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~競技ダンスの話 屈筋群・伸筋群優位~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 競技ダンスの話屈筋群・伸筋群優位
日本人は屈筋群が優位で欧米人は伸筋群が優位

 

 

※最初に注意。これはかつてそうだったという話になります。それを踏まえてお読みください

 

人間の体には筋肉があります。筋肉にはその機能面から骨格筋内臓筋に分類されます。骨格筋は体を動かす、運動に関わる筋肉で内臓筋は胃や大腸など内臓を動かす筋肉です。いわゆるマッチョマンというのは骨格筋を鍛えているのです。スポーツをするには筋肉を使うことが必須で、競技ダンスにおいても例外ではありません。

 

骨格筋には大まかに屈筋伸筋という区分があります。骨格筋の分類には様々なものがあるのですが屈筋・伸筋というのはその中の一つです。

屈筋(flexor muscle)関節を屈曲に作用させる筋肉で、単純にいうと曲げるために使います。ここでいう屈曲とは運動学(身体の動かし方)における用語で、主に体の末端が中枢に近づく動きを指します。その反対が伸展という動作です。

伸筋(extensor muscle)関節を伸展に作用させる筋肉で、伸ばすために用いられます。伸展は運動学で主に体の末端が中枢から離れていく動きを指し、反対の動作が屈曲となります。

屈曲と伸展は相反する動きになります。なおルールとして屈曲の方が伸展よりも大きく動くというものがあります。例えば足首。つま先を下げる動作と上げる動作では、下げる方が大きく動くので屈曲、上げる動作を伸展とします。分かりにくいで前者は(足関節の)底屈、後者を(足関節の)背屈といいます。底面(足の裏)方向の屈曲すること、背面(足の甲)方向の屈曲というわけです。

 

一つの関節における屈筋と伸筋では拮抗筋という関係となり、相反する関節動作を担います。肘関節では、上腕二頭筋は肘を屈曲させるから屈筋で、上腕三頭筋が肘を伸展させる伸筋。膝関節において膝を曲げる屈筋はハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)で、膝を伸ばす伸筋は大腿四頭筋(大腿直筋、中間広筋、内側広筋、外側広筋)です。このように一つの関節において相反する「曲げる・伸ばす」を行う筋肉が屈筋・伸筋です。

個々の関節について細かく屈筋・伸筋を指摘していると膨大な文章量になりますので割愛します。大まかに屈筋群と伸筋群に全身の骨格筋を分類します。

 

ここから日本人と欧米人の骨格筋の比較に話は移ります。欧米人という言葉はかなり大雑把で適切ではありません。日本人から見て、西洋、白人、金髪碧眼、という印象を持つ、北米やヨーロッパに住む人種というイメージです。もちろんその地域にはアジア系、アフリカ系と多種多様な人種がいますから正確ではありません。日本人からみて“いわゆる”欧米人という捉え方をしていだければ、と思います。また日本人といっても今は多様性の時代で、日本国籍でもダブル(ハーフ)、クオーター、帰化した者など人種的な差異があります。これも“いわゆる”日本人という捉え方をしてもらいたいです。もはや“かつての”という形容詞が入るかもしれませんが、『20世紀後半くらいのいわゆる日本人と欧米人の骨格筋における違い』という話であることをご了承ください。

 

前置きが長くなりましたが、このような特徴があると言われています。それは日本人は屈筋が優位で、反対に欧米人は伸筋が優位であるということ。屈筋と伸筋を比較して、また全体的に屈筋群と伸筋群と広い範囲で、かつそのような傾向が強いということなので、絶対ではありません。単純に一つの関節で考えれば既に述べたように屈筋の方が伸筋よりも筋力があることが普通です。体全体をみたときに、日本人では伸筋群よりも屈筋群が使われやすい、優位にあるということ。欧米人はその逆ということです

 

具体例を挙げていきます。日本人は背中が丸まりやすく、姿勢が悪くなりやすいです。そして肩こりがひどい。これが欧米人になると背筋を伸ばしやすいのです。そして圧倒的に腰痛がひどい。このように言われます。嘘かほんとか欧米人は気を抜くと背中を後ろに反ってしまうようになるとか。真偽のほどは分からないのですがこれまで同じような話を二度耳にしたことがあります。日本人は猫背になりやすく、欧米人からみると姿勢が悪いという印象をもたれやすい。日本人を風刺するイラストでは、低身長でメガネをかけて猫背で首からパスポートを掛けているというおのぼりさんが描かれていたものでした。

 

屈筋群優位と伸筋群優位について別の視点から。日本人は腕を引く動作が得意で欧米人は腕を押す動作が得意です。日本の鋸(のこぎり)は引いたときに切れますが、欧米のそれは押したときに切れます。鉋(かんな)は典型的で押す鉋は日本にありません。日本刀は引きながら切ることができ、銃器や飛び道具を除くと世界で唯一の後退しながら攻撃できる武器と言われることがあります。対してフェンシングが特徴的ですが欧米の剣は前に押す、刺すことが攻撃の主体です。

 

柔道とレスリングを比較してみましょう。柔道経験者ならよく分かるでしょうが、最初に習うことは引手といって相手の襟や袖を引き寄せること。そして懐に入って体を前屈させる背負い投げを習います。その時にしっかりと引手を使って相手が頭から落ちないようにします。これらは全て屈筋の動作です。前に押し倒す技もありますが柔道は引く、曲げる動作が多いのです。レスリングになるとスープレックスといって後方に腰を反らせて投げる技が代表的です。ブリッジという背中を反る訓練を徹底的に練習します。またタックルという相手の足や胴を抱えて押して倒す技術も基本です。柔道に比べると押す、反るそして腕を伸ばす動きが多いわけです。

 

このような違いがなぜ生まれるのでしょうか。諸説あるようですが、一つは遺伝的なもの、もう一つは文化的なもの。日本人は農耕民族でした。農耕では曲げる動作が多くなります。畑を耕す、稲を植える。現在のような大型農耕器具が無い時代は前屈みの体勢をずっと維持していました。対して欧米人は騎馬民族でした。馬に乗るときは姿勢をよくしておく必要があります。そうしないとバランスが取りづらいのです。文化面でみると畳で暮らしてきた日本人は食事の際に料理が遠い位置にあるので背を丸めやすくなります。机と椅子の文化である欧米人は料理が近い位置にあるのでよい姿勢を保ちやすい。和服は少し猫背でないと似合いません。襟と首が少し距離がありうなじが見えているのが粋。欧米の方が和服を着ると姿勢が良すぎてちょっと変な風に映ります。日本人がドレスを着たときに姿勢が悪いと似合いません。デコルテ部分が潰れると貧相に見えますのでしっかりと胸を張らないと様になりません。このように遺伝や文化的背景が影響していると推測されています。

 

このような体の違いから、日本人は肩凝りが国民病で欧米人は腰痛が酷いと言われています。肩凝りに該当する英単語は存在しないなどいわれたものでした。それは姿勢の問題と考えられてきました。実際のところ、欧米人でも肩凝りはありますし日本人に腰痛が少ないとは言えません。今ははっきりとした差があるわけではないと、自身の経験上考えています。

 

さてやっと競技ダンスの話になります。社交ダンスを競技として競い合う競技ダンス。もちろん発祥は欧米。ヨーロッパが起源とされています。そうなると伸筋群優位の身体に適した動きが基本になっているといえます。というより屈筋群優位の日本人には不利であると。文化も体形も筋肉の能力面でも。海外選手が自然にできることが日本人には非常に困難である場合があります。競技ダンスでは首が前に出る、ネックが出ると表現しますが、これは大きな問題です。しかしそれはもしかすると日本人だから出やすいのであって、欧米の方々にとってはさほど問題にならないのかもしれません。反対に欧米人が日本舞踊を学ぶと内に締めるような動作が非常に苦労するのかもしれません。

日本人は欧米人に比べて屈筋群が優位の身体である。それは遺伝、文化によるもの。

このことを知っていると理解できることが多いと私は考えています。どうしてヨーロッパやロシアの選手は同じことをしているはずなのに違うのだろうと疑問に思ったときに、身体付きや筋肉の使い方、更には文化背景も考慮して模索してみます。そう考えてみると見た目はそっくりですが大陸文化である中国人のダンスとも違いが見えてくることがあります。当院に来院される競技ダンス選手や社交ダンス愛好家へダンスが上手く踊れるように体のことをお伝えするときに大事なヒントとなります。

 

最後にちゃぶ台返しのようなことを述べますが、若年層にとってはこの屈筋群優位・伸筋群優位はほとんど差が無くなってきています。食べ物が西洋化し、畳から椅子に生活様式が変わりました。人種的にも純粋な日本人だけでなく海外の血が入ってきています(2年前の東京オリンピック日本代表選手をみると分かりやすいですね)。日本人は胴長短足といわれたのは過去の話で、現在は欧米人に負けないくらい手足の長いグッドスタイルの人が増えました。美を追求するフィギアスケートでも現在は日本人がスタイルで劣るということはあまり無いように感じます。西洋舞踊であるバレエにおいても日本人がコンテストのトップに立つことが出てきています。どんどん和式便所が無くなってきているのも関係あると思われます。

ですから今回の話は概ね50代以上に言える話題かと思います。ご了承ください。

 

甲野 功

 

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