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~柔道整復師会のスキャンダルをフライデーが記事にした~

 

 

昨日、目を疑う投稿がTwitter上に流れてきました。一般大衆誌として有名な『FRIDAY』が東京都柔道整復師会幹部のスキャンダルを誌面で取り上げたのです。

 

東京都柔道整復師会副会長の「熟年不倫&報酬不正受領」疑惑

会員数約1400名、都内に28の支部を持つ公益社団法人の幹部が……

 

フライデー。私世代にはあまりに有名な雑誌。芸能人の極秘交際が雑誌に載る=“フライデーされた”、と表現するくらい一般用語となった雑誌。“文春砲”の週刊文春とならぶメジャー大衆誌でしょう。その雑誌が柔道整復師会を取り上げるのか、という驚きです。Twitter上では「しょうもない記事」だとか「小物」だとかの感想が出ていて、大したことがないような雰囲気を感じたのですが、柔道整復師免許を持つ私にとっては非常に大きな事件でした。全文を読みたいと思い、コンビニエンスストアに行って雑誌を購入してしまいました

 

記事の内容よりも、どうしてフライデー編集部は取材しようと思ったのか?が一番の関心事です。語弊を恐れずに言えば紙面を割く価値のあるニュースなのか、という疑問です。記事にしたら雑誌が売れるから記事にするはずです。当然ながら営利活動で雑誌を出しているわけですから。芸能人、著名人のゴシップ中心の雑誌が柔道整復師会幹部の記事を入れる意味があるのでしょうか。東京都柔道整復師会は世間にどれだけ知られているのか。その幹部のことがどれくらい注目されているのか。フライデーが狙うほどの存在なのか。正直なところ頭に?マークが浮かびました。

 

記事の内容はタイトル通りで東京都柔道整復師会副会長が同会職員の女性と不倫関係にあり、本来働いていない時間帯も同会で働いていると虚偽の申請を出して報酬を受領していたというもの。働いているはずの時間帯に二人は駅のホームでマクドナルドのハンバーガーを食べているところを写真に撮られたというもの。

 

有料部分なので細かい記事の記載は書きませんが細かい師会の収益金額や役員の固定給、日当などの額が出ています。これらは関係者からの証言からだといいます。当然外部の記者が知るはずのない情報で、師会内部のことを精通している関係者の証言から取材を始めたことでしょう。写真撮影をしているということは張り込みをしていたということ。患部の業務をしているはずの時間に二人が会っている証拠を掴むために。それは当てずっぽうではできないでしょうから情報源があった上での行動だと思われます(一流芸能人でもないのに、取材にする労力はなるべく避けたいのでは)。あるいは関係者が撮影した画像を採用したのかもしれませんが。記事からはそこを読み取ることはできません。

 

何にせよ師会関係者が情報をリークしているのは間違いないでしょう。記事には、関係者によると、と情報提供があったことを示す文面があります。つまり内部告発と受け取れます。

 

東京都柔道整復師会では何が起きているのでしょうか。間違いないなく身内の恥であり、それをメジャー雑誌に取材させるということはそれを世間に周知させるということ。少なからず東京都柔道整復師会にダメージを負うわけです。私も柔道整復師免許を持つ身でありますから、完全な他人事ではありません。柔道整復師の知り合いは多数いますし。自浄作用が期待できないとしてこのような行動に移ったのでしょうか。

 

違った視点で捉えるとフライデーが記事にするほど東京都柔道整復師会のスキャンダルは価値があるということでしょうか。公益社団法人という立場を考えると、社会の公器としてのジャーナリズムの上で取材したと言えるのでしょうが、記事見出しの順番は「熟年不倫」の方が先。幹部の熟年不倫がまずありきですし、フライデーはゴシップ記事を前面に出してきた媒体。その大衆誌が記事にするほど東京都柔道整復師会幹部のスキャンダルにニュースバリューがあったものかと。なお見出しの最後に「疑惑」と付いているので、確固たる証拠があるわけではないのでしょう。記事の文面にも当人は否認、取材拒否とありますから、あくまでも“疑惑”に過ぎないのです。このような段階で記事するのは編集部はどのような判断だったのでしょう。改めて個人的な感想としてそこまで売上に貢献するとは思えないのです。

 

驚きと疑問が浮かぶニュースでした。

 

甲野 功

 

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