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~2022年チャリティーマッサージの報告~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 2022年チャリティーマッサージの様子
2022年チャリティーマッサージの様子

 

 

昨日10月16日(日)に今年で8回目となるチャリティーマッサージを行いました。これは開業2年目から行っているイベントで、休業日の日曜日を特別に開けてマッサージ(正確には按摩指圧)を行いその売上全額を寄付するというものです。最初にしたのは修業した鍼灸整骨院でした。そのときも企画に携わったのですが、時間を経て開業した状況で、自ら復活させたものとなります。元々、国連が定めた「世界食料デー月間」、世界食料デー(10月16日)に関連したものとして始めました。そのため毎年10月の世界食料デーに近い日曜日に開催しております。今年はちょうど世界食料デー当日にあたりました。

当日の按摩指圧を受けに来た方は、その料金を募金箱に入れてもらいます。そこから当院が必要経費を抜くようなことはせずに全額寄付にすることが特徴です。そのため一切売上に関わることがありません。売上の一部を寄付という事でもありません。この頂いたお金は後日(10月29日)、「新宿子ども食堂」さんに寄付します。

 

当初は「世界食料デー」に寄付をしていました。オリジナルの元職場で行ったときもそうでした。我々の仕事は主に健康に携わる内容。健康であるには生命の危機がないことが大前提となります。現在も戦争や紛争が世界で起きていますが、生きるか死ぬかという状況にいる人々にあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師はほぼ無力。無力というか本業の技術や知識を活かす余地がありません。平和であること、致命的な疾患から脱していること。それが最低限です。その次に飢えていないこと。飢餓に苦しんでいる人々にはまず食料。飢えを解消しないといけません。死ぬ危機が無く、食事が十分にとれている。その上で健康について意識がいくわけです。そのため、私の仕事をするためには飢餓を無くす、食糧事情を良くする、という思考が必要だと思います。そのような回りくどい考えでチャリティーマッサージの売上を「世界食料デー」に寄付することにしました。

 

そして数年経ち、世界よりも身近なところに目を向けた方がいいのではないかと考えを改めます。数年前から『子ども食堂』というものが日本で生まれます。食事を満足にとれない子ども達のためにボランティアが食事を提供する。戦後でもない現代の日本でそのようなことが起きるのか。当時はそう考える人が少なくなったでしょう。飽食で無駄に食料が廃棄されている現状です。今の日本で食べることに困っている人がいるのだろうか。実情はより複雑です。不況だ、貧乏になった、だと言われるように金銭的に苦しい家庭は存在します。そういう家庭では学校の給食が重要で夏休みのような長期に給食がないとやせ細ってしまう子どもがいます。貧乏だった芸能人が過去のエピソードを語る場面がテレビ番組でままありますが、この情報化社会でコンプライアンスが厳しいいま、でたらめ作り話を語ることはなかなか考えられず、ほぼ真実でしょう。そのような家庭が実際に存在します。

 

他にあるのが栄養飢餓というもの。食事はとれているが(お腹は満たされているが)発育に必要な栄養素が十分に摂取できていない状況。発育時に必要なたんぱく質が足りなければ知能発達が遅れるといいます。食事にお金をかけられないことで栄養が偏ってしまう。金銭的に苦しくなると野菜を食べる機会が減るといいますし。

他にも金銭的に裕福な家庭でも両親が共働きで子どもが孤食になる、家庭環境の都合で栄養が偏った食事になってしまう。そのような問題が起きることがあります。私は生まれてからずっと東京都新宿区に住んでいますが、ここではこの問題が重要であると感じています。

 

このような社会背景から「新宿子ども食堂」が生まれました。今では新宿区内に数多くの子ども食堂がありますが、その走りといえるくらい早い時期に誕生しました。そのシンプルな名称がそれを物語っています。世界の食糧事情から(地元である)新宿区の食事事情へ。考えをより具体的にシフトして寄付先を変更することにしました。2018年より寄付先を「新宿子ども食堂」にしています。この年からチャリティーマッサージのイメージは私と赤ちゃん時代の長女にしました。“新宿区の子ども”には私の子ども達も含まれますし、かつての私自身もそうですし。より自分事として考えるようにしました。

 

またこれも本音ですが、経営者の顔からするとイメージアップを図ることに他なりません。”ソーシャルグッドな仕事という表現があり、社会に貢献できる仕事をしていくことが今の時代重要です。例え安くて高品質であっても、裏で海外の子ども達を働かせて製造した商品であってはいけない。不当に安い賃金で働かせたおかげで価格が抑えられた商品を購入するのは良くないこと。こういった社会通念が出来上がってきており、何を買うか(=製品の良し悪し)よりも、誰から買うか(=社会的に適正かどうかを見極める)ということが特に富裕層に求められていると思います。そういうわけで当院も継続可能な範囲で社会貢献するイベントを行って行くことが大切だと考えています。

ですからたった一日、たった一人で行うチャリティーマッサージでは寄付額もたかが知れています。しかし規模が大きなって継続することが困難になっては本末転倒。私一人でできる範囲で納める、そして毎年続けていけるもの。それが必須だと考えています。

 

更にこれも生々しい事情ですが、当院まで来てもらい実際に手技を受けてもらうことが大切な宣伝なのです。理念を訴えて不特定多数にクラウドファンディングを行えばもっと寄付が集まるかもしれませんが、それでは具合が悪いのです。あじさい鍼灸マッサージ治療院まで来てもらう、私の技術を体験してもらう。これが重要。言い換えるととてもハードルが高いのです。そのハードルを越えてもらうことがどれだけ大変かは嫌というほど経験しています。興味があっても本当に来てくれるかは別次元。更に施術を受けて対価を支払うというのは更に上。だから最も受けやすい按摩指圧を選択しています。鍼灸師なのだから鍼灸はしないのか、と言われるかもしれませんが鍼灸よりも圧倒的に体験しやすい按摩指圧の方がいいのです。

 

このように社会貢献と自分の利益がしっかりと組み合わさった、いわばwin-winのイベントでないといけません。いけないというのは、そうでないと続かない、本気にならないから。繰り返しになりますが、来年はその存在を無かったかのようにやりませんというのはよくありません。信用にも関わりますし。そして自分一人だけでやるから、本気になります。誰かに任せることがないわけです。自分自身の名前で広報して自分自身の技術で寄付金を集めるのですから。偽善と言えば偽善でしょうし、宣伝活動といえばまさにその通り。だからといってやらないよりはましで、この寄付金でいくばくかの食料が地域の子ども達(及びその家庭)に渡ることができるのは確かです。

 

このような考えで毎年チャリティーマッサージをしてきました。すると昨年辺りからまた異なった意義がうまれてきたような気がします。昨年は参加した方の多くがあん摩マッサージ指圧師免許を持つ人やその専門学校学生さんでした。昨年のチャリティーマッサージで初対面となり、仕事に繋がった事例がありました。また学生さんにとってはプロ(あん摩マッサージ指圧師)の技術(按摩や指圧)を体験する機会がほとんどないという現状があります。私が卒業した東京医療専門学校のように鍼灸・あん摩マッサージ指圧を両方教える学校では付属施術所で鍼灸はあっても徒手療法が無いところが多いのです。鍼灸は体験できてもあん摩マッサージ指圧はない。チャリティーマッサージはあん摩マッサージ指圧師学生さんが実際に体験する場となりました

 

今年2022年。来院した方が6名でしたがうち4名があん摩マッサージ指圧師、および学生さんでした。初来院の方もいて、その方々はイベントをいい機会に受けてみたいという来院理由がありました。同業者は変に気を遣うというか遠慮してなかなか受けに行けないものなのです。偵察と思われたり、どうせ継続して来院しないのだろうと思われたり、とネガティブな想像をしてしまいます。当事者だからこそ。単発のイベントと割り切ればその心理的障壁が無くなります。以前からしったあん摩マッサージ指圧師さんは情報交換の意味合いが強くなります。毎年参加してくれる先生がいて、これまで得た情報を語り合う時間になっています。他にも、仕事の相談や新たな仕事が生まれるような商談みたいなことにもなりました。

 

過去には無かったあん摩マッサージ指圧師業界の交流、横のつながりの場という一面が昨年から出てきたように感じています。参加者の多くは「新宿子ども食堂」のことをよく知らないですし、新宿区に住んでいるわけではありません。按摩指圧を体験する、情報を得るため、という理由の方が強いのかなと。もちろんどのような理由であれ寄付金が集まるならそれはいいことです。やる側としては一日ずっと按摩指圧をします。このような日が1年間でほぼありません。器材を用いず自らの指だけで相手の肉体に訴えかける。それも相手は同業者。20年くらいやってきていることですが、改めて技術と向き合う時間でもあります。複数の免許を持っていますが、この日はあん摩マッサージ指圧師としての個を強く感じるのでした。

 

継続が力なり。現代の社会的な力は信用と同じだと考えています。よって継続が信用なり。自院の開業10周年も含めて、チャリティーマッサージも10回はやらないといけないと思っています。少しずつ変化しつつも毎年やり続ける。それが大切です。

 

甲野 功

 

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