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~神保町古書巡り~

 

 

本日、神田神保町古書街を巡りました神戸からSNS上でしかやり取りの無い鍼灸師の方が東京に来て、古本屋で鍼灸関連の本を探すという投稿を発見。神保町に行くのですか?と問うとそうだという回答。時間が合えばご一緒しましょうという話になりました。

 

神保町。地名は神田神保町。東京都千代田区にあります。神田と頭につくのでJR、地下鉄各線が通る神田駅が近いと思われがちですが、実際には結構な距離があり、都営線、東京メトロが通る神保町駅が最寄りになります。日本有数の、世界でも珍しい、古本屋が多数あるエリアです。古くから古本屋が軒を連ね古書街として有名でした。現在はカレーやラーメンの激戦区、その前は楽器やスキー用品でも有名でした。しかし何といっても古本屋が神保町の大きな特徴で毎年秋に開催される「東京名物神田古本まつり」は昨年第62回を数えました。昭和35年(1960年)に始まった伝統のあるイベントです。都心部では東京都新宿区早稲田にも古本街がありますが、その規模は神保町に及びません。ましてその数は減っています。この令和の時代、出版不況、紙離れ、ペーパーレス、と言われる現在も、数多くの古本屋があるのが神保町という街なのです。

 

私は古本屋巡りが趣味でした。今でも忘れない小学生の頃。当時、自宅近くに小さな古本屋がありました。少年マンガ「キン肉マン」を買っていて、既に刊行していた巻がそこで売っていたので買いました。すると値段が100円。その頃は消費税導入前でジャンプコミック1冊360円でした。それに比べても100円は安い。あまりの安さに驚きました。そのときに古本屋という中古書籍を売る店があること、古本というものがあること、を知ったのでした。小学生にはとても助かります。新品にこだわることがなかったので。それから古本屋を探すようになりました。

中学生になり自転車で行動範囲が広がると早稲田から高田馬場にかけて古本屋がたくさんあることを知ります。そして神保町にはもっとあることを。やすくマンガを購入するために自転車で早稲田や神保町を巡り、少しでも安く購入することに励みました。ある店は100円。隣に行くと50円で売っている。全巻セットにすると1冊あたりの値段が安くなる。そのようなことがあり、足を使って何店も巡りました。そのうち古本屋によって置いてあるジャンルが決まっていることに気付きます。昔のプレミアのついた少年マンガ、雑誌があるところ。アイドル写真集ばかりのところ。プロレス・格闘技関連が多いところ。中国文学のみ。医学書専門。美術関連。などなど。特色があるのです。高校生になると興味が無い分野の古本屋でも一度は入って店内を確認するようになっていました。それはフィールドワークであり、都心部の探検のようなものでした。

 

新宿区立の小学校・中学校を卒業し、渋谷にある私立高校に進学した私。それまでは違って新宿区以外の幅広い地域から生徒が集まり、生徒数は全学年で1800人。中学校の全校生徒が300人いかなかったので規模の違いが顕著でした。東京都外から通学する生徒もたくさんいて、(大袈裟ですが)世界の広さを知りました。そして都心部が初めてという生徒が多いことも。東京タワーが新宿にあると思っていたクラスメイトにびっくりしましたし、新宿区に住んでいるというと信じられないと言われたことも。人生において地域性(ローカル性)を感じた瞬間でした。同じ部活の同級生と話をしていて、神保町を知らないという者が多かったのです。古本屋とはそもそも学生のためのもので、近隣にたくさん大学生のために参考書や教科書、文献を安価で購入するために古書街ができたわけです(諸説あるのですが)。早稲田は早稲田大学。神保町は日大、明治、専修らの大学があります。また絶版となった古い書籍が見つかるのも古本屋の利点。いわゆる掘り出し物という奴です。このように神保町を面白いし知っていると便利だよと部活の同級生に教えました。

そうなると行ってみようということになります。同級生を連れて神保町へ。大学は史学部に入って日本史を学びたいという同級生と幕末に興味がある同級生と。複数の古本屋を歩き回り、目当てのあるいは興味のある本を探しました。山岳部なので歩くことが強かったので一度に軽く10軒以上まわったものです。中には絶対に手が出ないプレミアのついた古文書みたいな本や、大学の図書室に保管してあるような専門書を手に取って眺めることができました。更に神保町には奥まった分かりづらいところにある古本屋もあり、こんなところにもあったのかという発見がありました。

 

その後、大学、社会人を経て鍼灸マッサージ専門学校に進学すると医学関連の本を探すために再び神保町を訪れます。医学専門書は買う人が少ないので高価です。まして鍼灸関連となるとより一層狭くなります。医学専門の古本屋だと安く購入することができるかもしれません。

 

このように若い頃は足繫く通った神保町。今はカレーの街という印象がありますが、私にとっては本の街。今でもプロレス・格闘技の書籍が充実している「書泉グランデ」にはよく行きます。そこか新宿の「ブックファースト」でないと買えない本があるのです。

そんな神保町を神戸から来た鍼灸師さんに紹介したいという想いがありました。神保町は2回目という鍼灸師さん。一部ではありますが、東京の良さを知ってもらいたいと。

 

いきつけの「書泉グランデ」で待ち合わせをして、まず目についた古本屋へ。ここに行きたいという本屋がないということでしたので。そこで店員に医学関連専門書を扱っているかを尋ねると、うちは無いのですがこのマップに自然科学・医学の本が強い古本屋がありますよ、と教えてもらいました。具体的には「明倫館書店」が有名ですよ。「明倫館書店」はすぐ近く。地下1階に医学専門書がありました。そこは本だらけで通路が狭くなるまさに神保町の古本屋。鍼灸関連の書籍も驚くほどたくさんありました。専門学校の図書室を越えているかもしれません。目移りしつつ、他も見てみようということで、何も買わずに別の古本屋へ。続いてSNS経由で得られた情報から「東方書店」へ。「東方書店」は中国関連の書籍が充実しており、輸入本も多数取り扱っていました。ただ古本屋ではなく新書の本屋。新書であればネット注文すればいいわけです。興味がありましたが目的が異なるという事で別の本屋を目指します。私がその場で検索してヒットした「鳥海書房」に行きます。「鳥海書房」は神田古書センターというビルに入っている古本屋。自然科学専門書を扱っています。古書センター自体が高校生の頃よく通ったビル全体に古本屋が入っている珍しいところ。その中でも特に3階はマニアックだったことを思い出します。まだ残っているのかという、20年ぶりの記憶。結局鍼灸関連の本はほとんど無かったのですが個人的に懐かしさで嬉しくなりました。結局、最初の「明倫館書店」に戻りました。そこで私は「東方書店」で見つけて気になっていた本が古本であることに気付き、値段が半額に近いものだったので購入しました。古本屋を巡った上で買うという、かつて行っていた行動をしたのでした。

 

10数年ぶりの神保町古書巡り。神戸からきた鍼灸師さんと会うというきっかけがなければ行わなかったことでしょう。ネットで簡単に注文できる時代に逆行したようなことですが、懐かしくむしろ新しい発見です。都心部に住んでいることで気軽に神保町に行くことができるありがたさも再認識しました。

 

甲野 功

 

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