開院時間
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
上野恩賜公園のネタが最近多いですね。子どもの頃は上野恩賜公園と言えば動物園。上野動物園の印象しかありませんでした。小学校高学年になり子ども達だけで動物園に行くようになると、不忍池にも注目が行くようになります。露店で食べ物を買って池を眺めながら食べるのが楽しかったです。また小学校の課外活動で博物館や美術館、科学技術館を巡り学術方面にも意識するように。
ただ不思議なもので高校生の終わりくらいから神社やお寺、仏教芸術などに興味が出てきたのですが上野には一切その意識が向きませんでした。鎌倉、日光、浅草といった有名観光地のお寺や神社にたくさん行きましたが上野にはそういう場所がないと決めつけていたところがありました。寛永寺という有名なお寺があったはずですが今の寛永寺は上野の端っこに少し残っている感じ。浅草寺のように中心に堂々とあるわけではありません。そのせいか大人になってからの上野はターミナル駅、アメ横をはじめとした買い物の場所、美術館や博物館、子どもを連れて遊びにいくところ、でした。
ここ数年改めて上野を神社やお寺の視点で散策すると興味深い場所の宝庫であることが分かりました。知らなかった、見過ごしていた場所ばかり。日本史においても重要な土地ですから当然なのでしょうが。明治維新の際に戦争で焼け野原になってしまったことと近代的に再開発した結果、歴史的建造物が目立たなくなったのかもしれません。上野の近代西洋建築は世界文化遺産に登録されていますが、お寺や神社はそうではありません。先に挙げた鎌倉、日光、浅草とは異なり主役を交代した(交代できた)場所なのかもしれません。
さて本題です。今回は以前紹介した花園稲荷神社の隣にある神社、五條天神社を紹介します。正直なところ小さくて目立たずあまり知られていないであろう神社です。神社のホームページが見つからないので神社特集サイトとウィキペディアのURLをいれておきます。
主祭神は大己貴命(おおなむじのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)。少彦名命は医・薬祖神とされているので私の仕事とは少なからず関係があります。そして新型コロナウィルスに対するワクチンや特効薬の開発が進む現代には薬祖神は非常に大切ではないでしょうか。二柱の主祭神に加えて相殿神として菅原道真公が祀られており、これはなかなか興味深いです。
由緒によれば、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征のおりに大己貴命と少彦名命を上野忍が岡に祀ったものとされます。上野忍が岡に鎮座するのは忍岡稲荷(穴稲荷)で現在は花園稲荷神社の境内にあります。江戸時代には東都七天神の一つと言われ、寛永18年(1641年)、菅原道真公の像がなくてはと天海が開眼供養を修して合祀されたとか。
細かくみると場所は転々とし他の神社と同一視された経緯があるようです。現在の五條天神社は不忍池のすぐそばにあります。隣にある花園稲荷神社とセットのような感じです。訪れてみると気づいたら境内に入っていたという。拝殿は比較的大きくしっかりとしています。私が訪れた時期は茅の輪がありました。
上野恩賜公園は元々寛永寺の境内。神仏習合で神社とお寺が一体化していた時期があり共存していたのでしょう。近代に入り神仏分離となった後も上野で神社は残っていました。境内は小さく目立ちませんがしっかりと上野の地に根付いている五條天神社。現在の上野は明治以降の近代建築や商業が目立つ地域。しかしその前から何百年も土地に根付いてきた神社の一つ。上野恩賜公園を訪れたら、探してみて花園稲荷神社と一緒に参拝してみましょう。
甲野 功
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