が10万円の見舞金だということです。

 

受給要件については諸々の制限があり、急遽新宿区に住所を移して見舞金を貰おうというのはできません。

 


Q.見舞金が支給される条件は。7月以前に感染した人は支給の対象外となるのでしょうか。

 

担当者「新型コロナウイルスに感染し、『新型コロナウイルス感染症発生届』が医療機関から保健所に届けられている上で、(1)東京都に緊急事態宣言が発令された2020年4月7日時点で新宿区に住民登録がある(2)同年4月21日までに住民基本台帳に記録する届け出がなされている(3)発生届の届け出日に住民基本台帳に記録されている――の3つの条件をすべて満たす必要があります。

 

なお、1月27日以降に感染した人が対象で、軽症や無症状であっても支給されます」

 

Q.見舞金が支給されるまでの手続きはどのようにして行われるのでしょうか。

 

担当者「先述の新型コロナウイルス感染症発生届を基に保健所が感染者の情報を取りまとめており、7月中にも区から対象者に見舞金の申請書を送る予定です。

ただし、新宿区以外の医療機関で陽性判定が出た場合、新宿区内の保健所に情報が通知されないため申請書が送られません。そのため、区外の医療機関で感染が判明した区民は当課の『見舞金担当』まで一度問い合わせる必要があります。見舞金の給付は8月以降を予定しています」

 

これを見ると新宿区外に住んで歌舞伎町に通っている従業員はそもそも対象外になります。「歌舞伎町の住人」と言いますが、全員が新宿区に居を構えているということはないでしょう。


わざと感染しているのではないかと疑惑についても、新宿区は明確な回答があります。


Q.ネット上では「わざと感染する人が出てきそう」「感染した方が得をするのか」「見舞金として使うお金を医療従事者に配るべき」などの意見も目立ちます。その点についてはどのように考えているのでしょうか。

 

担当者「わざと感染するなど、モラルの問題については特に想定していませんでした。ただ、新型コロナウイルスに感染すると、入院や隔離などで日常生活に支障が出る上、重症化するリスクもあるほか、家族や知人に感染させる可能性もあります。そのため、10万円を得るためにわざと感染しようと考える人はあまりいないのではないでしょうか。

 

また、4月7日時点で新宿区に住民登録がないと支給の対象とならないため、見舞金の制度を悪用して得をするのは困難だと思います。なお、医療従事者に対しては、先ほども申し上げたように、この見舞金を通じて支援していきたいと考えております」

 

わざと感染して見舞金の受給を受けるという考えは想定していなかったようですが、受給要件が厳しいのと本当に感染したら割が合わないということで悪用はできないと判断しています。
確かに新型コロナウィルスに感染したと分かったら大きな不利益を被るわけです。例え症状が出ないとしても他者との隔離、周囲の人々の検査、仕事の休業となるのです。人によるでしょうがそれらの不利益に対して10万円では微々たるものだと感じます。
若いホストが見舞金欲しさに検査をしているというは動機が薄いと思いました。

 

 

ホスト側の事情を詳しく説明した記事がありました。パリ在住の作家、辻仁成氏が主宰するサイトです。

 

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ザ・インタビュー「31字に込められたホストたちのコロナ対策」

 

designstories より
designstories より

 

 

新宿歌舞伎町でホストクラブを運営し、自身もホストである手塚マキ氏に辻氏がインタビューをしたものです。ここには報道されない新宿区とホストの協力関係が明かされています

 

手塚氏はこう話ます。

5月末に東京都が6月1日から自粛解除に向けてステップ1、2、3というのを発表したんですね。ステップによって自粛解除をしていくというものなのですが、そのステップ1、2、3にホストクラブが入ってなかったんですよ。だから、いつから営業再開できるという目処が立てられなくて、それで、6月1日からどこのホストクラブもキャバクラも営業再開しました。中には5月も営業している店があって、キャバ嬢とホストに感染者が出ていたようなんですけど、休業要請の状況で感染者が出てもどこの店で働いているかや、濃厚接触者も答えてくれなかったらしいんです。でも、保健所や行政からすると、営業する、しないの強制力はもともとないので、感染経路を追えないことが一番の問題でもありました。それで、僕のところに新宿区長から電話があって、そういう現状があることを説明され、区長曰く、「自分はホストとか、ホストクラブのことがよくわからないから、一度相談させて欲しい」と言われて、6月2日に区長に会いに行ってきました

 

新宿区長が調査のために手塚氏と6月2日に会っていたのですね。インタビューをした辻氏も驚いていましたが、新宿区民の私も驚きました。

 

手塚氏の説明が続きます。



区長はそこで、「我々は新宿区民の健康を第一に考えている、取り締まることが我々の役目ではないし、補償のない中で、やめろとも言えない。ただ、感染拡大、2次感染を封じ込めていくことがとても大切だ」とおっしゃられて、さらに「都知事やマスコミが『夜の街、夜の街』と連呼するけれども、我々は決して敵ではないので一緒に現実的な落とし所を模索しましょう」とも言われました。ただ、僕としてはそれを業界内に伝えたところでその時は都知事の発言が続いていたので、みんな行政というものは一括りに自分たちを除外する人間だと思って信じてはくれないだろうな、と思ったのです。ならば、「それを直接区長自身の言葉でホストなどの事業者たちに言っていただけませんか」と頼みました。「僕が区役所にできるだけ多くの関係者、実力者を連れていけるよう努力するので、区長が今話してくれたことを直接彼らにぶつけて話してください」とお願いして、それを区長が受け入れてくれたので、翌日の6月3日と4日の夕方に時間を空けてもらって、事業者を20人ずつくらい連れて行きました。

 

合計40名もの関係者が新宿区長と会って話をしていたのでした。こういった話は表に出てこないなと思いました。

 


その話し合いの結果、一人でも陽性者が出たら、保健所に連絡をして、集団検査を受けるという流れが整いました。区長を信頼したので、その後、率先して集団検査をやることになります。そうしたら、意外に陽性者がたくさん出て、数字が増えていったんですね。

 

このようにホストと新宿区に信頼関係が生まれて集団検査をすることで陽性患者数が増えたという結果に。

 


だから、6月の初旬は他の地域では減っているのに、なぜか新宿区だけが増えていくという状況になってしまったわけです。これだけ出るならやっぱり問題あるよねって僕たちも思ったんですけど、理由はわからなくて。区長と話し合いも、もっと続けたいということになり、1時間でも、30分でもいいから、時間を見つけて話し合いを継続していこうということになりました。感染症というのは一人ひとりの意識の問題だから、一人でも多くの人の感染症への意識を上げていくことが大事なわけで。その流れがあって、ホストクラブだけでなく、他のキャバクラや飲食店とかも含めて、6月18日に「新宿区繁華街新型コロナ対策連絡会」というのを立ち上げました。その後も小さな勉強会のようなものを続けていて、感染者が減らない状況がなぜか、について皆で考えました。クラスターを出した店のオーナーだとか、厚労省の人が来たり、感染症研究所の人が来て、状況を説明してなぜクラスターが起こったのかというのを検証するために店を見学したりもして、原因究明をしていったわけですね。だから、新しい感染者が出ている事に対して当事者たちもびびってるし、どうにかして出さないように、と気をつけようと勉強していたわけです。ところがです。ただ、そうやって行政に協力していくことが風潮としては裏目に出ることになっていきます。ぼくらが積極的に検査を受け、その発表にも協力するから、夜の街ばかりが浮き彫りになってしまったのです。当然、歌舞伎町の関係者たちの中では「誠意をもって、こうやって協力したことがマイナスになった」という空気が生まれることになるわけです。

 

検査に協力し、情報を提供することで統計上では歌舞伎町の繁華街での感染者数が増えるという事実が残ります。そのため立場を悪くなるという逆効果になるということでした。

 

続くインタビューでは対策をする店舗の実情が語られています。
店側もバカではないので予防対策をしています。バカ騒ぎをするイメージがあるようですが、そうではないと言います。更に水商売の存在意義や、言葉を紡ぐことができないためホスト側から発信することができない現状などが語られていきます。後半の水商売とは、ホストクラブとは、といった私からは縁遠い世界のことを冷静に的確に解説しているインタビュー内容にも考えされました。歌舞伎町がある理由のようなものが少し分かったような気がします。


是非サイトのインタビュー記事に目を通してみてください。

 

 

このように新型コロナウィルス感染に対して、新宿区がどのように行っているかを知る機会になりました。毎日報道に出てくる東京都知事では存在が大きすぎる気がして少々他人事に感じてしまいますが、新宿区長だと一気に身近に感じます。何より歩いてもさほど苦労しないでたどり着く位置にある歌舞伎町のこと。そのそばには東京都庁が控えています。私が住む近隣には大学病院に国立の研究所、福祉施設などが多数あります。


ある意味で最前線の現場である東京都新宿区がこの100年ぶりの感染症にどのような対応しているのか。知っておくことは新宿区民として、新宿区で仕事をする者として必要なことだと考えています。

 

甲野 功

 

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