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~競技ダンスの話 指先の意識~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 指先の意識
指先の意識

 

 

社交ダンス、競技ダンスに限らずバレエやフィギア、演劇まで身体表現の場では「指先まで意識をして」という指導が往々にしてあると思います。学生競技ダンス連盟(学連)に所属する選手では、練習会で先輩に、そして後輩に、この言葉を一度は言われたり言ってきたりしたのではないでしょうか。当院に来院される学連の選手、アマチュアの競技ダンス選手の方にもこの「指先まで意識をする」ことについて説明します。ただし、もう少し細かく話をしています。

 

ペンフィールドの小人(ホムンクルス)」というものを目にしたことはないでしょうか。

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 ペンフィールドの小人
ペンフィールドの小人

 

 

顔や舌、手が異常に大きいとても奇妙な姿で描かれている人間像です。頭に対して体が小さく小人のようです。医療系の勉強をしていると見る絵です。この奇妙な絵は何を意味しているかというと、大脳の運動野、体性感覚野に体の部位を対応させて描かれています。大きければそれだけ大脳が広く対応しているということです。このことから分かるのは手のひら、指というのは非常に脳が対応する領域が広いということ。つまり脳の機能を相当費やしているとも言えます。

 

神経系には中枢神経(いわゆる脳全般)と人体に張り巡らされている末梢神経があり、後者は自律神経体性神経があります。主に骨格筋に関係する体性神経。体性神経は更に、筋肉(体)を動かす運動神経と外界からの刺激を受容する感覚神経の二つに分類されます。元となる命令を中枢神経の大脳にある運動野から運動神経を通じて信号を出して動かし、触覚・痛覚・温冷覚などの感覚を感覚神経を通じて情報を大脳の体性感覚野に伝えます。いわば運動神経=アウトプット、感覚神経=インプットと言えます。

 

ペンフィールドの小人から分かるように手、指は他の部位に比べてとても複雑な動きをすることができて多くの感覚を受容することができるのです。人体で指ほど細かい動きができる部位はありません。親指と他の四指(人差し指から小指)の指先同士をくっつけることを「対立動作」と呼びますが、この対立動作ができる生物は人間を除くとほとんど存在しません。対立動作ができるということはモノを掴めるということです。この対立動作ができるおかげで人類は文化を発展させて霊長類と言われるほどの進化をしました。また指先以上に皮膚感覚が優れた部位はありません。触感、熱、揺れなど細かな差を判別することができます。職人は指先の感覚が鋭く、かつ思い通りに手を操作することができます。

 

このように体全体からすると小さいけれど、機能としてはトップレベルにあるのが手指なのです。競技ダンスにおいても表現力、コントロールなど占める割合が高くなります。

 

まず表現できる。人体で最も繊細に動かせるのでありますから表現をするのに適しています。フリーアームのあるラテン種目では特に重要です。指先まで使えていないダンスは締まってみえなくなります。

コネクションに影響する。社交ダンスはペアで踊るのが基本。スタンダードは特にそうですが相手に指で触れているのでそこからやり取りさせる情報量は多いわけです。ラテン種目では激しく位置が変わるので指でのコントロールが重要です。

 

余談ですが、スタンダード専攻選手だった私が大学4年生の学園祭で余興的な意味合いで、普段絶対に踊らないサンバを同期の夏全日本ラテンチャンピオンのパートナー(一般に女性という意味です)とデモンストレーションをしたことがありました。少し派手にとバリエーションを入れました。相手が離れてスピンをし、それを掴まえて戻るというやり取りがあったのですが、組んでいる状態のベーシックステップとは別次元の難しさでした。相手の動きが速すぎて手を掴むことできません。片方の手は表現しないといけないですし。普段くっついたまま踊る自分には難解な動きでした。

 

更に指先には手だけなく足も含まれます。足指の指先も意識しないといけません。というより足の指を活用できるかどうかでダンスの動作に大きな違いが生まれます。足の指を使う意識がないダンスは精密さに欠けます。ラテン種目のパートナーはラテンサンダルでは指先が見えますので目視できます。手指に比べると身体性能が大きく劣る足指。鍛えないと動かない部位です。

 

では「指先まで意識をしろ」と言われて“本当に意識できますか?”という話になります。言われてできるのならば苦労はしないわけで。先輩に優勝しろ、と言われて、はい優勝しました、ということはまず実現できないように。

 

指先を意識するということを上述したように運動神経(アウトプット)、感覚神経(インプット)の二つの面から考えています。

競技ダンス選手には、自由に自分の意志通りに、指が動いているのかをチェックしてエクササイズをしてもらいます。そこで想像しているよりも指が動かないことを実感してもらいます。楽器演奏をしていた方や手先が非常に器用な方はできるのですが、ほとんどの選手はできないことが多いです。私の場合、幼少期から折紙、あやとりと手先を使う遊びが好きで、今の鍼灸マッサージの仕事をするあたりかなり指を鍛える訓練をしてきました。指をきちんと動かすことの難しさを実感しています。競技ダンス選手の場合、我々の仕事ほど感覚神経を鍛える必要が無いので主に運動神経面で考えます。脈診や触診をする必要がないでしょうから。

 

ではどうするのかというと指先の抵抗運動を行います。選手に指を開かせようとさせて、それを術者である私が動かないように押さえます。数秒力を入れさせて全力まで力が出ていると私が感じたら、パッと手を離します。すると選手の指は勢いよく開きます。これは脳梗塞後遺症で手指が動かなくなった患者のリハビリに用いられるテクニックの応用で、指を開こうと運動神経で指令を出しているのに指が動かない状況を感覚神経が情報と受け取る矛盾状態を作るのです。これを3回くらい繰り返すと指が簡単に動かせる感覚が得られます。

 

そうなると、例えばニューヨークというステップをしたときにアームが出しやすい、ということになります。指先を意識することがどういうことなのか、運動神経の感度を上げるような操作をして実感してもらいます。そうするとより簡単にストレスなく指が使え、結果的に肩や腕もスムーズに動かせるようになります。足指も同じように抵抗運動を行います。するとウォークがやりやすくなります。

 

上手な選手は練習の過程で自然と身につけているであろう、指先まで意識をする。それを他動的に意識できるような状態になってもらいます。もちろん一過性のことなので、選手にはその後練習を重ねて感覚を定着させてもらわないといけません。ただ良い状態を体験し記憶してもらうことでその後の上達スピードが上がるはずです。

 

指先まで意識をするといいますが。私も大学1年生の時に先輩に散々言われてきました。

 

甲野 功

 

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