開院時間

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~点ではなく線で物事をみる~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 点ではなく線で物事をみる
点ではなく線で物事をみる

 

 

当院は学生ペア割や無料セミナーなど鍼灸マッサージ専門学校学生さんに対するサポート活動をしています。またこのような取り組みをする前からこの業界を志望する人、すなわちあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師を目指して進学を考えている社会人や大学生の進学相談を受けてきました(なお高校生はありません)。更には新卒で経験の浅い鍼灸師さんが来て話を聞きにくることもあります。

 

先日、来院した鍼灸マッサージ学生さんが学生ペア割で来院したときのことです。彼らの卒業後の進路について話を聞いていました。自分の場合はこうだったと、私の経歴を話したときに学生さんに驚かれました。私は鍼灸マッサージ専門学校を卒業して免許を取ってから1年間、鍼灸整骨院の現場で働いた後に柔道整復師科に進学したことを伝えたところ、学生さん達から連続で学校に行ったのではなかったのですかと驚かれたのでした。更には柔道整復師科を卒業して柔道整復師になってから1年間都内のクリニックで柔道整復師として働いた後に鍼灸マッサージ教員養成科に進学したと付け加えると、また意外そうな表情を浮かべました。

そのとき私は、「あれ自分はあたからも資格マニアように思われていたのかな」、と心の中で呟いてしまいました。

 

当院のホームページやSNSには

・あん摩マッサージ指圧師

・鍼灸師

・柔道整復師

・鍼灸マッサージ専門学校教員免許

・あじさい鍼灸マッサージ治療院院長

というように取得免許と現在の役職を列記しています。その表記、つまり現在の状況だけをみればそのように思われても仕方ないことでしょう。

 

確かに一般的に間を空けて進学する人は多くないので、鍼灸マッサージ科→柔道整復師科→教員養成科と連続で通ったと思うのは無理もありません。加えて、全て東京医療専門学校ですから学内推薦で学費を割安にして進学したのだと。

(ちなみに柔道整復師科の同級生2人は、鍼灸科・柔道整復師科・教員養成科の順番で同じ東京医療専門学校で出ているのですが、鍼灸科では私の1学年後輩、柔道整復師科では私と同級生、教員養成科では私の1学年先輩という状況なのです。1年現場で働いた上での進学なのでこのような奇妙な現象が起きたわけです。)

 

私の考え方では、連続で進学したと思われるのはちょっと困ることなのです。そのため院内で行う学生向けセミナー、外部で依頼された講師業において、必ず経歴・職歴を話すようにしていますどこで生まれ、どのように育ち、どの学校に進み、どこで勤めたのか。どのような気持ちでこの業界を目指し、どうしてこの職業(免許)を選んだのか。進学先の学校を決めた理由、職歴、どうして開業に至ったのかまで。聴く方からすると、さっさと本題に入れ、と思うかもしれないのですが大切なことだと私は考えているので敢えて入れています。

 

現在の状況。それは間違いのなく事実であるのですが、それは<点の情報>です。点の情報で人を判断すると勘違いや偏見を生む可能性があります。それを経験上知っているので、私は互いに面倒くさいのにこれまでの過去を説明します(長々と講師の過去を聞く方も面倒ですが、分かり切った自分のことを毎回話す私も面倒なのです)。

同じ業界の人であれば開業して続いている人物というフィルターで私を見るでしょう。資格を見ればこれだけ資格を持っているのだからそれはそうでしょうね、と。しかし私だって突然この状況になったわけではありません。脱サラ・業界研究・学校受験、勉強・練習・国家試験合格、修業・臨床経験・失敗、など紆余曲折を経て今に至るのです。ここまで至った過程を知る。

いわば<線の情報>を知る。

 

同じ鍼灸院を開業している鍼灸師の話でも、例えば、

代々鍼灸師の家系で実家の院を継いだ鍼灸師、

元々薬剤師として大学病院で長年働いた上に免許を取り開業した鍼灸師、

甲子園決勝まで行った元高校球児から鍼灸師となりトレーナー活動をしながら開業した鍼灸師、

一般企業を定年退職まで勤めあげてその後免許を取り開業した鍼灸師、

とあったとしたら話す内容はかなり異なるでしょうし、同じ内容でも受け取り方を変えないといけないのです。実家で祖父母も両親も鍼灸師だった人がする鍼灸との向き合い方、ほんの一握りの人間しか到達できない舞台に立ったスポーツアスリートの考え方、他の医療職種から見た鍼灸の見方、長期間一般企業で働いてきた者の鍼灸の取り組み方。どれも違って当然です。

 

鍼灸マッサージの術者は、線の情報で人をみることが重要だと考えています

 

NBMという考えがあります。NBMとはナラティブベースドメディスン(Narrative Based Medicine)の略です。ナラティブとは“物語”の意味で、個々の患者が語る病気の体験(=物語)から今の病気の背景を理解し、抱えている問題に対して全人格的なアプローチを試みようとする臨床手法、と説明されます。現在の状況だけでなく、ここに至るまでの病歴や人生経験も踏まえて疾患に取り組みましょう、というイメージでしょうか。家族歴、病歴を問診することがありますが、どうしても時間がかかってしまうので深く追求できず、数値としてはっきりしている検査結果に注目しがちな現代医療。EBM(evidence based medicine)という医学的根拠に基づいた医療が主流のなか、NBMはそれを補完するための概念とも考えられています。

 

概念的な話になりますが、その時点の検査数値を重視することは<点の情報によるもの>。それまでの人生を含めて現在の疾患に向き合うのは<線の情報によるもの>。そのように考えられます。そしてNBMのように患者さんの物語から今の状況を紡ぐのは鍼灸師の得意な分野です。

そもそも医療機関で働かない限り、画像診断や血液検査などの検査結果を鍼灸師が得ることはできません。それよりも曖昧な(数値化することが難しい)脈診や舌診、腹診などを用いてきたのが鍼灸師。現代医療の医師よりも患者さんと向き合う時間が長く取ることが多いので、長い問診や触診が可能です。鍼灸術はNBMに近いものだと私は捉えています。

 

ですから鍼灸マッサージ専門学校の学生さんにはなるべく私の<線の情報>を与えてどういう経緯や考えによって今に至ったのかを話しますし、そういう風に人物を含めて物事を捉えてもらいたいと願っています。それが臨床現場に立ったときに患者さんのことや疾患のことの理解が深くなるために練習になるではないかと。

 

甲野 功

 

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