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~高校生に聞いた、スポーツトレーナーに必要な資格は?~

新潟医療福祉大学【4/9「鍼灸の日」にあわせた高校生の職業理解度調査】 より
新潟医療福祉大学【4/9「鍼灸の日」にあわせた高校生の職業理解度調査】 より

 

 

今年4月、新たに鍼灸学科(正確にはリハビリテーション学部鍼灸健康学科)が開設した新潟医療福祉大学(新潟県)。視覚障害者向けの大学を除くと11ある鍼灸の大学で最も新しい鍼灸学科設立です。なお全国の大学は明治国際医療大学(京都府)、関西医療大学(大阪府)、帝京平成大学(東京都)、鈴鹿医療科学大学(三重県)、森ノ宮医療大学(大阪府)、東京有明医療大学(東京都)、常葉大学(静岡県)、九州看護福祉大学(熊本県)、宝塚医療大学(兵庫県)、九州保健福祉大学(宮崎県)です。募集停止した大学は除いています。このようにみると北陸で初めてできた鍼灸科のある大学となります。

 

その新潟医療福祉大学が行った調査で興味深いデータがありました。

新潟医療福祉大学

【4/9「鍼灸の日」にあわせた高校生の職業理解度調査】 「はり師」「きゅう師」の認知度と、スポーツトレーナーに必要な資格の認知度が一致せず、現実とのギャップが浮き彫りに ~高校生アンケート調査から判明~

 

新潟医療福祉大学(所在地:新潟市北区、学長:西澤正豊、以下本学)は、スタディプラス株式会社と共同で、高校生1,468名を対象に、「スポーツトレーナーに関する高校生の職業理解度」についてアンケート調査を実施しました。

 

■調査結果

4月9日(日)は「鍼(4)灸(9)の日」です。

「はり師」「きゅう師」は、JSPOアスレティックトレーナーのうち約40%が所有する国家資格ですが(※1)、スポーツトレーナーになるために必要な資格は定められていないため、スポーツトレーナーを目指すうえでどんな資格を取得すべきか高校生の職業理解が進んでいないのが実態です。

そこで今回、スポーツトレーナーの職業理解度について調べることを目的に、高校生1,468名を対象としたアンケート調査を実施しました。

 

その結果、「スポーツトレーナーになるために必要と思う資格は?」という質問に対し、52.0%が「理学療法士」と回答、「はり師」「きゅう師」と回答した高校生はそれぞれ3.4%、2.0%となりました。一方で、「はり師・きゅう師を知っている」と回答した高校生は61.2%でした。このことから、「はり師」「きゅう師」の資格自体の認知度はあるものの、スポーツトレーナーを目指すうえでの必要性については認知されていないことが明らかとなりました。

 

Q1.あなたの学年を教えてください

回答総数は1,534名、そのうち同意が得られた高校生は1,468名となりました。内訳は、高校1年生が31.7%、高校2年生が47.7%、高校3年生が20.6%です。

 

Q2.スポーツトレーナーという職業に興味はありますか?

約3割の高校生がスポーツトレーナーに興味があると回答し、スポーツトレーナーが興味関心度の高い職業であることが分かりました。特に、運動系の部活動をしていたと回答した方ほど、興味関心が高い結果となりました。

 

Q3.スポーツトレーナーに必要と思う資格は何ですか?(複数回答、最大3個)

高校生の約半分が、スポーツトレーナーに必要と思う資格は「理学療法士」と回答。次いで、「健康運動指導士」「JSPOアスレティックトレーナー」「健康運動実践指導者」という順番となりました。「はり師」「きゅう師」が必要と回答した高校生は非常に少なく、それぞれ3.4%、2.0%という結果となりました。このことから、「はり師」「きゅう師」はスポーツトレーナーとは関係のない資格と認知されていることが明らかとなりました。

 

Q4.「はり師」「きゅう師」という資格は知っていますか?

約6割の高校生が「はり師」「きゅう師」の資格を知っていると回答、職業認知度は高いことが分かりました。

また、「はり師」「きゅう師」のイメージについては、「痛みの緩和」や「疲労回復のための施術」となり、鍼灸院で働くというイメージが強く、スポーツシーンで活躍するためにスポーツトレーナーが多く所有する資格という認識はないことが分かりました。

 

■調査概要

・調査期間:2023年3月27日(月)~3月29日(水)

・調査機関:スタディプラス株式会社

・調査対象:学習管理アプリ「Studyplus」ユーザー

・有効回答数:高校1年生~3年生 1,468名

・調査方法:インターネット調査

 

どのようなものかというと、高校生が認識しているスポーツトレーナーに必要な国家資格と、現実のそれが大きく乖離しているというデータを示しています。この内容を掘り下げてみます。

まず回答者のデータ。有効回答総数1,468名、高校1年生31.7%、高校2年生47.7%、高校3年生20.6%。n数として1500弱あります。そこで

スポーツトレーナーという職業に興味はありますか?

という質問をし、約3割の高校生がスポーツトレーナーに興味があると回答したとあります。これをもって、『スポーツトレーナーが興味関心度の高い職業であることが分かりました』、と記載されています。このことはいいとして、まずスポーツトレーナーとは何でしょうか。かなり幅がある言葉だと私は思うのです。トレーナーというからトレーニングをさせる人でしょうか。コーチと違うのでしょうか。医療行為をする人というイメージもあるのではないでしょうか。実際にはフィジカルトレーナー、アスレチックトレーナー、メディカルトレーナー、ストレングストレーナー、フィットネストレーナーといった用語があり、扱う分野が結構違います。トレーニング指導をする人といってもいわゆる筋トレを指導する人、栄養指導をする人、基礎的な技術を指導する人など分野が様々。そこにスポーツドクター、リングドクターのような医師が担う医療体制もあり、そこと連携するような立ち位置もトレーナーに入るのではないでしょうか。高校生にスポーツトレーナーというかなり大きな範囲の職業について聞いて、回答者がどのようなものを想像しているのでしょうか。

 

続いて以下の質問です。

スポーツトレーナーに必要と思う資格は何ですか?(複数回答、最大3個)

前提としてスポーツトレーナーという国家資格は存在しません。言い換えると国が管理する免許は存在しないのです。そのため法的には誰でも明日からスポーツトレーナーを名乗れば、その人の肩書はスポーツトレーナーとなることできます。名乗ることはできます。周知されているかはわかりませんが、医師だと名称独占といって医師免許を持たない非医師が自らを医師ですと偽ることは違法行為になります。無免許で手術をした、投薬をした、といった偽医者行為をしたら罰せられるのは当然ですが、あたかも自分が医師であるかのように言うのも違法です。免許が無いということは名乗れてスポーツトレーナー行為なるものをしても罰せられないということです。

その上で必要と思う資格を問いています。スポーツトレーナーという資格がない存在に、必要な資格は何か。なかなか面白いと思います。高校生が資格について現状を理解しているのでしょうか。それを調べる意味で秀逸な質問ではないでしょうか。そして回答者52.0%がスポーツトレーナーに必要と思う資格は理学療法士と回答したとあります。以下、健康運動指導士(43.7%)、JSPOアスレティックトレーナー(36.8%)、健康運動実践指導者(34.7%)となりました。過半数を占めた理学療法士。この資格は国家資格でありますが、医師の指示の下、医療機関で主にリハビリテーション業務を行う職種です。その理学療法士がスポーツトレーナーに必要と考えているという回答。

 

また鍼灸師と一般にひとくくりにされるはり師、きゅう師ですが、それらを必要と回答はそれぞれ3.4%、2.0%。『このことから、「はり師」「きゅう師」はスポーツトレーナーとは関係のない資格と認知されていることが明らかとなりました』と結論づけています。しかし、

「はり師」「きゅう師」という資格は知っていますか?

という質問には約6割がこれらの資格を知っていると回答しています。

そしてこれが一番のキモですが、JSPOアスレティックトレーナーのうち約40%がはり師、きゅう師免許を所有していることです。データが同数なのは鍼灸師として同時にはり師、きゅう師両方の免許を取得しているからでしょう。さらに3位はあん摩マッサージ指圧師となっており、その下に理学療法士が入っているということ。これらのデータから『「はり師」「きゅう師」の資格自体の認知度はあるものの、スポーツトレーナーを目指すうえでの必要性については認知されていないことが明らかとなりました。』としています。

確かにこのデータをみると、JSPOアスレチックトレーナーは鍼灸師、そしてあん摩マッサージ指圧師を持っている者が多く、高校生はその事実を知らず理学療法士を取ることが良いと勘違いしている、と考えられそうです。ただ釈然としない気持ちがあります。まずスポーツトレーナー=JSPOアスレチックトレーナーといってよいのでしょうか。最初の方に述べたようにスポーツトレーナーという用語には多くのジャンルを含んでいます。何より免許が無いので誰でも名乗れて活動できてしまう。JSPOアスレチックトレーナーというものが日本唯一の公的な(国が管轄する)資格であるならばそれで構いませんが、そうではありません。例えば整形外科医がスポーツトレーナーを名乗って活動したとしたらどうなるのでしょう。データ自体は興味深いのですが、その結果から高校生が勘違いしているという方向に持っていくにはスポーツトレーナーとは何かをはっきりさせないと。JSPOアスレチックトレーナーは日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)ですが、他にもジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会認定アスレチック・トレーナー(JATAC-ATC)というものも存在しアスレチックトレーナーも一つではありません。何よりスポーツトレーナーの一ジャンルにアスレチックトレーナーがあるとして、高校生にスポーツトレーナーに必要な資格を問いながら、JSPOアスレチックトレーナーの人は理学療法士よりも鍼灸師を持っている事実がある、という論の展開がやや引っかかるわけです。それならば、“JSPOアスレチックトレーナーになるにあたって更に必要な資格は何だと思いますか?”という質問にしないと筋が通らないのではないでしょうか。

 

それとは別に、なぜ医療機関で医師の指示の下、リハビリテーション業務を行う理学療法士がスポーツトレーナーになるにあたって必要だと高校生は回答したのでしょう。そのように広報して認知されていないとこのような回答は出ないはずです。何よりデータによればJSPOアスレチックトレーナーは理学療法士よりも鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師を持っている方が多いという現状があります。スポーツトレーナーとして活動している者の肩書に理学療法士を入れているのでしょうか。理学療法士には正式な開業権がなく、理学療法士の法律にも第2条(定義)の3で『この法律で「理学療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、理学療法を行なうことを業とする者をいう。』と定義しているので医師の指示の下に理学療法を行わない者は法律上で理学療法士とは言わないものだと考えられます。更に理学療法士は医師と同様に名称独占があり、理学療法士免許を持たない者が理学療法士を名乗ることを法的に禁じています。どういうことでしょうか。この調査データは資格の職域を考えさせられるものでもあります。

 

今、スポーツ関連の職種は若い人に人気です。自身がスポーツ選手だった人は、プロ選手になるほどの実績がなくて、それでも関わりたいという場合が大いに想定されます。私も競技ダンスのプロになるほどの実力はないと理解した上で、競技ダンス選手のサポートをしたいという気持ちからこの仕事を選びました。その経験からも、高校生には将来何をしいのかを明確にイメージして、資格を選択してもらいたいです。

 

甲野 功

 

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