～開院９周年の紫陽花（マリーアントワネット）～

ゴールデンウイークが明けて５月１５日の開院記念日が近づいています。今年も紫陽花の鉢植えを用意して院内の彩りとしています。

２０１４年の５月１５日にあじさい鍼灸マッサージ治療院は開院しました。ちょうど紫陽花が咲いている時期でした。これは狙ったわけではなく、諸事情によりこの日付になりました。準備、特に内装工事と保健所の立ち入り検査がゴールデンウイークによって時間がかかったことが大きな要因でした。たまたま屋号と紫陽花が咲く時期とが重なりました。このときは深く考えていなかったのですが、専門学校時代の同級生が開業祝いに紫陽花を送ってくれました。ちょうど母の日があるので贈り物の花が充実している時期も重なります。このときは本当に嬉しく、不安が強かった時期ですから勇気をもらいました。このときの気持ちを忘れないように毎年５月には紫陽花を購入して飾るようにしています。

毎年用意するようになってから品種にもこだわるようになりました。調べてみると紫陽花の品種は本当に多くて毎年のように新種が登場するようです。品種名からでも興味を覚えるもの。今年９周年を飾る紫陽花の品種は『マリーアントワネット』です。

今年の紫陽花、マリーアントワネットはピンク色です。私は幼少期から青色が好きです。院内の内装も青系統を使っていることが分かると思います。また紫陽花（あじさい）の語源は“藍を集める”から来ているという説があり、藍染の品を複数置いています。藍色といえば基本青。濃い薄いの差がありますが紫～青ですね。その意味でも用意する紫陽花は青、紫色が多くなります。それを変えるために昨年はピンク色を選びました。今年も同じピンク色です。

しかし、色に関しては結果論です。ゴールデンウイーク前にいつも紫陽花を買うお店に行きました。そこにある紫陽花の数々にどうも心が躍りません。母の日を前に品揃えがいいのですが、これだと気持ちが昂るものがありません。今年を代表する紫陽花として納得できず。また昨年は最初に購入した紫陽花があっという間に枯れてしまい、急遽別のものをまた買ったという経緯があります。それはゴールデンウイーク中に水をあげられなかったからだと思われます。職場を空ける連休前に買うことをやめておこうという気持ちも働き、そのときは購入を断念。

そして連休で出かけて、帰宅するために新宿駅についたときに。いつも買うお店とは異なる花屋の店頭にあったこのマリーアントワネットに目を奪われたのです。一緒にいた妻や長女にも意見を聞き、素敵ねという反応があったので買いました。色もありますが、その高さ。毎年買っている紫陽花ですが、今年のものが一番背が高いです。開院５周年のときも背が高かったのですが、今年はそれ以上。高くて、そして花が大きい。その存在感が気に入ったのです。

紫陽花は品種がとても多い花。日本古来の品種と海の向こうが原産の品種があります。毎年のように新しい品種が生まれており、品種名も面白いものが多いのです。今年の紫陽花はマリーアントワネットといいます。こちらはＨＢＡ（ハイドランジアブリーダーズ協会）が開発した登録品種となっています。西洋アジサイの一種。咲はじめはクリーム色の下地にピンク色の縁取りとなります。そして全体がピンク色に色づきます。購入した時点で一番良い色づきになっているのですが、一部まだ色が染まっていないところがあります。変化の前後を確認することができます。

時間が経つとピンク色からグリーンに変わっていくそうです。このように色が付いた紫陽花が時間を経て落ち着いた色味に変わったものを秋色アジサイと言います。花の色が変化していくのが紫陽花の特徴。園内でじっくりと花が変わっていくことも楽しめます。

今年の紫陽花は背が高いピンク色のマリーアントワネット。来院した患者さんを迎えます。

甲野　功

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