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~藤井・中村組の快挙~

日本テレビホームページより
日本テレビホームページより

 

 

5月18日の夜、社交ダンス業界は生放送のテレビ番組に注目していました。日本テレビ系列で放送された「THE DANCE DAY」。

 

日テレ>THE DNACE DAYホームページ

 

謳い文句は

優勝賞金1000万円 プロ・アマ不問 ただ、楽しませた人の勝ち ダンスNo.1決定戦 日本中の“踊れるヤツ”が集まるダンスの祭典。さあ、今の時代のヒーローを決めよう。

 

東京キー局の地上波特番として3時間生放送でした。この番組に「Sota & Anri」こと藤井創太・中村安里組がエントリーしました。藤井・中村組は日本の社交ダンス界で知らない人はいないであろう、現在のアマチュア・ラテンアメリカン部門のチャンピオンです。プロフェッショナル選手を除けは名実共に最高峰に位置する選手。日本社交ダンス界の頂点があらゆるジャンルのダンスに交じって競うのです。

 

5月18日は決勝戦。16組がエントリーしています。それに先立ち関東大会という予選が行われました。その様子もテレビ番組として放送されており、藤井・中村組は2位で関東大会を通過しています。関東大会の時点でも参加者は相当なメンバーでした。テレビ番組の企画として芸能人が挑戦するという意味合いも一部ありましたが、そのチームが勝ち残ることはありませんでした。

 

この関東大会を観ていて、果たして藤井・中村組はどう評価されるのだろうか?という猜疑心が強かったのです。出場できなかったスーパージャパンカップを除いた国内の主要大会を制してきた藤井・中村組。特に藤井創太選手は別のパートナーと組んで注目を集めたのは10代後半。時を同じくして世間から脚光を浴びた将棋の藤井聡太竜王と比較され、社交ダンス界にも”フジイソウタ”という天才がいると言われました。現在の中村安里選手と組んでから快進撃を続けています。

 

現役の国内チャンピオンであり若くてビジュアルの良い二人。テレビ番組という土壌で他ジャンルのダンサー達を相手にしたときにはたして評価されるのでしょうか。テレビの前で関東大会の様子を観ました。

 

こういっては失礼かもしれませんが非常に評価されていて驚きました。9チーム中2位。審査員の点数が高いなというのが個人的な感想です。私にとってはあまりに見慣れている社交ダンスが社交ダンスが専門ではない審査員達にこれだけ高評価であることはちょっとした驚きでした。他ジャンルのダンスは素人なので何とも言えませんが、何をどのように評価して点数を付けたのだろうか?という気持ち。世界で活躍するダンサー(パフォーマー)である彼らには藤井・中村組のダンスが良かったのかと。

 

それは競技会と違うテレビ収録という舞台でのパフォーマンスに少々力を発揮できていないように私は画面越しに思ったからでした。また1位通過したKUROKOの良さもいまいち分からなかったのも本音です。アメリカのアポロ・シアターで年間チャンピオンに輝いたGENDAI氏が率いるチーム。アポロ・シアターは非常に有名でありますがKUROKOのパフォーマンスがそこまで評価されるものなのか?という気持ちです。

 

何にせよ決勝大会にコマを進めた藤井・中村組。社交ダンス界の若きチャンピオンが地上波全国ネットのゴールデンタイム生放送に出演して他ジャンルのチームと勝負する。どうなるのだろうか良くも悪くも楽しみにしていました。

 

良くも悪くもというのは、あくまでも土壌がテレビ番組であるということ。予選大会を観て感じたことですが、ダンスと言いながらジャンルが広すぎるような気がしています。日本テレビはこのテイストの番組をよく制作している印象があり、ベースはやはりバラエティー番組。審査員はどのような基準で選ぶのだろうかという疑問。極端な例えにすると、レオナルドダヴィンチとゴッホとルノワールとピカソと葛飾北斎の絵を並べて優劣を競うような。どれも絵画でしょ、と言って。無理がないのかと。

それと日本テレビは以前から社交ダンスを推してきた局と言えます。映画「Shall we ダンス?」を始め「ウリナリ社交ダンス部」など社交ダンスのコンテンツを制作してきました。社交ダンス経験者のアナウンサーもいます。社交ダンスを敢えて残したのかな、という穿った見方もしてしまいます。

 

3時間生放送の特番ですから影響力は絶大です。何万という視聴者の目に藤井・中村組は、ひいては社交ダンスがどのように映るのだろうか、そしてどう評価されるのだろうか。新型コロナウィルス感染拡大から大きなダメージを負ってきた社交ダンス業界の起爆剤になるのかという点でも注目していました

 

そして放送及び本番当日。生放送である以上撮り直しはないわけです。藤井・中村組は16組中最後の16番目の出場。7名の審査員が100点満点で点数を付けていき、上位5組が最終決戦でもう一度踊ります。テレビで1組目から観ていましたが、どこもさすがというレベル。審査員も自分の基準で採点しているように映りました(特にYOSHIKIさんの点数の振れ幅は凄かったです。)。このメンバーの中で藤井・中村組は、社交ダンスは評価されるのか。どうなるのか全く予想できずテレビ画面を観ていました。

ネットニュースにもなりましたが、ダンスと言っていいものなのか、という戸惑いがありました。

 

YOSHIKIも困惑…日テレ渾身の“ダンス版『M-1』”でもやっぱり起きた「ダンスじゃない」論争

 

ダンスNo1決定戦と番組は謳っていますが、“主にダンスを用いたパフォーマンスを競う大会”という印象でした。他ジャンルのダンスがあるのはもちろんですが、ギミックや道具、声や演奏も入るとまさに何でもありという感じ。舞台パフォーマンスの決定戦というのであれば何も気にならないのですが、ダンスというくくりでいうとどうなのだろうかという気持ちがあります。この中で本当に二人の踊りだけで勝負する藤井・中村組は点数が付くのか、という不安。15組を終えて上位4組が決勝進出を決めた状況で最後の藤井・中村組が登場です。

CM前にこれから藤井・中村組が登場です、という紹介で軽く動きをみせる個所があったのですが、中村選手がふらついています。普段の競技会ならまず見せない危うさに驚きました。表情も固く見えます。この時点で大丈夫なのかと心配になりました。

 

そして本番。

 

藤井・中村組得意のジャイブをベースとしてパフォーマンスですが、中村選手が足を滑らせます。まずこのようなことは起きないのですが、テレビ番組の生中継、フロアーが普段と違う、予選を重ねて調子を上げていく社交ダンスの競技会と異なる、など様々な理由があるのでしょうが、本当に?と思うほど一瞬崩れました。もちろんそのままダンスは続きますが、動きも表情も普段よりも冴えていなくて、内心ああこれは予選落ちしたなと私は思いました。二人のレベルはこんなものではないのだから。観ていてとても心苦しくなりました。パフォーマンス後のインタビューでも中村選手は「悔しい」とコメントをしており、本人たちが満足したものを出せなかったことが画面から伝わってきました。

私はもう予選落ちしたと思っていたので、「せめて普段のダンスをみせてほしかったな」という気持ちでしたし、これが社交ダンスの最高峰と思わるのは残念という気持ちもありました。

 

結果は5位で決勝進出。テレビの前でええ?と声が出ました。ここまで審査員に評価されるとは意外で。何より藤井・中村組が本当に喜んでいました。現場の雰囲気は分かりませんが、生で観ると訴えかけるものがあったのでしょうか。

 

ルール上、決勝戦は予選5位から順に踊ります。よって藤井・中村組はすぐに準備をしてまた踊らないといけなくなりました。そうなると俄然期待してしまいます。競技ダンス選手は一発勝負よりも予選から勝ち上がって決勝にピークを持ってくるもの。連続で踊る方がペースが作れそう。また一度踊ったことで気持ちも体もほぐれて良い方向にいくと思いました。おそらく一度は予選落ちを覚悟したであろう心境からですから吹っ切れるだろうし。

 

そして優勝決定戦の藤井・中村組は本当に素晴らしかったです。衣装も変え、曲も変え。何より中村選手の良さが格段に出ていました。予選のダンスは一般受けというか、分かりやすい派手なものだったのが、決勝はより世界観を魅せるようなダンスに。これが現役トップの藤井・中村組だよ、と誇らしくなるほど良かったです。

最後の審査はマスト方式で7名の審査員がそれぞれ1位のチームを投票します。結果は1つも票が入らず3位以下という成績になりました。しかしあれだけのメンバーの中で上位5組に残り、5組中最も少ない2名で、文字通りダンスのみで勝負した藤井・中村組の姿は感動的でした。このダンスを地上波全国放送生中継で出せたのは本当に大きな出来事だと思います。

 

世間の声がどうなっているのだろうか?とネットやTwitterを調べてみると、驚くほど好意的な声が挙がっていました。社交ダンスというものに馴染みがない人も良かったという声。ある意味で真っ当なダンスで勝負したことも良かったようです。視聴率も高く同時間帯1位だとか。

 

いままでにない社交ダンスのインパクトを残したと感じました。これまで数多くマスメディアで社交ダンスが取り上げられてきましたが、これほど世間に響いたのは初めてかもしれません。芸能人が社交ダンスをして話題になったことは多々ありましたが、社交ダンスの人間がゴールデンタイムのバラエティー番組(それも特番)で主役の一角を担った。2020年以降苦しいおもいをしてきた社交ダンス界に明るい話題になったことでしょう。幸いかつてのようなイベントが戻りつつあり、これから大きく回復するような気がしています。業界全体としては大きな問題(変化)が起きている最中なのでなおさら期待してしまいます。

 

甲野 功

 

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