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~灸の話 紫雲膏灸を体験~

紫雲膏灸のイメージ 有山先生より
紫雲膏灸のイメージ 有山先生より

 

先日は鍼灸マッサージサロンなごみにて紫雲膏灸を受けてきました。お灸を探索する月として行動していますが、同じ灸に分類されるネパール棒灸とは大きく異なったものでした。

 

まず紫雲膏について説明しましょう。


紫雲膏とは主に火傷に用いる漢方の軟膏です。一般用医薬品にあたります。

材料に豚脂が使われるため中華料理のような匂いがします。お灸をする灸師にはお馴染みのもので、皮膚に直接のせるお灸をして軽い火傷ができたときに跡に塗って早く皮膚を回復させる場合に用います。反対に最初から皮膚に紫雲膏を塗ってその上から艾(もぐさ。ヨモギの葉を乾燥させて精製したもの)を置いてお灸をすることがあります。

 

紫雲膏灸はとても簡単に説明すると
紫雲膏を皮膚に塗り、その上に直接お灸をするやり方
ということになります。


このやり方は私もたまに使いますし、鍼灸専門学校で習いました。

固有名詞としての「紫雲膏灸」となるともっと複雑な技術や理論が入ってくるようです。
鍼灸マッサージサロンなごみの有山先生が習った越石先生の鍼灸院ホームページから紫雲膏灸の解説を見てみましょう。

 

越石鍼灸院ホームページ 紫雲膏灸とは

 

越石鍼灸院ホームページより
越石鍼灸院ホームページより

 

抜粋。

 


昨今、熱くなく痕にならない灸法として日本や世界で広がり始めている紫雲膏灸は、故安藤譲一先生(元埼玉県鍼灸師会会長・元日本鍼灸理療専門学校副会長・藍綬褒章受章・紫綬褒章受章)が漢方薬の軟膏である紫雲膏を、お灸の熱を和らげる緩衝材として日本で初めて活用し、そのお弟子さん達が始めた灸法です。当院院長:越石まつ江もそのひとりです。

 

紫雲膏灸は安藤譲一先生が始めたものとなります。その後、越石先生が独自の改良を加えたようです。ホームページにはこのようにあります。

 


越石式灸法とは・・・
特殊配合した軟膏を土台とし、熱さを調節しています。熱さを調整しているので痕になりません。
熱くなくても体表のセンサーが働き、症状に適した温度により十分なお灸の効果が得られ、症状を軽減したり快方に導きます。経験と実績が必要なプロのお灸になります。

 

私に施術をした有山先生は越石先生のやり方を学んだので越石式灸法になるかもしれません。


あじさい鍼灸マッサージ治療院 有山先生
有山先生

 

 

更に有山先生は越石先生にはないマッサージを組み込んで技術体系をしております。有山先生は自ら軟膏を作成しており、豚脂を使用していないため匂いがない軟膏(潤肌膏というそうです)を使っております。よって厳密には紫雲膏を塗っているわけではありません。

有山先生の施術は潤肌膏を用いた越石式灸法に手技(マッサージ)を加えたやり方なのですが、施術方針が模索中ということで源流となる灸技術の「紫雲膏灸」と称しているとのことでした。

 

ここからは実際に体験したことと有山先生の解説を踏まえて書いていきます。

 

お灸をされたのは背中、腰のみでした。他の部位は温めていましたが紫雲膏(軟膏)の上に艾を乗せる特徴的なやり方をしたのは背面だけ。有山先生のお話ですと、当日私は仕事があり患者さんに入る予定でしたのでお腹の方に敢えてお灸をしなかったそうです


画像は有山先生から掲載許可を得たもので、私の背中ではありません

こちらを見て分かるように、一度にたくさんの艾を皮膚の上に置いていくようです。

 

紫雲膏灸のイメージ 有山先生より
紫雲膏灸のイメージ 有山先生より

 

 

これらの艾に線香で火をつけていきます。

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 直接灸の様子
直接灸の様子(あじさい鍼灸マッサージ治療院のもの)

 

 

紫雲膏灸の凄さは、これだけのお灸をしながら多壮灸糸状灸を使い分けていること。多壮灸は艾が燃え終わったら同じ場所に重ねていくもの。基本は3壮重ねていくそうです(お灸は個数を何壮と数えます)。症状によっては奇数で5壮、7壮と据えることも。糸状灸はまさに糸のように細く艾を捻ったお灸です。

男女の違いや体つき、皮膚の状態などから艾の大きさ(=刺激量)を一つ一つ調節しているのです。有山先生は2種類の艾を使用し、艾の捻り方を変えて硬いもの柔らかいものと調整を加えています(※硬く捻ると熱く、柔らかく捻ると熱が弱くなります)。


私が体験したときは310壮もしたといいます。それだけ艾を捻りおいて(据えて)線香で点火していったのです。想像するだけでも凄いことです。

 

紫雲膏灸というくらいですから紫雲膏(軟膏)を塗っていきますが、その量も調整すると有山先生は言います。つまり紫雲膏とお灸で刺激量を細かく調整できるということです。

 

さらにお灸に火を点けるテンポや消す方法にも技術があるそうです。糸状灸は一分消し三分消しはさみ消しといった異なった消し方があります。エネルギーが足りない体質(虚証)ではゆっくりとお灸をしていくとのこと。消し方によって効果が変わることは学校で習いましたし、ある程度は私も実践できますが、ここまで精密にする方法は知りませんでした。まさにプロの職人技という感じ。

 

受けた感触としては、艾を捻って直接皮膚にのせて線香で点火する直接灸特有の瞬間的な熱さを感じません。ジュっと瞬間的に熱がくる感じが無かったのです。背中で感覚が鈍く見ることができないのでそう感じたのかもしれませんが、どの部分にお灸をされているのかよく分かりませんでした。このことは「直接灸は熱くて当然、熱くなければ効果が無い」と習った私には結構意外なことでした。直接灸なのにほんのり温かい感覚。

 

 

灸技術を追求した先にある感じがする紫雲膏灸

これだけ艾を捻って据えるやり方を他に知りません。鍼灸師になってから10年以上経ちますがまだまだ知らないことばかりです。これまでお灸の追求をあまりしてこなかったので紫雲膏灸を体験したことをきっかけに直接灸をより研究、練習しようと思っています。

 

甲野 功

 

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