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~政治・宗教・スポーツの話はNGなのか~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 政治・宗教・スポーツの話はNG
政治・宗教・スポーツの話はNGなのか

 

 

昭和の頃、営業マンは商談で話をしてはいけない内容として政治・宗教・野球の3つだと言われていました。これらは互いに妥協できない話題なので話が平行線になるので落としどころがない、という考えです。平成に入りプロ野球よりもJリーグの方が過熱して政治・宗教・サッカーに変わったように記憶しています。あるいは野球及びサッカーというか。令和の現在はサッカー、野球といった特定の種目に限定せずにスポーツという大枠にして、政治・宗教・スポーツの話は控えましょう、という風潮になっているような気がします。

 

“気がします”と曖昧なのは、現在はどうなのか不明だからです。

 

私は22歳で半導体商社に就職しそのときに新人研修を受けて、その当時に講師から『お客さんとは政治・宗教・野球、今はサッカーも、この3種類の話は避けましょう』と言われたものでした。20年以上前の出来事です。社会人3年目で脱サラをした私はそれ以来会社員生活に戻ることなく企業間の商談の場に立ったことがありません。ですから今もサラリーマンはこのように習うのか定かではないのです。

 

サラリーマンの事とは別に私の業界、つまりあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、柔道整復師などでも、先に挙げた政治・宗教・スポーツの話題は患者さんと避けた方がいいという意見があるようです。そのことに関して私は疑問に思っていて、なぜ避けた方がいいのだろうかと。むしろ聞く必要があるのではないかと思うことすらあります

 

まず営業マンが商談で政治・宗教・野球の話がタブーとされた時代。その時代、私は子どもだったので実際のところを判断できませんが、幼いながらに『人の意見に耳を傾けない大人ばかりだったから』という推測があります。昭和末期の頃。バブル経済も後押ししていたからかもしれませんが、大人はみんな強情で意見を押し付けていたように感じました。例えばプロ野球。4番が三振したからテレビのチャンネルを変える、というのが日常的に見られましたが、今思うと異常なことではないでしょうか。自分の思い通りにならないと癇癪を起して画面を消してしまう。本当のファンなら苦しいときこそテレビの前で応援するのでは?という気持ちです。

また子どもの頃に、母親が日本シリーズで負けたのでライオンズタクシーは機嫌が悪そうだから別の会社にしましょうと回避しているのを見て、仕事なのにそんなことがあるのかと驚きました。自営業の今からみると公私混同も甚だしいわけで。

 

野球に限らず、この頃の大人はだいたい自分の意見を押し通そうとするひとばかりだった気がします。偏見かもしれませんが。目上の人の言うことを聞きなさい。それは間違っていませんが、意見をゴリ押しすることが当たり前だったような空気がありました。誰もが、右向け右。みんな同じテレビ番組を視ていました。単に選択肢が無かっただけという時代でもありましたが(ビデオくらいでパソコンもスマホもYouTubeも無い頃。ゲームはファミコン一択という。)、これを見ておけばいいんだよという押し付けを感じました。今とは考えられないくらい多様性が無かった時代でした。

 

この頃から2000年代にかけて、政治・宗教・スポーツというのは相手の意見を一切聞き入れないテーマの象徴だったように思います。私が生まれる前には学生闘争があり政治の対立によって多くの衝突がありました。最近また再び問題視されていますが、宗教団体の霊感商法が騒がれたのが1990年の前半。1995年には地下鉄サリン事件が起きます。諸外国に比べて比較的影響が少ない日本でも宗教に関する事件は起きています。スポーツはまた別として、他の存在を寛容できない余裕の無さだったのかもしれません。

 

今は、人の意見に耳を傾ける・尊重する、というのが普通になりました。こと私が住む東京都新宿区では外国人住人が多数いて、日本人だけのコミュニティ自体が珍しくなっています。新成人の半分が人種的に外国人だといいます。昨年の自国開催の東京オリンピックでは日本代表選手における人種の多様性が話題になりました。こういう時代、こういう場所だからこそ、むしろ政治・宗教・スポーツの話題は重要になると考えています。その人なりを形成する重要な要素になるからです。

 

このように考えるのはあるエピソードがあるからです。ある患者さんから「普段はこういう話をする機会がないから楽しいのよ」と言われたのです。その患者さんは海外で暮らしていました。海外で暮らすと自身の人種の事、その国の政治の事、宗教の事がより敏感に感じるものです。患者さんから海外での暮らしのことから、向こうの政治宗教の話、日本との比較などたくさんの話を聞きました。日本しかしらない私はその話を聞いて質問を投げかけて意見を述べました。このやり取り、ディベートが良かったようなのです。政治、宗教、国といった社会的に込み入った話をする機会ができたと。

 

政治・宗教・スポーツ。相手の意見を押しつぶして持論を押し付ける。だから話題にしてはいけないのではないかと考えています。分からないこと疑問に思うことは質問してみる。違うと思ったら意見を述べるが相手を論破しようとしない。そういう姿勢が求められると思います。仕事上、患者さんのことは深い部分まで知ってしまうことがあります。症状が起きている原因に、スポーツは直接的に関係することが多く、政治・宗教も無関係でない場合もあるのです。政治思想、宗教による戒律によって日常の行動が左右されることがあります。

また経営者となればどうしても政治の話は出てきます。経済と政治は切っても切れない関係で、経営者の患者さんほど政治に一家言あるひとばかり。そういう話題をしないでくださいとは言わず、意見に耳を傾けるようにしています。

 

デリケートな話題こそ臨床現場では登場するものです。むしろ通常では聞かないような内容も質問しないといけないことが少なくない。そのような時の立ち振る舞いも術者の技量に入ると考えています。政治・宗教・スポーツの話題はしない、ではなく、その話題になったときにどうするのかを大事にしています。

 

甲野 功

 

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