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~プロセス・エコノミー~

けんすうnote 「プロセス・エコノミー」が来そうな予感です より
けんすうnote 「プロセス・エコノミー」が来そうな予感です より

 

 

プロセス・エコノミーという言葉をご存知でしょうか。今年流行る、トレンドになる、と一部で注目されています。プロセス・エコノミーとは「けんすう」という方が提唱した概念です。

 

けんすうnote

「プロセス・エコノミー」が来そうな予感です

 

こちらを読めば一から十まで分かってしまって話が終わるのですが、私の解釈を踏まえてプロセス・エコノミーを紹介します。

 

けんすう氏はこのブログで

プロセス・エコノミーは完全に僕の造語なのですが、プロセス・エコノミーとは「プロセスを共有するところがお金を稼ぐメインとなる」みたいな形のイメージです。

とプロセス・エコノミーを説明しています。

 

時代背景、現在の状況を踏まえて概念を説明しこれから期待できる経済スタイルになりそうだとしています。けんすう氏は主にクリエイター寄りの考えで話を展開します。彼は00:00 Studio(フォーゼロスタジオ)という「クリエイターが、作業中を淡々とライブ配信するサービス」を運営しています。

 

00:00 Studio

 

 

00:00STUDIO より
00:00STUDIO

 

 

プロセス・エコノミーは完成した成果物(商品、製品、サービス、作品など)を売ってお金を得る従来のスタイルから、作るまでの課程も販売して売っていくことができるのではというものです。

 

そもそも人はプロセス自体が好きです。人でも物でも。

 

その人がどのような人生を歩んできたのか。その人のルーツはどこなのか。オリンピックで日本人がメダルを取ればほぼ間違いなくその選手の過去、親とのこと、コーチや友人たちのことを掘り下げて特集を組みます。NHKのファミリーヒストリーはその人のルーツを調べる番組で人気があるから続いています。

 

ヒット商品が出ればその制作秘話が話題になります。画期的なサービスが生まれればその背景や誕生過程を追います。最近では「シン・エヴァンゲリオン」の庵野監督に密着したNHKのプロフェッショナルが反響を呼びました。映画「シン・エヴァンゲリオン」がどのように作られたのか、庵野監督はどう考えて立ち振る舞ったのかに注目しました。

 

物語にしてもそうです。大ヒットマンガ「ワンピース」では主人公ルフィの活躍も人気がありますが、その前の世代で過去編であるロジャーの冒険も大人気です。ロジャーの行動が現代のルフィに繋がるからです。世界レベルでいえば「ワンピース」以上に人気があると言われる少年マンガ「NARUTO」でも、過去回想編を長く割いています。

 

素晴らしい作品、人物、製品、サービスなどには答え合わせをするかのようにその過去、過程、ルーツといったプロセスを知りたくなるものです。

 

そして既にそのプロセスを売ってきたコンテンツはあります。最近ですとNizi Projectでしょう。オーディションをドキュメントとして追いかけてデビューするまでを放送しています。古くはASAYANというオーディション番組から現在も続くモーニング娘。が誕生しました。制作過程をエンターテイメントにするやり方は今も昔もあります。これもプロセス・エコノミーと言えるでしょう。

 

最初に書いたとおりけんすう氏はクリエイター寄りの立場でnoteの文章を書いています。

例えばマンガ。描いても当たるかどうかは分かりません。ヒットして印税が入ってアシスタントを雇えるようになって、、、と成功する前に資金が尽きてしまってはいけません。かと言ってバイトばかりしていたらマンガを描く時間が削られる。それならばマンガを描いている姿を配信してそれを売ったり交流したりすることで制作過程から売上があがるようにする。また交流することで寂しさが和らいだり、完成後に読者になってもらえる可能性が高まったりというメリットが生まれると。テレビ番組のような大掛かりなものが無くともツールの発達により簡単に配信することができた今だからこそのもの。

 

確かに、と頷けます。長女はよくYouTubeで塗り絵やイラストを描く動画を見ます。これもだいたい最初あるいはサムネイル(動画の表紙にあたるもの)で完成品をあげ、どのように作っていったか(塗っていった、描いていった)を編集して見せているものです。プロの技術や手順はそれだけでも参考になるので需要がありそうです。

 

ただそうなると大きな問題がネタバレ。特に物語があるものは先に終わりやオチが判明してしまう恐れが出てきます。

 

例えば「シン・エヴァンゲリオン」の制作過程をリアルタイムで配信したらどうでしょう。おそらく凄い数のファンが固唾を飲んで視ると思います。声優さんのNGシーンとか庵野監督の演出を知りたいという人はたくさんいるでしょう。そして先に結末が分かった状態で改めて映画館にファンが足を運ぶのか?という疑問です。

26年に渡って作られてきたエヴァンゲリオン。その最終作として封切りされた「シン・エヴァンゲリオン」。驚くほどネタバレしないように映画を観たファンは情報を出しませんでした。きっと次に観る人に配慮したことでしょう。ネタバレした作品をわざわざお金を払って観に行くのか、という問題がプロセス・エコノミーにははらんでいるでしょう。

 

しかしネタバレしても大丈夫という実例が生まれました。ご存知「鬼滅の刃 無限列車編」です。この文章を書いている時点で興行収入396億円を記録し異次元の400億円が間近に迫っています。以前書きましたが映画「鬼滅の刃 無限列車編」はマンガ原作の一部をほぼ忠実にアニメ化したものです。第1期テレビアニメの続編です。鬼滅の刃ファンはほぼ話を知っている状況なのです。映画オリジナルストーリーではありません。はっきり言えば最後に煉獄さんが死ぬと知って映画館に行っているのです(完全に前情報なしに観に行って驚いたという人もいるようですが)。それでも空前絶後の大ヒット。これは何度もリピートして観ている人が多いからとも言えます。私も子どもを連れて行ったこともあり二度観ました。

現在公開中の「シン・エヴァンゲリオン」も凄いのですが興行収入の伸び方では「鬼滅の刃 無限列車編」には歯が立ちません(当時の上映環境の違いもあるので一概に比較することは不毛ですが。鬼滅の刃のときは全スクリーン全時間帯を鬼滅の刃上映にあてたところが多かったのです。)。

 

別の例で言うと何かと物議を醸した映画「えんとつ町のプペル」です。原作者で総指揮の西野氏はテレビ番組で映画の落ちをずっと話していました。最後に星が見えます、と。これは絵本が原作でストーリーはばれているし、人は確認作業にお金を払うという考えをもとに行動しているわけです。

 

ネタバレでも大丈夫。むしろネタバレしているからヒットするという例ができました。これは不安定な現代(VUCAの時代など言われます)だからこそとも考えられます。

 

不況・不景気に加えて新型コロナウィルス流行で確実によいものを選ぶ傾向が強くなりました。冒険できない。せっかくお金と時間を掛けるなら失敗するのは嫌だ。このような心理が強くなります。そして評判が広まりやすく、考察系2次作品(作品を考察したブログや動画など)が作りやすくなった時代は判断材料が増えているのでなおさらです。

 

ネタバレ問題なしとなればプロセス・エコノミーは加速して普及するものと思われます。例えば演劇。脚本制作からキャストのオーディション、本読み、舞台稽古とその過程を配信して売り上げをあげる。そうすれば制作費を抑えなくて済む、劇団員もバイトしなくて済むということになるかもしれません。また過程を見てきたから完成した劇がどうなったのか確かめたくて劇場に足を運ぶ人が増える可能性も出てくるのです。クライマックスでヒロインが泣くシーン、いつも練習で上手くいっていなかったけど本番はきちんとできるの?みたいな気持ちで。

けんすう氏のブログにもある通りコミュニケーションはコンテンツ力が非常に高いのです。作品を観に来る消費者よりも子どもの学芸会を見守る親の方が結びつきが強いわけです。ネタバレの懸念を取り払ったときにこのプロセス・エコノミーは一気に広がるように思います。既に一部では形になって実績を出していますし。

 

一部でトレンドになると言われるプロセス・エコノミー。私はある程度広まる概念ではないかと考えています。そしてこのプロセス・エコノミーをヒントに助かる人が出てくるのではないかと。

 

甲野 功

 

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