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~厚労省が出した「医業類似行為業等に関する指導」について~

 

 

先月の3月15日付で厚生労働省医政局が各都道府県、保健所を設置する市、特別区の衛生担当部(局)に向けて「医業類似行為業等に関する指導について」と題する通知を出しました。国民への危害発生を防止するため医業類似行為に関する指導を徹底するよう通知するものです。

 

医政医発0315第1号 令和3年3月15日 医業類似行為業等に関する指導について

 

 

医政医発0315第1号令和3年3月15日 医業類似行為等に関する指導について1
医政医発0315第1号令和3年3月15日 医業類似行為等に関する指導について2
医政医発0315第1号令和3年3月15日 医業類似行為等に関する指導について

 

 

本文を抜粋します。

 

医政医発0315第1号

令和3年3月15日

 

医業類似行為業等に関する指導について

 

医業類似行為に対する取扱いについては、「医業類似行為に対する取扱いについて」(平成3年6月28日医事第 58号本職通知)において、御了知いただくとともに、「医業類似行為業に関する指導について」(平成26年医政医発0207第1号)や「医業類似行為業に関する指導について」(平成28年医政医発0209第2号)、「医業類似行為に関する指導について」(平成29年医政医発0711第1号)において、医業類似行為に関する指導の徹底をお願いしているところですが、当課に対し、健康被害が生じた相談が相当数ある旨報告されており、公衆衛生上看過できない状況であります

また、総務省行政評価局が行った調査「消費者事故対策に関する行政評価・監視-医業類似行為等による事故の対策を中心として-」の結果報告書においては、医業類似行為による健康被害及びエステサロン等における無資格者による医療行為について、都道府県、保健所を設置する市及び特別区に対し、関係法令に基づく指導の権限を示した上で、事業者等に対する必要な指導の徹底を行うよう厚生労働省に要請されているところです

これらの行為による国民への危害発生を防止するべく、下記のとおり、再度周知徹底することとしたので、その趣旨及び内容について十分御了知の上、関係者、関係団体等に対し、その周知徹底を図るとともに、その運用に遺漏のないようお願い申し上げます。

 

 

第1 医業類似行為に対する取扱いについて

 

(1)無資格者が医業類似行為を行った場合の取扱い

医業類似行為については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師又は柔道整復師の免許を受けた者(以下、「あん摩マッサージ指圧師等」という)を除くほか、何人も医業類似行為を業としてはならず、その違反に対しては罰則を定めている。免許を有しない者による医業類似行為の施術が、医学的観点から人体に危害を及ぼすおそれがあれば、禁止処罰の対象となるものであることから、保健所等関係機関とも連携し、その指導を徹底されたい。

 

(2)有資格者による医業類似行為の施術によって健康被害が生じたおそれがある場合の取扱い

免許を有する者による医療類似行為の施術によって健康被害が生じた場合は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第8条及び柔道整復師法(昭和45年法律第19号)第18条の規定の「衛生上害が生じるおそれがある場合」に該当し、行政指導の対象となることから、その旨御了知いただき、健康被害の相談があった場合は、必要に応じて事実確認の上、医療機関での治療が必要となっている事案については重点的に指導するなど、改めてその対応を徹底されたい。

 

第2 エステサロン等における無資格者による医療行為について

 

「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」(平成13年11月8日医政医発第105号)で示したとおり、医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生ずるおそれのある行為については、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条違反に該当する。違反行為に関する情報に接した際には、行為の速やかな停止を勧告するなど必要な指導を行うほか、指導を行っても改善がみられないなど、悪質な場合においては、刑事訴訟法第239条の規定に基づく告発を念頭におきつつ、警察と適切な連携を図られたい

 

この通知には大きく2つ指導内容を示しており、医業類似行為に対して無資格医療行為についてです。

 

まず表題にありこの通知で重要な位置にある「医業類似行為」とは何でしょうか。厚生労働省のホームページにあります。

 

厚生労働省ホームページ ○医業類似行為に対する取扱いについて

 

 

厚生労働省ホームページ 医業類似行為に対する取扱いについて
厚生労働省ホームページ 医業類似行為に対する取扱いについて

 

 

 

○医業類似行為に対する取扱いについて

(平成三年六月二八日)

(医事第五八号)

 

(各都道府県衛生担当部(局)長あて厚生省健康政策局医事課長通知)

近時、多様な形態の医業類似行為又はこれと紛らわしい行為が見られるが、これらの行為に対する取扱いについては左記のとおりとするので、御了知いただくとともに、関係方面に対する周知・指導方よろしくお願いする。

1 医業類似行為に対する取扱いについて

 

(1) あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復について

医業類似行為のうち、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第十二条及び柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第十五条により、それぞれあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師の免許を有する者でなければこれを行ってはならないものであるので、無免許で業としてこれらの行為を行ったものは、それぞれあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第十三条の五及び柔道整復師法第二十六条により処罰の対象になるものであること。

 

(2) あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復以外の医業類似行為について

あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復以外の医業類似行為については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第十二条の二により同法公布の際引き続き三か月以上医業類似行為を業としていた者で、届出をした者でなければこれを行ってはならないものであること。したがって、これらの届出をしていない者については、昭和三十五年三月三十日付け医発第二四七号の一厚生省医務局長通知で示したとおり、当該医業類似行為の施術が医学的観点から人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止処罰の対象となるものであること。

 

2 いわゆるカイロプラクティック療法に対する取扱いについて

近時、カイロプラクティックと称して多様な療法を行う者が増加してきているが、カイロプラクティック療法については、従来よりその有効性や危険性が明らかでなかったため、当省に「脊椎原性疾患の施術に関する医学的研究」のための研究会を設けて検討を行ってきたところである。今般、同研究会より別添のとおり報告書がとりまとめられたが、同報告においては、カイロプラクティック療法の医学的効果についての科学的評価は未だ定まっておらず、今後とも検討が必要であるとの認識を示す一方で、同療法による事故を未然に防止するために必要な事項を指摘している。

こうした報告内容を踏まえ、今後のカイロプラクティック療法に対する取扱いについては、以下のとおりとする。

 

(1) 禁忌対象疾患の認識

カイロプラクティック療法の対象とすることが適当でない疾患としては、一般には腫瘍性、出血性、感染性疾患、リュウマチ、筋萎縮性疾患、心疾患等とされているが、このほか徒手調整の手技によって症状を悪化しうる頻度の高い疾患、例えば、椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、環軸椎亜脱臼、不安定脊椎、側彎症、二分脊椎症、脊椎すべり症などと明確な診断がなされているものについては、カイロプラクティック療法の対象とすることは適当ではないこと。

 

(2) 一部の危険な手技の禁止

カイロプラクティック療法の手技には様々なものがあり、中には危険な手技が含まれているが、とりわけ頚椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きいため、こうした危険の高い行為は禁止する必要があること

 

(3) 適切な医療受療の遅延防止

長期間あるいは頻回のカイロプラクティック療法による施術によっても症状が増悪する場合はもとより、腰痛等の症状が軽減、消失しない場合には、滞在的に器質的疾患を有している可能性があるので、施術を中止して速やかに医療機関において精査を受けること。

 

(4) 誇大広告の規制

カイロプラクティック療法に関して行われている誇大広告、とりわけがんの治癒等医学的有効性をうたった広告については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第十二条の二第二項において準用する第七条第一項又は医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第六十九条第一項に基づく規制の対象となるものであること。

 

別添 略

 

データが平成3年つまり30年前のものでありますので情報が古いのですが、医業類似行為とはあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師が行う施術の事であるということです。

解釈が分かれるのですが、“医療の限定解除”と称される「本来医師しか行うことが認められていない医療を、厚生労働省が管轄する免許において一部限定して行うことを認めている」という考えのもとに、先に挙げたあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の4つの資格免許者が行う施術を医業類似行為と定義しています。この4つの資格は開業権が認められており、いわば医師の判断無しに施術を行うことができます(全ての疾患が適応されるわけではもちろんなく、禁忌といって扱ってはいけないものが定められています)。4つの資格免許を持たない者が施術を行ってはいけないと釘を刺しています

 

しかし無資格の者が行ったとしても「医学的観点から人体に危害を及ぼすおそれがあれば」という条件がに当てはまらなかった場合は不問にする、という立ち位置がみてとれます。これは昭和35年のHS式無熱高周波療法に関する裁判において最高裁の破棄差し戻し判決を根拠にしているのでしょう。これは人体に危害を及ぼさなければ無資格でもOKともとれる判断で、この曖昧さが30年後も影響しているのです。

 

また後半はカイロプラクティックを名指しで警告しています。カイロプラクティックはアメリカでは医療系国家資格で主に脊椎の調整を行うテクニックなのですが、日本では民間資格に留まり極端な話誰でもできて名乗れてしまうのです。ここではかなり細かく注意事項が記載されており、特に「頚椎のスラスト法」と具体的な手技を出して警告しています。

 

 

本題の「医業類似行為業等に関する指導について」という通知に戻ると、医業類似行為に関するトラブルが多数報告されているので保健所らに注意喚起と指導徹底をしなさいと言っているわけです。

 

本文のなかには

総務省行政評価局が行った調査「消費者事故対策に関する行政評価・監視-医業類似行為等による事故の対策を中心として-」の結果報告書においては、医業類似行為による健康被害及びエステサロン等における無資格者による医療行為について、都道府県、保健所を設置する市及び特別区に対し、関係法令に基づく指導の権限を示した上で、事業者等に対する必要な指導の徹底を行うよう厚生労働省に要請されているところです。

とあり、総務省から厚生労働省へ指導徹底の要請が出ていることが伺えます。

では総務省行政評価局が行った調査とはどのようなものでしょうか。

 

総務省ホームページ 消費者事故対策に関する行政評価・監視 -医業類似行為等による事故の対策を中心として-<結果に基づく勧告>

 

総務省では、消費者の安全・安心を図る観点から、医業類似行為(注)等による事故に対する関係府省における被害防止対策の実施状況、都道府県等における取組状況等を調査し、その結果を踏まえて関係機関に勧告を行いました。

 

1.総務大臣から消費者庁長官に勧告

保健所、警察機関及び消防機関が受け付けた健康被害情報を含む苦情、相談及び救急搬送を通じて得られた情報が、消費者庁に通知されていないという実態がみられたことから、通知制度の意義等の周知徹底などの取組を消費者庁に求めました。

 

2.総務大臣から厚生労働大臣に勧告

保健所では、受け付けた医業類似行為による健康被害等に関する相談に対して、多くは事実確認を行わず、関係機関の案内のみ実施している実態がみられたことから、都道府県等に対し、関係法令に基づく指導の権限を示した上で、事業者等に対する必要な指導の徹底を要請するよう厚生労働省に求めました。

 

(注) 医業類似行為には、「あん摩マッサージ指圧」や「柔道整復」といった国家資格が必要な施術のほか、これら以外の手技、温熱等による療術行為であって人体に危害を及ぼすおそれのあるものが含まれる。

このようになっています。

報告書自体が92ページになる資料で深く触れるのはまた別の機会にします。とても大まかに言えば、

・総務省は、医業類似行為に関する健康被害が多数でているのであるがその実態を消費者庁に届いていないので改善するように求める

・厚生労働省に対して防止策を講じるように求める

といった内容です。

 

 

総務省ホームページより 消費者事故対策に関する行政評価・監視 結果(ポイント)
総務省ホームページより 結果(ポイント)

 

 

この総務省から厚生労働省への勧告を受けて、今回紹介している「医業類似行為業等に関する指導について」を厚生労働省が各現場に通達したということです。

 

総務省の調査ではエステサロンの報告が出ているため、<エステサロン等における無資格者による医療行為について>と名指しで項目を作っています。ここでは医業類似行為ではなく「無資格による医療行為」と表記しています。

エステサロンは美容を目的としているので原則人体に危害を及ぼすおそれはないと思うのですが、これは医師が行う医療行為に抵触するおそれがあることを言っているようです。

 

 

さてこの「医業類似行為業等に関する指導について」という通達。この内容を知って意外に思いました。はたして保健所が無資格者の医業類似行為を取り締まることができるのか?ということに。

まず法律で先に挙げた4つの国家資格を持たない者が医業類似行為をすることを禁止しているにもかかわらず、『医学的観点から人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止処罰の対象となるものであること』つまり<医学的観点から人体に危害を及ばさなければ禁止処罰の対象とは外れる>と解釈できてしまうのです。今更何を指導するのだろうかと。

 

我々は店舗開業するときに開設届という書類を保健所に提出し氏名、住所、年齢、資格などの情報を明示し保健所職員の立ち合い検査を受けた上で始めています。所轄の保健所にはデータベースとして入っています。

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 開設届
実際の当院の開設届

 

 

無資格の場合開設届はありませんから保健所には店舗情報が無いはずなのです。そうなると被害届が出てから指導に行くということになるでしょう。

そして『医学的観点から人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止処罰の対象となるものであること』と“おそれがある”という曖昧な表現で実際に指導することはできるのか?という疑問です。極端な話どのようなことでも人体に危害を及ぼすおそれはあると思います。むしろ人体に危害を及ぼすおそれがあるから資格免許にしているではないのか?という話で。堂々巡りになりますが。

 

ということは実際に危害が及んだ事例が無ければ保健所は動かないと思います。その結果、健康被害が増えて総務省の調査したところ不備があることが分かったという。だから厚生労働省に指導を徹底しなさいと総務省はいい、厚生労働省は現場の保健所に通達を出してと巡っている感じが否めません。現状では未然に防ぐということはシステム上不可能だと思うのですがそれを通達している。

 

 

もう一つエステサロンの「無資格による医療行為」に関することです。脱毛行為等と具体的に医師以外が行うのは危険だという行為を指摘していますが、過去にタトゥーに関する裁判で無罪判決が出ています。タトゥーを入れることは感染症に関して非常に人体に危害を及ぼす可能性があり、医療行為に非常に近いと思われるのですが文化的背景などから医師免許無しにタトゥーを入れることを認める判断となりました。

タトゥーが大丈夫でエステサロンがダメというのは無理があるのではと思います。法の判断によるのでしょうが、それならばエステティシャンは全員医師免許を持たなければならないのか?という問題になるのではないでしょうか。

 

 

今回の通達に実効性があるのかは大いに疑問であるのですが、総務省、厚生労働省が健康被害に対して動いていることは分かりました。一番大切なことは消費者たる一般の方に健康被害が起きないように未然に防ぐ策を講じることだと考えます。

 

あらゆることでコンプライアンスが厳しくなっている今、行政がどのように動くかをしっかりと見ていき、当事者として対応していきます。

 

甲野 功

 

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