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~キッズユーチューバーへの懸念~

ニューズウィーク日本版より
ニューズウィーク日本版ほり 親に利用され、ネットでは批判の的になる「未成年YouTuber」たち

 

 

先週の金曜日に気になる記事がニューズウィーク日本版に出ました。

 

ニューズウィーク日本版 11月5日配信

親に利用され、ネットでは批判の的になる「未成年YouTuber」たち

 

この記事は未成年ユーチューバーが親の金銭目的のために被害を被った事例を挙げて、未成年ユーチューバーが置かれている現状や対策について書いてあります。この記事にあるように現在収入世界一のユーチューバーはライアン・カジという9歳の子供。また調査結果によると子供が出てくる動画は他よりも3倍の再生回数を記録するそうです。

 

本記事より抜粋

親がわが子を披露する画像や動画は、ソーシャルメディアの定番コンテンツだ。世論調査会社ピュー・リサーチセンターが2019年に発表した調査結果によると、13歳未満と思われる子供が出てくる動画は、ほかの動画の3倍の再生回数を記録するという。

 

「ライアンズ・ワールド」というYouTubeチャンネルで大人気のライアン・カジはまだ9歳。しかし、フォーブス誌によれば、20年のユーチューバー収入ランキングで3年連続のトップを守り、推定で2950万ドル稼いだ。

 

直接的な表現をすれば、子供のYouTubeチャンネルは儲かる、ということを意味しています。親が子供の動画を投稿して収入を得る。その際に過剰な演出をして子供を傷つける、あるいは出役の子供に危険が及ぶということが問題になっています。

 

この事実を私は以前からずっと懸念していました。いわゆるキッズユーチューバーと言われる子供達の将来はどうなるのだろうかと

 

うちの子達は、おそらく他の家庭と変わらず、YouTubeをよく視ています。物心ついたときからYouTubeは身近にありました。親の立場としてはそれが気になることもままありますが、社会環境を考慮するとある程度仕方ないことだと思っています。

私が小学校の頃に任天堂からファミリーコンピューター(ファミコン)が発売されて大ブームになりました。当時多くの小学生(もちろんそれより年上の人も)は夢中になってファミコンをしたものでした。数多くの問題が生じましたが、やることで話題が生まれる、友達同士のコミュニケーションになる、ルールやマナーが生まれた、といった新しい文化のようなものが生まれました。

私と同世代の方ならだいたい経験したと思いますが、大ヒットした『ドラゴンクエストⅡ』では“ふっかつのじゅもん”と呼ばれる膨大なひらがなが羅列したコードをメモしておかないと、再びプレーすることができませんでした。それはランダムな文字列で意味が有る文章にはなっていません。ドラゴンクエストⅡを終えるたびにその文字列を一言一句書き止め、再び始めるときはいちいち入力しないといけません。一文字でも間違うと続きができなくなるので正確にメモする、再度読み直して誤記がないか確認する、という作業が必要でした。この経験がしっかりと文字を読む、見直す、という試験対策の基礎を身につけさせたといえます。

 

また親の常識や、親の幼少期の状況を根拠に話をしてもしょうがないわけです。私の場合、父親は戦前生まれで幼少期は満州にいて、帰国してから多摩の方に疎開、学校では天皇陛下は神様だと習いました。そして終戦、戦後の食糧難を生き残った小学生時代。そのときの話を聞いてもさっぱり見当がつきません。母親も昔は赤坂でも富士山が見えて、サトウキビが生えていたのよと言いますが想像もつきません。

それらと同じで我が子にYouTubeばかり視るなというのは無理があると思っています。

ただキッズユーチューバー、特に未就学児から小学校低学年の子ども達が出演しているチャンネルに関しては注意します。

 

うちの子がYouTubeを見だしたのは保育園の頃から。同じ年の頃、あるいは少し上の子供達が、おもちゃで遊んだりレジャー施設にお出かけしたりする映像は、素直に視ていて楽しいのでしょう。またオススメとして延々と類似動画が出てくるので次々と視ていきます。テレビ地上波の番組のように今週の会は終わり、また来週ということはありません。

そのチャンネルでどう見ても未就学児、小学校にあがる前の子供が登場しているもの、あるいは小学校低学年から中学年くらいのもの、で本当に好きでYouTubeをしているのか?と疑問に思うものがありました。ただカメラの前で無邪気に遊んでいるだけでしょう。自分の姿が全世界に公開されているという実感はないのではないでしょうか。将来どれくらい影響を及ぼすのかも。

 

私は子役タレントや子供の内から社会に対して活動する人を批判する気はありません。『博士ちゃん』というテレビ番組ではある分野に非常に精通した子供達が出てきて大人顔負けの知識や研究結果を発表しています。

キッズユーチューバーで気になるのが、自分の意思も定まっていないのに出演しているのでは?(あるいは親が出しているのでは)はということ。自らやってみたいという意志のもと劇団やプロダクションに入って訓練を積み、テレビや雑誌、舞台といったプロの世界に出ていくのは構わないのです。たとえ親が強引にやらせたことがきっかけだとしても。出る場はプロが作る世界で最低限のクオリティーや運営が守られているであろう舞台(そうでないケースがあることも知っていますが)。やる気なく適当にやっていたらいずれ居場所が無くなる場所。そこに自らの意思で子供が出ていくのはいいのです。

 

とても幼い子供が親、あるいは周囲の大人の都合でYouTubeに出演して知らぬ間に大人の都合に振り回されていないかという懸念があるのです。小学校高学年くらいになり、自分を表現したい、自己実現のための手段として、純粋にやってみたい、などの能動的な動機から始めるのは出演するのはいいのです。

本当に何が何だか分からないまま親に言われてこの子達はYouTubeチャンネルに出ていないかな?という懸念。そしてこの子達は守られているのかという。

 

YouTubeはまだまだ新しい媒体。ユーチューバーの事務所はありますが長年やってきた芸能事務所のようなノウハウがありません。キッズユーチューバー達が思春期になり、成人していったらどうなるのかはまだまだ分かっていません。

最初に紹介した記事にもありますが、3歳のときの動画を13歳になって恥ずかしいから消したいと願っても手遅れだと。出回った動画を完全に消し去ることは実質不可能だといいます。

 

既存のメディアであれば過去の歴史からどのような問題が起きたかの蓄積である程度未然に子供のプライバシーを守る機構があると思われますし、コンテンツ化する際に抑制がかかります。それが主に個人が作成するYouTubeではどうなるでしょうか。記事にあったようにやらせや過激な精神的ストレスを与えるといった、再生数を狙った演出を強いられる場合があるのではないでしょうか。それも仕事だとプロ意識が芽生えている子供は構わないと思いますが(社会通念上許される範囲で)、幼過ぎて理解できないような年齢であれば危険だと思います。

 

私が特にこのように考えてしまうのは自身が自営業だからでもあります。自営業は自分で仕事を生んで利益を出さないといけないので、物事を見た時に営利面がすぐに頭が動きます。

うちの子が視ているキッズYouTubeチャンネルには、これは親にやらされているなと感じるもの、いわゆる企業案件で特定の商品を扱っているなとわかるもの、撮影のために施設を貸切にしているなというもの、が出てきます。子供たちが純粋に楽しんでいるように見せかけて商品や施設を紹介しているなと。受け答えやカット割りから演出を強いているなと。そのように感じ取れてしまいます。

 

ユーチューバーが悪いと言っているわけではありません。仕事としてやっている人はプロの自覚を持っているでしょう。ただ出ている幼い子供達はどうなのだろうかと。大量のお菓子に囲まれたり、本来他のお客さんもいるはずの施設を自分たちだけで遊んでいたりする環境をどう捉えるのだろうと。もっと普通に遊びたいと思っていないのかなと、子を育てる親としてはそう見てしまいます。

 

うちの子たちがよく見ていたキッズユーチューバーのチャンネル。見始めてから5年くらい経っているでしょうか。視ている方も5年で成長しますし、出ている子供達も5年成長します。そのチャンネルを最近見ないねとうちの子に聞くと「もう楽しそうにしていないからつまんないの」と返事が。もうそこそこ大きくなったかつてのキッズユーチューバーは確かに前よりつまらなそうに(事務的に)動画に出ていました。何かもう辞めることができず動画投稿を続けているように見えてしまいました。

 

つい数年前には存在しなかったキッズユーチューバー。5年後、10年後がどうなっているでしょうか。

 

甲野 功

 

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