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~知識労働者~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 知識労働者
知識労働者

 

 

もう10年以上前のことですが、当時勤めていた鍼灸整骨院の職場では管理職に就いており経営に関わる業務もしていました。その一環としてピーター・ドラッガーの考えを学ぶこともしていました。ドラッガーとは経営者なら誰もが知っているであろう学者でその影響は非常に大きいです。私はその後、独立し開業するにあたって経営・経済・マーケティング等の勉強をする中で何度も登場してきました。ドラッガーの名著に「マネジメント」があるのですが、その中身を要約し解説する本が「ドラッガーのマネジメント 見るだけノート」です。この「見るだけノート」シリーズが好きでたくさん読んできました。この「ドラッガーのマネジメント 見るだけノート」に登場する内容で、前々から気になっていたものがあります。それが知識労働者です。

 

ドラッカーは知識労働者という概念を提唱しました。原文はknowledge workerナレッジワーカー)。こちらを和訳したのが知識労働者です。本によっては知的労働省ということもあります。ここでいう「knowledge:知識」とは、知っている情報そのものではなく、情報を成果に変える能力である「知恵」のことだといいます。そうなると知識と知恵の違いは何ですか、という話になります。私が考えるに、知識はあるかないか(知っているかいないか)で判断されるもので知恵は知識を土台に生み出させるもの、と捉えています。知識は物事を知っているかどうかとこと。知恵は人によって差がある。数学的な見方をすると知識は0(無)か1(有)のデジタル、知恵は幅のあるアナログです。試験問題で考えると、知っているかどうかを問う問題が知識で(例えば「世界第2位の経済大国は?」という問題)、知識を踏まえて論じる問題が知恵である(例えば「中国が世界第2位の経済大国になった理由を述べよ」という問題)、という違いです。そうなると知識労働者は、知識(情報)があることが前提の知恵のある労働者、というニュアンスを感じます。

 

知識労働者に対する概念として労働者があります。原文はmanual workerマニュアルワーカー)。こちらはマニュアル化された業務をただこなす者としています。マニュアルという決まったやり方に則り、言い方が悪いですが、頭を使わず(知恵を用いず)ただただ機械的に業務をこなすというニュアンスです。そこには紙に書かれたマニュアルを、覚えたマニュアルを、使ってそれに従うだけということなのでしょう。応用が利かない、杓子定規な、という形容詞がつくような。また大事なのはいわゆる肉体労働者、単純作業を延々と繰り返すような人も、知識労働者であるとドラッガーは言います。作業効率を上げるために知恵を絞り行動する者は知識労働者になります。ドラッガーは知識労働者こそが成果を上げる人材になると述べており、労働者(マニュアルワーカー)ではなく知識労働者(ナレッジワーカー)であることを求めます。思考停止に陥らず常に考えて持っている知識を仕事に活かすという。

 

ドラッガーは知識労働者の在り方として、高度な専門知識を持つだけでなく常に新たな情報を収集し、それを巧みにフィードバックすることで組織に利益をもたらすとしています。私の立場に置き換えると、あん摩マッサージ指圧、鍼灸といった技術に関する知識や解剖学・生理学などの人体に関する知識といった専門分野の知識があることは当然として、社会の動向や経済などのことにもアンテナを張って専門外の知識を得る必要があるというわけです。そしてドラッガーは専門知識を活かすには論理的思考とそれに支えられた分析能力も必要だとしています。それは主体的に自身をマネジメントしていくことです。組織だけなく自分自身もマネジメントをする必要があるとしているのです。

 

知識労働者であれ。そのようなメッセージを感じます。というのは単なる労働者(マニュアルワーカー)は早晩、機械に置き換えられるであろうという予測が立つからです。言われた通り、決まった通りにする。それを正確に延々と行うのであれば人間よりも機械が行った方が合理的です。以前から自動車工場ではロボットアームでの作業が導入されています。クリエイティブな仕事だと言われていた作曲や作画といった分野にも生成AIが入ってきました。コンビニのレジ打ちは無人レジに変わりつつあります。手で切符に切れ込みを入れて回収していた駅の改札はとっくの昔に自動改札になりました。機械に仕事が奪わるという話は産業革命以降ずっと存在しました。AIの発展により更に加速することでしょう。そのときに“いち労働者”として残るのは知識労働者だけになるのでしょう。

 

ドラッガーが提唱する知識労働者(knowledge worker)という概念を知ったのは10年以上前のことでした。その頃は面倒な定義を作っているなという感想でしたが、今の時代に改めて考えてみると非常に示唆に富んでいると思います。

 

甲野 功

 

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