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~灸法臨床研究会のセミナーを担当しました~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 灸法臨床研究会SNS活用セミナー
灸法臨床研究会「鍼灸院におけるSNSの活用」セミナーを担当しました

 

 

去る日曜日、1月16日に灸法臨床研究会のオンラインセミナーにて講師を担当しました。

灸法臨床研究会とはお灸の名手、深谷伊三郎先生が考案した深谷灸法の勉強会を開催している学術技術団体です。

 

灸法臨床研究会

 

トップページより抜粋

本研究会は深谷灸法の勉強会を定期的に開催し、昭和の名灸師と呼ばれた深谷先生の著書を読み解きながら、取穴テクニックと施灸テクニック両方のスキルを磨いていくことを目的としています。また、棒灸や竹の輪灸など、透熱灸以外の施灸テクニックの講習会も不定期で開催しています。

 

基本的には鍼灸師・鍼灸学生の方を中心とした講習会ですが、灸をしてみたいというお灸ファンの一般の方も歓迎いたします。

 

灸法臨床研究会とは全く関りが無かったのですが、私の母校である東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科(以下、教員養成科と表記)の繋がりでお話を頂きました。私が毎年冬に関東鍼灸専門学校副校長である内原拓宗先生と教員養成科2年生を対象とした特別授業をしています。その内容が“鍼灸師のSNS活用”について。その関係から教員養成科の学内イベントがあったときに、鍼灸院経営のSNS活用について話をしてくれないかというお声がけをいただきました。昨年2月にきっかけが生まれて、そのあと正式に灸法臨床研究会からオファーを受け開催日が決定したのですが、新型コロナ感染拡大により延期に。改めて年明け1月に行うことが決定したのでした。

 

当初は墨田区の江島杉山神社で行う予定だったのですが、オミクロン株による再感染拡大によりリモート開催に変更になりました。

江島杉山神社は江戸時代に生きた盲目の鍼師杉山和一検校を祀る神社。鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師には聖地とも言える場所なのです。過去に私は長女とお参りにいったことがあります。その江島杉山神社で話ができることは大変光栄なことで、残念ながらそれは叶いませんでした。リモート開催になったことを含めて、その準備から当日の様子を書いていきます。

 

セミナーのテーマは「鍼灸院経営におけるSNSの活用」。

 

深谷灸法の技術を伝える団体にはとても合わないテーマではないでしょうか。私は意外に感じました。こういう内容は好きではなさそうかなと。ただこの内容を依頼するというのは時代の変化があり、避けて通れないことになっていることなのかもしれないと思いもしました。

 

母校の教員養成科でも私が在学時代には開業支援の授業がありましたが、SNS、広報やマーケティングに関する内容は無かったです。5年前、内原先生に付いていって勢いで始まった(まさに)特別授業。その後も続くとは初年時は思っていませんでした。それが毎年継続し、今回の灸法臨床研究会のオファーに繋がったのでしょう。その背景を踏まえて教員養成科で話している内容を中心に発表資料を作ることにしました。期待されていることはこれなのだろうと。

 

教員養成科の特別授業は毎回資料を作り直します。前年のもので流用する部分はあるのですが、内容が社会状況に大きく影響を受けるので1年の間に起きた特徴的な出来事をピックアップして構成を変えていきます。5年前の当時と2021年では環境が変わっています。コロナ禍もありますし、ガイドラインの制定、社会問題、ツールの発達など影響を及ぼす要因が多々あるわけです。

今回の灸法臨床研究会で用いる資料も当然それ用に作り込むことにしました。昨年11月に教員養成科用に作った資料をそのまま使うわけにはいきません。2ヵ月程度でも状況は変わります。各種関連する事件報道、ニュースも見た上で内容を考えます。

 

もう一つ教員養成科授業と異なることが、セミナーの時間です。

教員養成科の方は90分授業の半分を与えられるので45分、正味40分くらいを想定して資料を作ります。灸法臨床研究会では2時間(120分)もらっていて質疑応答時間を残すとしても2倍以上の時間です。母校で90分授業を経験していますが120分は経験がありません。自院で行う(私が主宰する)セミナーなら6時間くらいしたことがありますが、制限時間をオーバーするわけにはいかない状況で120分は未知の領域。どれくらい資料を分厚くするか悩みました。どこまで入れたらよいか。

教員養成科授業よりずっと時間があるのは確かです。かといって5年分の資料を全て入れるのは情報量が多すぎます。また社会状況の変化で今現在では適さなくなった内容もあるのです。私は資料を作り込んで字だらけにしてしまう(情報量を入れ過ぎる)人間なのでどれだけ削るかが課題になります。反面、今まで以上に話す時間はたくさんある。その葛藤に苦しめられました。

 

また別の懸念があります。どのような人が聞きにくるのか分からないということ

教員養成科であれば教員養成科2年生が教室にいるとはっきりしています。私も学んだ校舎で後輩たちの前で話をします。対して灸法臨床研究会に私は所属していませんし講習会に参加したこともありません。どのような雰囲気でどのような方が参加するのかさっぱり分かりません。発表資料に入れる内容というかトピックをどう取捨選択したものか。

 

更なる問題が対面の講義からZoom配信によるオンラインセミナーに変更になったこと。資料を作ってしまったら変更は基本的にできませんが、現場の雰囲気で飛ばして話すところに少しじっくり話すところと、それなりに対応できます。オンラインですと相手の顔やリアクションが読み取れないのでそれができません。資料は作るだけ作っておき、微調節をその場の空気で行うことができないことが、不安でした。

 

悩んでいても仕方がないので資料つくりを進めました。前日に自院で行うセミナーもあったので制作は日程的に厳しかったです。年明けは確定申告業務に追われていましたし(税理士さんへの提出締め切りがあるので後回しにできません)。作ってみたものの案の定膨大な量になる発表資料。この流れでこれは必要なのか。むしろ足りないことはないか。考えを巡らせます。

 

LUSH社がSNSから撤退するニュースは必要か?(マニアック過ぎないか)

SNSの基本的な説明は必要か?(聞いている人はそれくらい知っているだろう)

きゅう師の広告規制裁判は必要か?(灸法臨床研究会だし)

経営戦略の話は必要か?(鍼灸院経営もテーマだが長くなるなあ)

などなど。トピックを削って削ります。

反対に気になって調べてみて、これは追加しようと新たに入れたものもありました。これは知らなかった!と資料作成とは別に自身の勉強になりちょっと興奮しました。

 

そして本番当日。

職場のあじさい鍼灸マッサージ治療院の施術室にパソコンを移動して待機。自分で驚くほど緊張していました

私は会議でもセミナーでもオンラインが苦手です。直接会う方が断然好き。理由は相手から読み取る情報量が違うからです。鍼灸師ですから相手のしぐさ、目の様子などから情報を読み取ることに慣れています。画面越しではほとんどそれができないため不安になります。

加えて自分が動画に写っていることが非常に苦痛なのです。社交ダンス経験者で目立つのが嫌ということはないのですが、動画の中の自分を見ることが本当に苦手です。自分の声も好きではありません。Zoom配信でずっと自分の顔が映り込んでいるのがなかなかのストレスです。

始まってしまえば何となる、とはいきませんでした。参加者の皆様画像をオフにして音声もミュートしています。ほぼリアクションが分かりません。手ごたえがないまま話を進めます。本当にこれでいいのか?という不安に苛まれながら。途中言葉が出なくてつっかえ、パワーポイントを操作するマウスが変な所にいき、空いている左手が震えました。顔しか映っていないのでいいのですが、あんなに手が震えたのは本当に久しぶりのことでした。

リアルの現場であれば、皆さんSNSをしていますか?とか、この中に学生さんがいますか?といった質問でリズムを調整できるのですが。大丈夫かなというプレッシャーと戦い約1時間。思ったよりも進むペースが想定通りで焦らなくていいと考えてからは少し余裕が出てきました。

 

人前で話すことはあまり緊張しないのですが(緊張してもやっているうちに落ちてくる)、体が震えるくらいまでになったのは柔道整復師科2年生の時の学内研究発表(呉竹医学会)のとき以来でした。我ながらこんな事になるとは。つくづくオンライン、パソコンの前で一人話すのはまだまだのようです。

 

オンライン開催になって良かった点は遠隔地の鍼灸師さんにも参加してもらえたことです

講義終了後に質問をしてくれた方は青森県と香川県の鍼灸師さんがいました。驚きました。こんな機会でなければ接点が生まれないでしょう。私は生まれも育ちも東京なので東京以外のことが分かりません。なるべく旅行に行ったときはその土地の様子を観察するようにしていますが、鍼灸師としてそこに根付いて活動している人の状況を想像することも難しく。オンラインイベントの力を実感しました。そして灸法臨床研究会の幅の広さを知りました。

 

日程や発表内容の決定、オンラインイベントの変更など様々な苦労がありましたが、本当に良い経験になりました。SNS活用について、より研究することができました。遠い地域の鍼灸師さんに聞いてもらえました。これまで接点のなかった鍼灸関係者の皆様に自分の存在を知ってもらえました。私が灸法臨床研究会のことを調べるきっかけになりました。

私の中で今年最初の大きなイベントが終わりました。ほっとしています。

 

機会を作ってくださった関係者の皆様どうもありがとうございました

 

甲野 功

 

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