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~「柔道整復師国家試験問題が“全国的に漏洩していた可能性”」報道~

TBS NEWS DIG より
TBS NEWS DIG より

 

 

今週火曜日にこのようなニュースが出て大きな話題になりました。

 

TBS NEWS DIG 柔道整復師の国家試験漏洩事件 摘発後の合格率が「過去最低」に “全国的に漏洩していた可能性”  2023年3月28日(火) 12:02

 

ニュースではこのような内容があります。

昨年、柔道整復師国家試験問題の内容が漏洩した事件があったが、摘発後に初めて実施された国家試験において合格率が49.6%となり大きく下落。それまで過去最低だった2017年度の58.4%をおよそ9ポイントも下回った。この急激に下がったことについて業界関係者が「これまでの試験では、問題漏洩が全国的に広がっていた可能性がある」と指摘した

 

このニュースがSNSで拡散され、私が知る限りネット上では大きな反響がありました。それは昨年10月に国家試験問題漏洩が発覚したときよりも遥かに大きいと感じました。国家試験問題漏洩発覚のときはどこか他人事のような印象でした。厚生労働省が管轄する国家試験問題が全問事前に漏れていて(その時点では4校の)専門学校に知られていました。柔道整復師資格免許の根幹を揺るがす大事件のはずですが、業界関係者の反応は想像以上に小さなものでした。ところが今回の“全国的にも漏洩していた可能性”を示唆したニュースは大変なことが起きたと感じているように見えました。また世間にも響いたと。

 

私は2011年に柔道整復師国家試験を受験して柔道整復師免許を持つ者。現在は柔道整復師らしい業務を直接は行っていませんが(主にあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師としての活動)、柔道整復師免許を取得した新卒の年は整形外科のあるクリニックで柔道整復師として働き包帯固定や外傷後の後療法といった業務をしていました。当事者であります。だからこそずっと国家試験漏洩事件の報道に目を光らせてきました。そして今年第31回柔道整復師国家試験の結果には非常に驚き、まさかこれだけ急激に合格率が落ちるとは思っていませんでした。

 

確かにこの数字だけをみるとどの学校にも事前に問題情報は伝わっていて、今回はそのアドバンテージが無いから合格率が落ちたのだと考えたくなります。このニュースでどの業界関係者がその可能性があると言っているのか明らかになっていませんが、表面的な数字をみて憶測で言っているようにも思います。なお、ある専門学校は問題漏洩に関して一切関わっていませんと公式に明言しています。“可能性”と括弧で書くことで断定しない予防線を張っているようにみえますし、はっきりとした根拠が提示されていません。全国と簡単にいいますが柔道整復師国家試験を受験する学校数は書類上110校を越えます。受験生は4000名以上。本当に全国的に漏洩していたのか。当事者である受験生や専門学校教員が証言しない限り真実は分かりません。ただ自らクロだという人はいないでしょう。昨年のように専門学校を警察の権限で家宅捜索しないことには調べようがないように思います。

 

このニュースによって真面目に勉強をして実力で合格を掴んだ受験生は、過去も含めて、たまったものではないでしょう。私はもう12年前の受験になりますが、事前に問題情報を知ることなく一発勝負の国家試験に臨みました。むしろ情報があればもっと楽だったのに、と今でも思います。だからこそ国家試験問題漏洩事件は見過ごせません。ニュースで“可能性”を報道するのならば、数字を比較して“可能性”を論じてみます。

 

まず(全体)合格率には新卒合格率と既卒合格率が合わさっています。ニュースでは全体の合格率が49.6%と一気に過去最低を更新したとあります。ところが後半では新卒合格率について触れています。そこで新卒合格率だけに焦点をあてます。既卒受験者(浪人生)には既に出身の専門学校が閉校している場合があります。全国的に問題情報が漏洩していたとしたとするなら、学校以外から情報を得るのは困難だと思われます。例えばYouTube動画やメーリングリストなどで不特定多数に情報が流そうとすれば証拠が残りますから、発覚が容易と思われます。加えて既卒合格率は分母が少なくなるため大きく変動します。“全国的に漏洩した可能性”があるとしたら学校単位で情報をコントロールし出回らないようかん口令を敷かないと発覚するでしょう。実際に問題漏洩が発覚したのは都内専門学校からの通報かでした。これらのことを考慮しても新卒合格率に注目した方がいいでしょう。

 

昨年第30回の新卒合格率は81.0%でした。そして今年第31回の新卒合格率65.4%。その差-15.6%。翌年にここまで下がったことはありません。ただ過去には前年から-11.7%、-10.5%と下がったことはあるのです。第30回、第31回ともに新卒受験生を出していて比較できる学校数は103校。この103校には大学、盲学校・視覚支援学校、専門学校を含んでいます。学校別の新卒合格率を精査すると以下のようになりました。

 

:第30回から第31回で新卒合格率が30%以上下がった学校数→22校。

:第30回から第31回で新卒合格率が上がった、もしくは変わらなかった学校数→21校。

:第30回から第31回で新卒合格率の低下が30%未満の学校数→60校。

 

合格率が1年で30%以上も下がるというのはちょっとおかしいだろうということで30%という分け方をしました。ただ分母が小さいと数字は大きく変わります。例えば3名受験して3名合格すれば合格率100%。それが翌年3名受験して2名合格ならば66.7%で33%の低下となるわけです。少ない受験者数だと何ともいえません。

 

①と②がそれぞれ約2割。残り③が6割で大部分。①と②がやや外れている(特異)と言えます。なお昨年問題漏洩が判明した4校は全て①に入っています。

 

さらに③の内訳は

③の1新卒合格率の低下が20%以上30%未満の学校数→20校。

③の2新卒合格率の低下が10%以上20%未満の学校数→18校。

③の3新卒合格率の低下が10%未満の学校数→22校。

と③の中でも大体3等分されています。

約100校を対象として①、③の1、③の2、③の3、②とほぼ均等に5分の1という感じです。

 

数字だけ見ると①の22校は疑わしいとなります。地域は北海道(1)、東北(4)、北陸(1)、関東(7)、関西(5)、中国(2)、九州(1)、沖縄(1)とほぼ全国に点在しています。関東と関西に多いのは学校が固まっているからです。

 

さてこの数字から昨年も全国的に問題情報が漏洩していたと考えられるでしょうか。

 

見方を変えると6割の学校は前年より新卒合格率が30%未満の範囲で落ちているのです。①と②がやや極端で大多数は新卒合格率が下がっている。もちろんその結果により全体で15.6%も下がったわけですが。これは問題が難しくなって全国で一律に合格者が減ったとも考えられます。もちろん全国一律に昨年は情報を得ていたとも考えられるのですが。

 

疑い出すと、②の昨年と新卒合格率が変わらないか上がった学校は今年も問題情報を得ていたのではないか?となるわけです。調べてみると昨年も今年も合格率100%という学校や昨年に比べて30%も上昇したという学校もあるのです。多数の学校が大幅に合格率が下がるなか、合格率をキープしているあるいは大幅にアップしているのは何か不正をしている“可能性”がある、そのように言われたらたまったものではないでしょう。個別にみるとちょっとおかしいと思われる学校もありますが、全国的に問題情報が漏洩していた、というのは無理があると思います。“可能性”と言われたらどれも“可能性”。大きく落ちた学校もありますが、大きく上がった学校もあるわけなのです。

 

このニュースから本腰を入れて捜査、摘発が進むのであれば業界のためになるかもしれません。世間に、柔道整復師国家試験は不正が働いていたのではないか、と一部には疑惑を持たれていることでしょう。

 

甲野 功

 

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