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~リラクゼーション業で国内上場はできない~

日刊SPA!記事より
日刊SPA!記事より

 

 

先日、ウェブサイト『月刊SPA!』に出ていた記事を知り、色々な意味で大変驚きました。

Re.Ra.Ku 社長が語る上場企業の作り方「世界で勝てるグローバル企業は4分野」

 

まず記事冒頭の文言です。

米国ナスダックに新規上場

リラクゼーション業で国内上場はできない――。

 

素直に驚きました。「リラクゼーション業は国内上場できない」ということに

 

本記事はリラクゼーションスタジオRe.Ra.Ku を経営する株式会社メディロム江口康二社長のインタビューなのですが大いに考えさせられるものでした。半分くらい呆れましたが。

株式会社メディロムはアメリカのナスダックに新規上場を果たしたのですが、それは国内上場ができないからという理由によるもの。本当にそのようなことがあるのか?と私は驚きました。記事を読むとこのように説明されています。

 

江口:一口で言うと、業態がグレーゾーンと判断されたからです。2006年から2013年にかけて東京証券取引所引受部の方から問題点を教えてもらいました。昭和22年に施行された、「あはき法(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師などに関する法律)」という法律の第一条に「医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。」とあります。

 

リラクゼーション業という業態が怪しいから東京証券取引所に上場を拒否されたと理解する内容です。その根拠はいわゆるあはき法あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師などに関する法律)に抵触するからというものである。シンプルと言えばシンプルな理由です。

ここだけを読むと東京証券取引所はあん摩マッサージ指圧師免許がない人間がマッサージ行為を行っているのは違法性があるから上場は認めませんよ、と解釈しているように取れます。

他にグレーゾーンとして上場を認められなかった業態として消費者金融を挙げています。消費者金融が上場できなかったのを全体業界団体により自主規制を進めて上場できたということ例に、リラクゼーション業協会を作成したといいます。

 

江口:はい。たとえば、同様の扱いを受けた例として、消費者金融業です。当初グレーゾーンでしたが何社か上場しました。消費者金融業は全体業界団体が存在して、自主規制を進めたことから、上場できたと聞いています。

 

馬渕:なるほど。業界団体ですか。

 

江口:そこで我々が上場するには、まず自主規制団体を作り、業界の整理が必要だろうという話になりました。そこで、2007年から一般社団法人リラクゼーション業協会を立ち上げ、グレーゾーンからの脱却と、消費者が安全に受けられる施術とは何かを徹底的に体系化することにしました。

 

しかし東京証券取引所は厚生労働省への文書回答を求めるように指示し、厚生労働省は回答を出さなかったと。

 

馬渕:こうして東証に再度掛け合って上場を果たし…

 

江口:いえ、それがダメだったんですよ。

 

馬渕:上場できなかった。何がダメだったんですか?

 

江口:今度は厚生労働省からの文書回答をもらってくださいとの返答でした。企業としても、個人としても、業界団体産業団体としても陳情はしましたけど、回答はなかったのです。内閣府、総務省も行きました。省庁間を3年間ぐらい回り続けました。

 

この事実に驚きを隠せません。厚生労働省に内閣府、総務省まで。無視されたということでしょうか。

しかしインタビュー内容を読むとこの政府側の対応に納得できるような気がします。何を思っているのかマッサージはグレーゾーンだと主張するのです。重複する個所がありますが抜粋します。

 

マッサージはグレーな業態?

 

馬渕:業界の地位向上のために、最初から上場を目指していたそうですね。

 

江口:Re.Ra.Ku の創業は2000年です。当時のリラクゼーション産業の地位はひどいものでした。グレーゾーンと言われており、職業分類すらもなかった。業界の社会的地位を向上させたいという思いもあり、上場を目指していました。

 

馬渕:そんなリラクですが、日本での上場を目指していたものの、上場はできなかったそうですね。なぜでしょうか。

 

江口:一口で言うと、業態がグレーゾーンと判断されたからです。2006年から2013年にかけて東京証券取引所引受部の方から問題点を教えてもらいました。昭和22年に施行された、「あはき法(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師などに関する法律)」という法律の第一条に「医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。」とあります。しかし、問題はその「マッサージとはなにか?」というのが定義されてないんですよ。

 

馬渕:マッサージの定義がわからない?

 

江口:そう。マッサージの定義がないので、リラクゼーションという業態自体グレーゾーン扱いされてしまったんです。

 

この内容はひどいです。あん摩マッサージ指圧師という厚生労働省管轄の国家資格免許を持つ私には理解しがたいものです。

 

まず学術的にも技術的にもマッサージ(おそらくあん摩、指圧も含めての表現として使っていると予想)は定義があります。だいたい定義されない技術を医療系国家資格にすることはありません。それは厚生労働省も無視しますよ、と思います。しかもあはき法の存在を認識した上で発言しています。編集上、途中のやり取りを省いたのかもしれませんが無知と言わざるを得ない。

 

グレーゾーンなのはリラクゼーションであってマッサージではありません。あはき法違反とも言える状態を堂々と押し通してしている可能性を指摘されていると考えられます。あん摩マッサージ指圧師免許を持たないのにマッサージ行為をしていてい、マッサージに定義がないからグレーゾーンだと論点をすり替えています。なお厚生労働省が回答したという定義が以下のサイトに出ています。

 

薬事法ドットコム 薬事法ルール集

リフレクソロジー等が「あはき法」に言う「マッサージ」に該当し違法と扱われる基準

 

 

薬事法ドットコム 薬事法ルール集より
薬事法ドットコム 薬事法ルール集より

 

 

 

厚生労働省の見解

 

医政医発第1118001号の疑義照会において、あん摩マッサージ指圧の手技について厚生労働省は「施術者の体重をかけて対象者が痛みを感じるほどの相当程度の強さをもって行うなど、あん摩マッサージ指圧師が行わなければ人体に危害を及ぼす、又は及ぼすおそれのある行為については同条のあん摩マッサージ指圧に該当する」

 

これによれば危険を伴うような手技は違法になると言えるでしょう。

大きな矛盾はインタビュー冒頭で世界進出の鍵は生命科学だと語り、ヘルスケアに言及しアメリカでは治療法の多様性について触れているにも関わらず、医療系の国家資格を取り利用者の安全面を考慮していないことです。言うなれば医療行為をしたいけれど医師免許は取りません、医療はグレーゾーンですからね、と言っているような。

 

私は個人的な見解として完全に慰安目的のリラクゼーションにはあん摩マッサージ指圧師免許が無くてもいいかと思います。ただあたかも健康や治療といった医療分野もできます、しますという態度に疑問があるのです。それならば最低限医療系国家資格免許を取得される必要があると思います。専門用語でいう医療類似行為というにあたり、それを無免許で禁止する法律があります。法制面について詳しく言及したブログがあり解説されています。

 

びんぼっちゃま ブログ

リラクゼーション業のRe.Ra.Kuを運営する株式会社メディロム( $MRM )は、日本ではコンプライアンス上の問題で上場できず、米国で上場した。犯罪業務なのだから国内で上場できないのは当然である。

 

リラクゼーション業が違法かどうかは司法の判断になりますので深く言及しませんが、東京証券取引所及び厚生労働省が認めないのはその矛盾なのかと推測します。

リラクゼーションに慰安以上の医療類似行為を盛り込もうとしており、しかし国家資格免許を持たずそれを行おうとしているという。国内上場を認めないという国の判断があることを知り、驚きと納得があります。

 

なおリラクゼーション協会がある政治家に献金をして立場を自らの立場をよくしようと行動し、その政治家が国会でそのことを追及されたという報道を知った上での感想です。政治的な駆け引きや裏の事情がある可能性はありますが、リラクゼーション業界出身の現役あん摩マッサージ指圧師としての率直な感想でした。

 

参考

しんぶん赤旗

茂木経済再生相に国政私物化疑惑 リラクゼーション業協会を支援 献金・パー券で資金受ける

 

日本共産党 衆議院議員 塩川鉄也

【内閣委員会】茂木氏疑惑/団体との癒着を批判

 

甲野 功

 

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