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~教員養成科について話しました~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科とは
プレゼンテーション資料の表紙

 

 

去る9月7日に当院に二人の鍼灸業界関係者がいらしました。東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科について話を聞きたいということでした。

 

私は東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科(以後、教員養成科と表記)を卒業しています。周囲からはこのイメージが強いせいかこれまでに幾度となく教員養成科について質問を受けてきました。印象的なものとしては2年前の2020年秋に当時2年生だった関西の鍼灸マッサージ専門学校学生さんが教員養成科などについて聞きたいと当院を訪れました。最初に連絡を受けたときは近隣に住む方だと思ってどうぞ来てくださいなどと簡単に返信しましたが、大阪からやってくると知って本当に驚きました。当然会ったこともない方々。それくらいこの業界では教員養成科のことは気になるのだと実感しました。

 

今回来たのはまだ鍼灸専門学校1年生の人と若手鍼灸師のお二人。1年生のうちから教員養成科が気になるというのも、私の頃には考えられないこと。1年生のときに教員養成科の存在など露も知りませんでした。今は情報社会で主にSNSから様々なことが分かります。学校の教員には(東京医療専門学校の)教員養成科を出た人がいるそうですし、様々なイベントで出会った先生に教員養成科卒の人が多かったようです。

お二人の話によると教員養成科卒と明治国際医療大学卒の先生が目立つという話でした。明治国際医療大学とはかつて明治鍼灸大学として日本初の鍼灸大学として誕生しました。関西にあります。関東だと卒業後、更にスキルアップする場として教員養成科が有力な選択肢になるようです。鍼灸師さんの方は既に現場で働いていますが、今後教員養成科進学も頭にあるということでした。

 

今回の依頼を受けて、改めて資料を作り上げて臨みました。奇しくも私が教員養成科に入学したのが2012年4月。教員養成科入学からちょうど10年でした。10年前を振り返り、教員養成科時代の日々で何を学んで何をしたのかをまとめました。それとは別に現在進行形の教員養成科についても調査をしました。鍼灸科、柔道整復師科と同様に教員養成科も平成30年度からカリキュラム変更があり、私が在学した頃と変わっている点があります。それらを踏まえてスライド100枚を超える資料になりました。

 

まず母校(東京医療専門学校)の教員養成科を含めて、全国の教員養成科に関する情報を集めました。現在はどうなっているのか。聞きたい内容は母校の教員養成科についてですが、他の学校の事も伝えておこうと考えました。全国に晴眼者(視覚障害がない者)の専門学校における教員免許が取得できる学校は4校しかありません。かつては7校あったのですが減っています。その中で最も古い、日本初の鍼灸マッサージ教員養成施設が母校の教員養成科です。

 

現在の教員養成科について、学科長と専任教員の紹介やカリキュラムについて説明しました。東京医療専門学校では卒前教育卒後教育という言い回しをします。国家試験前の専門学校教育を卒前教育、国家試験合格後の免許を得てからの教育を卒後教育とします。もちろん教員養成科は卒後教育にあたります。教員養成科への入学要件はあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師のいずれかを取得していることです。東京医療専門学校の卒後教育は卒前教育とは大きく異なり、教員養成科は学生身分であっても免許を持ったプロとして扱います。その前提を話しました。

 

続いて私が2年間教員養成科で学んだことを丁寧に紹介していきます。あくまで私の体験談として。今も同じというわけではありませんよ、という注意のもと。その代わり誰のものでもない、実際に私が体験したリアルな情報として興味がありそうな部分をピックアップして説明します。当時苦しんで提出したレポートや制作物、直筆のノート、教員養成科時代の写真などを見せながら。この資料を作るにあたり過去のデータを見返しましたが本当に膨大な量のテキスト(レポート)を作成していました。重たいノートパソコンを持参して猛烈な勢いで打ち込んでいたことを思い出します。それと同時に手書きのレポートも大量にこなしていました。その日々が蘇りました。

 

また多種多様な授業がありました。鍼灸やマッサージといった専門分野だけでなく、スピーチ、心理学、法律(裁判含む)、徒手療法、検査法、整形外科、教育史、社会学など。実技授業においてもジャンル別に分けたもの、技術(流派)で分けたもの、グループになりテーマに沿って同級生に指導するスタイルのもの、などありました。本当に実力をつけるためにその時点でできることを習わせるという感じでした。鍼灸、あん摩マッサージ指圧という広大な世界の片鱗をみたような経験。ある意味で詰め込み教育だったと言えますが、私には良かったです。そのことを話しました。

 

教員養成科という以上、教員になるための授業が当然あります。授業計画書の作り方、授業での配布プリントの作り方、エクセル(Excel)やワード(Word)といった基本ソフトの使い方まで授業で習います。もちろんクラスメイトを前に模擬授業を行い、聴いた同期達からフィードバックを貰います。どの教科、どの実技があたるかは決められるので苦手教科だろうが得意教科だろうが関係ありません。1回の授業準備のために相当下調べをして資料を作り込まないといけません。また教育見学実習があり、呉竹学園3校(東京医療専門学校:東京都四ツ谷、呉竹鍼灸柔整専門学校:神奈川県新横浜、呉竹医療専門学校:埼玉県大宮)のいずれかを選んで現役教員の授業を見学します。このような卒前教育では絶対にない授業を紹介し、その大変さと面白さを話しました。

 

そして附属施術所のこと。当時は1年時の年明け1月から学校付属の施術所に平日毎日午後入り、外部から来院される患者さんに鍼灸施術を行います。それは同年12月の年末まで続きます。もう免許を持ったプロとして外部の患者さんに(とても安いながら)実費をいただいた上で施術をします。受付、会計、物品発注、院内整備など全てを学生が行い、クラスメイト全員で運営していきます。カルテ記入、1クール毎のケースカンファレンスもあります。この附属施術所での経験が圧倒的な実践となります。このときのエピソードはやはり興味深いように聞いていました。

 

附属施術所と並ぶもう一つの重要事項が卒業研究です。これも1年間をかけて研究を行います。誰かが行っている研究をテーマにすることは認められず、先行研究を調査した上で独自の研究テーマにしないといけません。1年生の年度末に2年生の卒業研究発表会を公聴し、それを踏まえた上で2年生から研究が開始。“妄想、思い付きを研究にまでもっていく”作業の大変なこと。国会図書館に行き文献を調べる。特別なサイトで論文検索をする。きちんと出版された書籍を読む。先行研究を経たうえで研究プロトコルを構築。途中経過を発表し同級生の意見(指摘)を受け、指導教官のチェックを受ける。秋になったくらいから実験を始めてデータ採取していきます。得られたデータを解析してまとめる。考察ができたら論文としてまとめる作業。1枚の抄録にまとめる。指定の規格で論文を執筆する。発表用のプレゼンテーション資料をパワーポイントで作成する。そして2年生の2月に教員養成科の集大成として発表する。この流れを説明しました。聴いた二人は想像しきれていないようなワクワクしているような表情を浮かべていました。

 

自身の体験談の後は現在の教員養成科について分かる範囲で説明します。本当に進学を考えるならば必ず教員養成科に行って見学と説明を受けるようにお願いしました。時間が経過すれば状況は変わっていくでしょうし。

 

私は鍼灸師になってから5年あけて教員養成科に進学しました。そのきっかけは柔道整復師科の同期が教員養成科に進学し、その体験談を聞いたことでした。ある意味、それ以外特に調べないで(説明会にも見学にも行かずに)入試に臨んでしまったのでした。あの時話をした柔道整復師科同期のように、教員養成科のことを話したことで参考になればいいなと思います。実際に進学する・しないは個人の判断ですが、教員養成科に興味があってわざわざ聞きに来てくれたということは、卒業生として嬉しいところ。二人からこの仕事に、この業界に、期待をしていてよりスキルアップしたいという気持ちが感じられました。自分が体験したことが次の世代の役立つことが日々の遣り甲斐に繋がると思った一日でした。

 

甲野 功

 

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